[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
クレシンを始めて知ったのはコミック本だった。シンちゃんの生意気ぶりが嘘っぽくて、好きだった。けれど、子供向けアニメとなった時、年の離れた従兄がシンちゃんを真似ている姿を見て(当時高校生だったっけ?)、拒否反応をおこした。
小学生になったばかりの子が「すればぁ」と言うのを聞き、正直むかついた。自分の子供には「絶対見せまい!」と誓っていたのだった。
ところが、このシネスケでクレシンはかなりの高評価…。「何故なんだ、何故なんだ?」その疑問を解きたいために、このビデオを手に取った。
ところが、どうだ!
私は、厳密に言えばこの映画に描かれた時代には生きていない。けれど、そんな私にもこの時代は懐かしい。何故だか分からないが、懐かしくてたまらないのだ。
三畳一間に寄り添う事が幸せだと言える、この時代が懐かしくて仕方がないのだ。
時間を忘れ、夕焼けを眺めて一日の終わりを確かめる…。時間の進むのがモーレツに早い今、そんな一日の終わりを過ごした事があっただろうか…。
夕暮れになるとどこからともなく漂ってくるご飯の匂いに、腹を空かせて家に駆け込む、そんな日は…。
それを思うと、この時代に戻りたい。行ってみたいと思ってしまう。日本人が忘れてしまった何か。モノに満たされ、精神的に大切なものを失ってしまった今だからこそ、モノがなくても精神的に満たされていた時代への憧れが募るのだった。
バックミュージックと、曲がり角のおばあちゃんが営むタバコ屋さん。懐かしい気持ちに浸る私は、すでにケンの罠に陥っていたのだった。
そんな懐かしさに浸る私も、ヒロシと同様目が覚めた。
得意先に頭を下げるヒロシを見て、涙が止まらなくなってしまった。(…うっ。いけない、また込み上げてきた)暑い夏の日も、寒い冬の日も、頑張るヒロシ(父ちゃん)は、冴えないかもしれないけれど、すごく素敵だった。
『家族のため』 そこに込められた愛の重さに、胸が押しつぶされそうになった。
高いタワーから落ちそうになりながらも、子供を支えたみさえの母の強さ、エレベーターを必死に押さえるヒロシ、何度も転びながらも階段を駆け上がるシンちゃん。
みんなが、それぞれに『家族』を守るために必死になっていた。これを観て、感動するなと言う方が酷だ。涙で画面が見えなくなった。平凡な家族、平凡な家庭に込めれらた愛のパワー!
今まで何度も地味な自分の過去を振り返って思っていた。 「あの時こうしていれば、もっと素敵な人生になっていたわ。」 そんな自分に言いたい!「おばかーーーーーーーーー!!!!!!!」って。
横で先に眠った我が子の手を握り、『もう二度と過去に戻りたいだなんて言わないよ!』そう誓った。
おまえ達は私達の希望で、未来で、夢の形なんだから!
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