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[コメント] モンスターズ・インク(2001/米)

「一緒に観た友人は『うる星やつら』を、オイラは」→、それもあるけれど、「モンスターってのは、」→→
muffler&silencer[消音装置]

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「一緒に観た友人は『うる星やつら』を、オイラは」→ 『マルコビッチの穴』を思い出してました。友達によると、「ドア」のシークエンスは、『うる星やつら』にソツクリなものがあったそうです。

今日は『アメリカン・スウィートハート』を観るつもりだったのに、たまたま、その『うる星やつら』説の友人が遅れて、第三希望ぐらいだった『モンスターズ・インク』を観ることになったんだけど・・・「吉」とでた!

「ドア」云々が、『うる星やつら』だろうと『マルコビッチの穴』だろうと、はたまた「どこでもドア」でも、オイラとしては別にO.K.で、楽しい「ファンタジー」として、<モンスターの世界>を<オトナの世界>の「パロディー」として、手堅く上品にまとめていたと思う。さすがディズニーだ!

でも、ラストはあまり好きじゃない。やっぱり、モンスター(日本なら「幽霊」だな)は、子どもたちを怖え上がらせなきゃ!だって、今の世の中、子どもをキチッと叱れない、ナサケない大人ばかりなんだから、せめて、モンスターたちがキッチリと「もののけ」の恐ろしさを教えてあげなきゃさあ、ダメだよ。世の中にはヤワな生き物ばかりじゃないんだ、畏れるべき、立ち入るべきでない、そっとしておいたほうがいい「世界」があるんだぞ、って教えてあげなきゃダメだよ〜。(*そういう意味で『千と千尋の神隠し』は、まさにそんな正統派モンスター的世界だよなあ。)

その気持ちは、これを観た映画館で、オイラから友達挟んで座ってた女の子二人の存在を見て、さらに強まった。オイラはラスト近くで気付いたんだけど、友人によると、彼女たちは、映画が始まってしばらくしてからずっと、電話やら、メールやら、お喋りやらしてたそうだ。しかも、彼女たちが去った後には、ガムの包み紙やら何やら散乱。

(*オイラが見たのは、ラスト10分前くらいに、携帯の液晶の光が視界にフト入って、それから「プタッ、プタッ、プタタタ・・・」とボタンを押す指の音がずっと気になりだした。しかも、ラストだぞ!おかげで映画に集中できなくなった。)

彼女たち、もしかしたら、ピエロと化したお笑い系モンスターにしか会わなかったんじゃないかな。誰からも本気で怒られたり、怖がらせられたり、「畏敬の念」というのを知らずに、そのままカラダだけオトナになったんじゃないかな。彼女たちこそ、モンスターの世界にぶち込むべきだな、ウンウン。

モンスターってのは、嫌われていいんだよ、きっと。いや、人間もそうだよ。みんな、オイラも含めて、愛サレタガリすぎだと思うな。

そういう意味で、あのラストは、ディズニー的ではあるけれど、モンスターとしてはNG。子どもたちが観る映画だからこそ、もう少し考えてほしかった。粉々になったドアを復活させちゃうなんて、もってのほか!もう、あのモンスターたちには会えないところに、今はもう記憶の奥深くに追いやられちゃったところに、モンスターたちへの畏敬の念と、愛が生まれるのだから。

〔★3.5〕

[with guko/ワーナー・マイカル・シネマズ茨木/3.05.02.]■[review:3.06.02up/3.08.02.newly update]

追記:

関東圏や全国区では知らないが、関西圏では、この映画の宣伝CMは、アノ井筒和幸(『のど自慢』他)が「オレも感動した!」なんて言ってて、観たいボルテージがどんどん下がっていた。アレはタブンマイナス効果だぞ!

(評価:★3)

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