[コメント] 突入せよ! 「あさま山荘」事件(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
最初に言わさせていただきますと、いくら自分の子供が愛おしいからって無意味に原田眞人監督YO、演技力が不足している息子遊人を使わない方がよかったですYO!それも一番目立つ役所広司の傍で白い服を着させて思わず「?」となる演技で不自然にスローで敵にライフルで狙わせ撃たれ、いきなり剣道道場で上司想いの青年を作り上げてetc.…フー、まるでカツノリを自分のチームに絶対帯同させていた「ドーベルマンの夫」こと今年大活躍な藪と今岡に裏切られたと思っている野村監督と同じだYO!
なんで高橋和也や武田真治、鈴木一真、松岡俊介etc.を演技力あるのに超脇役するんだよ!どう見たって後田巡査は遊人じゃなくて上に挙げている役者の方がいい気がするんですけど。これじゃあ、キャッチャー愛息子カツノリを使い続け山田らの上達意欲を削いだ野村監督だよアンタ!
ま、俳優遊人の激甘起用法はもう末期症状だからこれ以上言ったって仕方の無いので内容の事言うけど突入よ、突入シーンだよ!!ちょっと、一階からの突撃等を何で全く描かないのよ!2、3階からの突入以外に下からも行ってただろう?!終始臨場感を出そうと意識的にしているの分かるけど何かとセリフ聞き取りにくいんだよ!2〜3回見てもらったら分かりますな作りだと困るんだよ!それに迫力出そうという心意気はかってやるが剣道のシーンのカメラワークと編集はダメでしょ?それと警視庁と県警との内部でのゴタゴタを描くのもいいけど少々くどいし、あさま山荘まで赤軍メンバーが精神的肉体的に追いつめられていく描写が無いのは何故???佐々武勇伝映画が汚れるからか?連合赤軍=無差別殺人者とみなして事件の背景全く知らない戦争も闘争も知らない「踊る大捜査線」世代の若者を踊らせて楽しいのか?赤軍の心理面からのアプローチぐらい描くだろ普通さぁ。
連合赤軍の成り立ちを知れば描きたくなるはずなのに、描こうとしなかった「金融呪縛」から権力にベッタリでスムースに撮影する事をモットーな原田監督のセンスを疑わずにいられない。
疑ったのは、「時代考証の簡略化」、実は稚拙なアップ多様の「力業カメラワーク」、スクリーンを見る観客の想像を越えなかった「スローな鉄球壁に激突」、雑すぎるテンポ軽視な編集と本人はよしと思っていると思うが安易な場をわきまえない『笑い』の数々が引き起こす緊迫感の欠如には本当に残念だった…
具体的に言うと役所広司の何かの象徴を表しているのはわかるが階段下でのヤカン持って意味不明に踊るシーンは怒りが…(割愛)…そんな場面を入れる余裕があるなら、それと「明日は29日ですよ、4年に一度しか命日が来ないじゃないですか」と、そんなに笑いが欲しいのなら前半に赤軍メンバーの軽井沢に辿り着つくまでの話を入れて欲しかった。
→連合赤軍は合法的な宣伝活動をする「公然部隊」と言われる部隊と、非合法活動する「軍隊」と分かれて動いていた。そして「軍隊」は群馬県の山中で射撃訓練などをベースキャンプをはり銃で革命を成功させようと活動に励んでいた。
しかしベースキャンプを近隣の住人、警察に嗅ぎつけられて群馬県から長野軽井沢まで自衛隊も真っ青な真冬の山越えを決行するのであった。どうにか軽井沢に辿り着いた連合赤軍メンバー9人は食料がほとんどないので食料調達のために下山し街へ買い出しに行くことにした。
そして指名手配されていない&疲労度少ない人で男女2人ずつ4人を選び翌朝その中で男女ペア2組を作り買い出しに出発する事になり4名は買い出しに向かったのだ…が、本来の正常な人間の神経なら分かる事なんですが全く自分たちが1ヶ月も風呂に入らずにいた為に生成された猛毒悪臭ガスと髪の毛ボサボサ某宗教団体の「特技は空中浮遊」のドンみたいな怪しい身なりに頭の中は革命だけだったのか逃走してきた疲労のためなのか何故か気づかなかった。
そんな時代錯誤で不審な集団で軽井沢の別荘地にウロウロしていたので皆の目が自分たち4人に向けられている事が分かり4人は「連合赤軍だとバレてしまう!」と感じて、ここは自然に振る舞おうとなり4人のリーダー植垣が売店でタバコと新聞を買った。しかし売店のオバチャンは『ムムム!これはクサい!』と思い駅の助役室に駆け込み驚いた駅の助役が警察に通報し4人は駆けつけた警官10人にあっけなく逮捕されるのでした。
そして買い出しを待っていた残る悪臭放つ連合赤軍メンバー5人はラジオで4人の逮捕を知り身の危険を感じ、とある小屋に逃げ込み小屋の台所で食べ物を見つけ腹ごしらえした後、自分たちは4人が犯したマヌケな失態をさらしたくなかったのでお湯に浸したタオルで身体を拭いて頭を洗いヒゲを剃り一段落したところで機動隊が雪の上に残された足跡を辿って発見され本作の冒頭シーン「さつき山荘銃撃事件」が起き「あさま山荘事件」につながっていくのです。(実際は機動隊は追いかけてはいない。と言うよりアノ場面ウソ。本当は5名が発砲したため恐れをなして逃げて、映画内のように追いかけていないらしい。まぁ、いっぱい間違いあるから気にならないけど。)
でも実のところは「あさま山荘1972下」には無いが、5人は軽井沢の新興別荘地からバスに乗り込み同じように「臭い」を嗅ぎつけた運転手の証言で素性がわれて、別荘地に逃げ込んだことが分かり「さつき山荘銃撃事件」が起きたとされている。
結局は連合赤軍は、この精鋭9名は地理に疎く誰一人として車の運転免許さえ持っていなかった&車の運転も知らなくて出来なかった例えて言うならば通信教育で空手黒帯orテレビの通販で衝動買いしたアブトロニクスで痩せられなかった人々のような素人集団だったのだ。だから、そんな相手に勝負だから勝ち戦っていわれるのですよ。勝ち戦利用して89・7%の視聴率稼いで(CMカットだったから実際はあまりお金は稼いでないが)マスコミと感度良好となって危機煽るって今の時代のオバケ支持率と不審船、テポドンで危機煽る風景と同じなんですよね。悲しき日本の歴史輪廻転生原風景。
2002.5.19
《蛇足》「警察側は分かったから赤軍の心情はどうだったんだよ原田さんよぉ〜!」とエンドロールにガン飛ばしていた昇華不慮なそんな方には今回参考しまくった「あさま山荘1972」(上・下・続)坂口弘著:彩流社1900円はオススメ!当事者が語る文字に酔え!
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