[コメント] 猟奇的な彼女(2001/韓国)
映画を見終った人むけのレビューです。
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黙っていれば可愛いのに「ぶっ殺されたい?」が口癖で、生意気で、すぐ殴るし、妙に正義感が強くて勇気がある”猟奇的な”彼女。彼女があんなに凶暴であっても、観る側が拒否反応を起こさないのは、老人に席を譲らない若者を叱ったり、援助交際を咎めたりと、一見めちゃくちゃな事をしながらも彼女は自分の正義で行動しているからじゃないかなと思う。
そんな”強い”彼女が、実は強がっているだけで心に深い傷を負っているってことを、”頼りない”キョヌは気づいていく。「キョヌ、あそこの山に登って」と言いつけて、面と向かって言えない心の内を叫ぶ彼女の本当の姿を見たら(わたしは女だけど)彼女が愛しくて可愛くて切なくなってしまう。彼女は心の傷が癒えていない、普通の女の子なんだもん。恋人を亡くしてその悲しみから立ち直れないでいる、切ない女の子なんだもん・・。キョヌに惹かれながらも亡くした彼を忘れられないでいる彼女が、2年間離れようと言ったのも好感が持てた。
それにしてもキョヌの包容力と、彼女への理解の深さにはすっかり参ってしまう。「友達以上恋人未満」の微妙な関係でありながら彼女への大きな愛と寛大さと言ったら!キョヌは彼女のお見合い相手に「彼女と付き合うための心得」を教えて去ってしまう。このシーンも素敵。観ているわたし達も、彼女同様キョヌの優しさや愛に気付くシーンで、とっても切ない。
わたしは「運命」って言葉が好きではないけれど、この映画では運命的な出会い・恋愛を描いてる。叔母さんの紹介でいずれ出会う予定だった二人が、自分たちの力で出会い、別れ、そして最初の予定(運命)通りラストでは再び出会う。運命って言葉は苦手でも、劇中の「運命は、努力した者へ”偶然”という橋を掛けてくれる」という言葉と、キョヌの深い愛情と大きな包容力にすっかり降参してしまいました。
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