と、Mecanique様の『タイタニック』コメントを（勝手に）パクりつつ……

冒頭からこのババァ、ワガママ言い放題。人のことなど考えず、「絶対担いで運ぶんじゃ」などと抜かす。なんだこのワガママは…そう思って見はじめて、最後までそれが変わらなかった。このばぁさん、若い頃から自分のことしか考えちゃいない。何一つ成長してない。

回想シーンでのチャン・ツィィーの見た目の美しさに騙されてはいけない。若い頃からワガママ全開。自分だけが可愛いお人。お熱を上げるのは構わないが、無関係な人に対する態度の悪さはなんとかしろよ。性格悪すぎる。

先生のことを教えてくれた若者に対してのあの目。えらく人を迷惑そうに見やがる。しかも色々教えてもらっておきながら、あの愛想笑いでなんとかしてしまおうという態度。どうやら自分が可愛いということ（＝武器）を良く知っているらしい。まぁ赤い布を織るのは村一番の美人の役、それがあたしなのよってぐらいだ。

井戸に水を汲みながら、「あ先生が来そうだわ」と思うや否や、水を戻しやがる。おめぇ恋にお熱なら、そんな計算高いことせず、うっとり先生を見つめていろよ。おまけに親切な若者が先生と交代したらば、また来たあの性格悪そうな顔。「なぜこっちの井戸なのか」というよーなことを聞かれても無視だよ。おい。

先生も先生だな。可愛いきゃなんでも良いんだなコイツは。授業そっちのけで美少女に夢中。さぞ楽しい授業だったろうな。授業中にちょくちょく赤い布見て鼻の下伸ばしてたらしいし。自分の職業に対する情熱なんてあったもんじゃない。美少女の為ならもう、すぐ舞い戻ります。おかげで２年間も生徒犠牲にして。

こんなに熱上げちゃって、成就したら即冷めるのが普通かと思ったら、４０年も連れ添っちゃう。一体どーいうこと？

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

と、ここまで書いていて、自分で良くわかっている。 要は僻みである。私は僻んでいるにすぎない。こんな素敵な恋も無かったし、成就もしていない。初恋の甘酸っぱい思い出なんて小学校低学年あたりのことだし、お弁当なんてその年頃の子が作ってくれる訳も無い。ましてや餃子弁当ひっくり返し事件なんてある訳がない。

しかし、この二人がお互いどんな人間性に惹かれあったのか、どんな価値観の合致があったのか、謎で仕方ない。どう見ても、「なんだかまわりに居ない特別な人だわ、うふ。きゃっ声も素敵ッ」「可愛い子が来たよ、うひょ〜、ラッキィ」以外のモノは見えない。

美しい色使いと、自然、そして美しい人というオブラートに包んで、さも純愛のように作り上げているとしか捉えられなかった。心が貧しいのかもしれん。しかし、あんな人生は嫌だ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

以下、『タイタニック』のネタバレもあるかもしれない

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

沈没船の二人の方が私にはずっと許せるのだが。恋に夢中、まわりなんてどうでもいいの。まわりの人なんて、もう海に放り込んででも、あたしは生きるの！（まぁ放り込んではいないが・・） ある意味ここまで来ると爽快感がある。そして、恋の対象が見事に沈んでくれたおかげで、いつまでも記憶に残る「美しい恋」として凍結している。非常にわかりやすい。気持ち良い程だと思う。

この『初恋の来た道』での二人は、結ばれてそのままずっと、初恋のような心を持ちつづけたかのような演出。「毎日学校に声を聞きに行った」などといわれ、私はもうずーーっと遠くの方へ引いてしまった。