オレは一生、このド田舎で地味に暮らすんだろうか？

タトゥーインの地平に沈む二重太陽を見つめながら自分の将来を憂うルークの「オラこんな村ヤダ！　テレビもねえ！　ビデオもねえ！」という魂の叫びは、世界中の若者の共感を得たと思う。はじめてこの映画を劇場で観たとき、オレはあまりにもガキすぎてルークの気持ちはわからなかったけど、あんまりパッとしないにいちゃんがラストシーンでみんなに誉められているのはなんだか嬉しかった記憶がある。今思えば、あのラストシーンはルーカス自身の夢だったんだろうなあ。田舎出身でまったくモテないボンクラが、都会に出て行って頑張って、みんなから誉められる。子供っぽい望みだけど、いいじゃないですか無邪気で！　実は誰もがそう望んでたからこそ、この映画はこんなにも愛されたんだと思う。