★3 | システムとして供給された旅館を騒乱の渦に巻き込む中高生たちとは、まさに戦後の価値の破壊と生成を担った今で言う団塊の世代たちで、その喧騒に抗うでもなくまみれるでもない森繁ら番頭たちの存在と心情は、同時代性を持って当時の中高年の正鵠を射たのだろう。 (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★5 | 怒濤の大量の物量の量量量で修学旅行生から漲る若さに裏打ちされたはしゃぎっぷりにはしゃぐ旅館に巣くう効率主義の顧客無視化が顕在化され始める時代を森繁&堺+脇役陣の演技、豊田四郎の才能開眼で高尚な社会派コメディにきっちり昇華。非常に密度の高い納得の109分。 [review] (ジャイアント白田) | [投票(2)] |
★4 | 傍焼きをしても、嫉妬より落胆と好奇の複合物が顔に出てしま深度が淡島千景にはあって、人の良さを表しながら、愛の強度を欺瞞する体でもある。恋が間に合うかというスリラーが、女をどう語ればかけがえなくなるかという明確な問題意識に支えられている。 (disjunctive) | [投票] |
★4 | 森繁と淡島、フランキーの恋路はお馴染みの風景。そんな中、虚言症の男を演じる伴淳三郎の喜劇力が爆発。画もいいし豊田作品はいつも安心して楽しめる。数ある井伏映画化作品の中でも最高の一本。 (町田) | [投票(1)] |