★3 | カンヌ映画通り(1981/スイス) | 旅先のホテルの部屋って、救いでもあり、また、孤独が増幅される檻でもあって。それが、狭い部屋のベッドとテレビと小物で、すごくよく表していたと思います。ドキュメントとフィクションの差なんて、曖昧だよなあ、と感心しながら観ました。 | [投票] |
★4 | ヘカテ(1982/仏=スイス) | 遠い地で、何か大事なものを発見したつもりが、独りよがりだった、というような恋って、恐ろしい。その恐ろしさは、あのバルコニーの、ものすごく美しくてエロいキスシーンによって、すげー痛ましいものになっている気がする。冒頭の下船のシーンも大好き。 | [投票(3)] |
★3 | デ・ジャ・ヴュ(1987/スイス) | ケーブルカーに乗って通うあの家って、私にも、デジャ・ヴュなんだよなあ。ヨーロッパで迷子になったら、こんな現実と夢がないまぜになってしまいそう。 | [投票] |
★5 | ベレジーナ(1999/スイス=独=オーストリア) | 大人の童話、って言葉は、真の意味でこの映画のためにあったのね、って感じ。あまりに滑稽で残酷で美しい。個々の部屋の選び方が、なんていうか、まるで物語の一部であるかのよう。いや、個々の部屋は、人間と共演する一連の共演者たちに違いない、トンネルも含めてね。 | [投票(2)] |
★5 | キプールの記憶(2000/仏=伊=イスラエル) | 乾いて埃っぽい土、冷たく重い泥。鼻の穴の中が乾く感じ。ひりひりと乾燥した皮膚。それが破れて流れ出るベタ付く血液。痛みでしびれる背中。それらと対比される絵の具と性。まるで戦争は人間の本能のひとつであるというように常に「死」が臭っている。すごい映像だ、と思っていたらレナート・ベルタなのでした。 | [投票] |
★4 | ラ・パロマ(1974/スイス) | 愛の極限への、思考実験というか映像実験。ダニエル・シュミットは、腐りかけた文化、愛、肉体などなど、こういうものを味わえる舌の持ち主。レナード・ベルタのカメラも、そういう舌みたいだ。あー、私も味わいたい。 | [投票(1)] |
★4 | 書かれた顔(1995/日=スイス) | 腐りかけが、いちばん美味しい。と、またまたシュミットは舌なめずり。100才をこえた芸者。枯れ木のように孤高の杉村春子。『ツゴインネルワイゼン』の桃の皮舐めシーンを思い出す。でも、玉三郎をスイスの人にこんなふうに撮られちゃったのは、くやしいなあ。 | [投票(1)] |