★3 | あなたに言えなかったこと(1995/米=スペイン) | 恋人を追いかけてオレゴンの田舎町に引っ越してきたアン(リリ・テイラー)は、その恋人が東欧に転勤になり、もう自分を愛していないということを知った。絶望のあまり自殺を図ったが一命をとりとめた彼女は、救いを求めて電話相談の番号をダイヤルする。彼女の話相手になったのはボランティア相談員のドン(アンドリュー・マッカーシー)だった。毎日無感動な日々を送っていたドンだが、アンと何度か電話で話すうち、会ったことも見たこともない彼女に徐々に惹かれるようになっていく。しかし一方のアンは、まだ振られた恋人のことが諦められずに…。スペイン出身のイザベル・コヘット監督の第2作にしてアメリカ進出第1作。 | [投票] |
★3 | 夜行列車(1959/ポーランド) | ワルシャワ駅を出発しようとしている夜行列車。そこに一人の男──イエジー(レオン・ニエンチク)が急いで乗り込んできた。寝台車の個室に落ち着いた彼だが、手違いからこの個室を一人の女性とシェアする羽目になる。「この個室は男性専用のはずだ」「そうよ。男性から切符を買ったんですもの」「しかし君は女性だろ」「私なら構わないわ」…どことなく訳ありの様子の彼女──マルタ(ルチーナ・ウィンニッカ)とイエジーの奇妙な二人連れ、そして彼らに興味津々な他の乗客たちを乗せ、夜行列車は一路北へ向かう。[97分/モノクロ/スタンダード] [more] | [投票(1)] |
★3 | トンネル(2001/独) | 1961年から1989年まで、ベルリンの街を東西に分断していた壁。それに抗った人々がいた。水泳選手としてのキャリアを捨て西ベルリンに逃亡したハリー(ハイノ・フェルヒ)は、壁の向こう側に残してきた妹(アレクサンドラ・マリア・ラーラ)と再会したかった。彼の友人・マチス(ゼバスティアン・コッホ)は、逃亡の際に一人捕らえられた妻(クラウディア・ミチェルゼン)が気がかりだった。そして、フリッツィ(ニコレッテ・クレビッツ)は東側の青年団に所属する恋人を脱出させたかった。彼らが計画したのは、壁の真下に地下トンネルを通すこと。そして、愛する者たちを救うための闘いが始まった。[167分/カラー/シネマスコープ] [more] | [投票(1)] |
★3 | 林檎の木(1992/独) | レーナ(アンナ・サンダース)は東ベルリンからほど近いポツダムの町に生まれた。成長してリンゴ農園で働くようになったレーナ(ヨハンナ・シャル)は、配管工のハインツ(トーマス・ビュヒェル)と結婚する。共産党の役員であるジエンケ(ウド・クロシュヴァルト)の依頼で彼の病気の妻の世話をする彼女は、やがてジエンケに言い寄られるようになっていた。快く思わないハインツは公の席でジエンケや党への不満をぶちまけ、逮捕される。しかしハインツは警察から、ジエンケがレーナと共に西側へ亡命する計画だという情報を聞かされるのだった。そしてハインツは、釈放の代わりに二人の行動を逐一監視するようになる。 [more] | [投票] |
★3 | 古井戸(1987/中国) | 中国・山西省の山奥にある老井村は、地質のためか井戸を掘っても掘っても水が出ず、毎日10キロ離れた井戸まで水を汲みに行かなければならない場所だ。村の青年、ワンチュアン(旺泉、チャン・イーモウ)は決意する。「この村に水の出る井戸を掘る」。そんな彼にはチャオイン(巧英、リャン・ユイチン)という恋人がいた。しかし家が貧しいワンチュアンは彼女と引き離され、金と引き換えに後家の女性のもとへ婿入りすることになる。やがて、引退が近づいた村の共産党書記が、任期中に何としても村に水を出そうと、学歴のある若者たちで地質調査団を編成させる。その中にはワンチュアンだけでなく、チャオインも含まれていた…。 [more] | [投票] |
★5 | ミスター・ルーキー(2002/日) | 200X年のプロ野球シーズン、阪神タイガースは昨年までとは打って変わったような快進撃を続けていた。その立役者は、今年から甲子園のマウンドだけに登板するようになった、謎の覆面ストッパー「ミスター・ルーキー」である。マスコミはこの「ミスター・ルーキー」についての情報を探ろうとするが、タイガースの瀬川監督(橋爪功)は黙して語ろうとしない。そんなルーキーは、試合が終わるとマスクを外し、スーツに着替えて家路につく。彼の正体は、ビール会社に勤めるサラリーマン・大原幸嗣(長嶋一茂)だった。しかし彼の上司(竹中直人)も、もちろん妻(鶴田真由)や息子(米田良)も、まだその事実を知らない…。[118分/カラー/アメリカンヴィスタ] [more] | [投票(3)] |
★4 | 友へ チング(2001/韓国) | 1970年代のプサン。優等生のサンテク(ソ・テファ)、ヤクザの親分の息子ジュンソク(ユ・オソン)、葬儀屋の息子ドンス(チャン・ドンゴン)、お調子者のジュンホ(チョン・ウンテク)の4人組は、いつも一緒に遊ぶ仲間同士から、いつしかジュンソクが生徒中のナンバー1、ドンスが彼の右腕でナンバー2といった存在になっていた。しかし他校生徒との乱闘事件を引き起こした彼らは退学処分・転校などで散り散りになってしまう。そして歳月は流れ、街に戻ってきたサンテクが見たのは、ヤクザの2つの組織に分かれて対立するジュンソクとドンスの姿だった。[118分/カラー/ヴィスタ] [more] | [投票(5)] |
★4 | 白い犬とワルツを(2002/日) | 40年連れ添った妻(藤村志保)が亡くなった。一人残された夫(仲代達矢)を心配する娘たち(若村麻由美・南果歩)をよそに、その夫はある思いを胸に抱いていた。それは生前の妻と交わしていた約束だった。妻の葬儀の後から夫の前に現れるようになった白い犬に励まされるように、夫はその約束を実行しようとする。しかし娘たちにはその真意が分からず、白い犬も彼女たちの目にはとまらない。それでも、彼は娘たちの制止を振り切るように、白い犬と行動を共にする。それは妻だけでなく、昔に事故で亡くしていた彼の一人息子に対する約束でもあったのだ。 | [投票] |
★3 | 巴里祭(1933/仏) | 7月14日の革命記念日(日本では“パリ祭”として知られる日)を目の前にして浮かれるパリの街の片隅に、タクシー運転手のジャン(ジョルジュ・リゴワ)と花屋のアンナ(アナベラ)のカップルがいた。しかし二人は些細なことでケンカになってしまい、さらにジャンのところに昔の女・ポーラがひょっこり戻ってきたのをアンナが誤解して、二人の仲は疎遠になっていく。やがて母親が亡くなったアンナは店を畳み、ジャンは運転手を辞めてポーラと共に裏社会に足を踏み入れるようになり…。[97分/モノクロ/スタンダード] | [投票] |
★4 | チート(1915/米) | 慈善団体の会計を務めるエディス(ファニー・ウォード)は、夫(ジャック・ディーン)の投資事業のため贅沢ができないのが不満だった。株取引で儲けようという友人の甘言につられたエディスは、団体の金に手をつけたあげく、1万ドルを失ってしまう。青くなった彼女は、知人の日本人資産家・鳥居(早川雪洲)に助けを求めるのだった。やがて夫の事業が成功し、エディスは鳥居に穴埋めしてもらった1万ドルを返そうとするが、もともと彼女が目当てだった鳥居は金を受け取ろうとしない。「お前は俺のものだ!」と迫る鳥居、そして追い詰められたエディスは…。[59分/モノクロ/スタンダード] [more] | [投票(1)] |
★4 | ムッソリーニとお茶を(1999/伊) | 第二次大戦前夜のイタリア・フィレンツェ。少年ルカ(チャーリー・ルーカス)の教育係である英国人女性メアリ(ジョーン・プローライト)は、この街に暮らす英国人コミュニティの一員だ。しかしやがてドゥーチェ(指導者)・ムッソリーニの台頭によって、在留外国人が次第に迫害を受けるようになり、外交官未亡人でコミュニティのリーダー・ヘスター(マギー・スミス)は、その立場を生かし、安全の保証をドゥーチェ本人から取り付ける。しかし彼がその約束を守るはずはなく、オーストリアの寄宿学校に入っていたルカ(ベアード・ウォレス)がフィレンツェに戻ってきた時、事態はヘスターの嫌う米国人女性エルサ(シェール)をも巻き込んで、さらに深刻になっていた。 [more] | [投票] |
★4 | 戦艦ポチョムキン(1925/露) | 帝政ロシア末期、戦艦ポチョムキン号の船上では、乗組員たちが食事の悪さに不満を募らせていた。やがて食事を拒否した水兵を士官たちが処刑しようとするに及んで、ついに水兵たちは反乱を起こして戦艦を乗っ取る。この時犠牲になった水兵の遺体がオデッサの街に安置されたのをきっかけに、ロシアの圧政に対する革命の気運は街全体にも拡がってゆくが…。[74分/モノクロ/スタンダード] [more] | [投票(3)] |
★3 | グリード(1925/米) | サンフランシスコで歯科医を開業しているマクティーグ(ギブソン・ゴーランド)は、親友のマーカス(ジーン・ハーショルト)の紹介で、彼の恋人であるトリナ(ザス・ピッツ)という女性と出会った。次第にトリナに魅かれていくマクティーグに、マーカスは男気から彼女を譲ることにする。しかし、マクティーグとトリナが結婚してすぐ、彼女が以前に買っていた宝くじが5000ドルの当たりを引き当てたことが分かってから、トリナもマーカスも人が変わったように貪欲さ(グリード)をむき出しにするようになり、そしてそれは、マクティーグの運命をも大きく変えていくことになる。[140分/モノクロ/スタンダード/サイレント] [more] | [投票(4)] |
★3 | イントレランス(1916/米) | イントレランス(不寛容)の引き起こす悲劇は、古今東西を問わず人の世の常である。古代に繁栄を謳歌していた国・バビロニアが、司祭の裏切りによってペルシャに滅ぼされ、イエス・キリストがローマの手で最期を迎え、16世紀のフランスで新教徒虐殺事件(サン・バルテルミの虐殺)が起こったのも、全てが不寛容の成せるものだった。そして、現代のアメリカでもまた、幸せに暮らしていた女性(メイ・マーシュ)とその夫になる青年(ロバート・ハロン)が、現代のイントレランスによって悲劇に陥っていく…。これら同時に進行する4つのストーリーが、揺りかごを揺らす女性(リリアン・ギッシュ)のショットでつながれている。 [more] | [投票(2)] |
★3 | UFO少年アブドラジャン(1991/ウズベキスタン) | 中央アジアの国・ウズベキスタン。映画『E.T.』を観たある男がスティーブン・スピルバーグ監督に手紙を書いた。「拝啓スピルバーグ様、素晴らしい映画でした。実は私の村にも似たような話があるのです。“宇宙から正体不明の飛行物体が接近中”という知らせがモスクワからあった次の日、バザルバイという男が野原に少年が裸で倒れているのを発見しました。バザルバイはこの子をアブドラジャンと名づけて家に住まわせることにしたのですが、それ以来アブドラジャンの周りで不思議なことが起こるようになって…」。
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★3 | シャルロット・フォー・エバー(1987/仏) | かつて売れっ子の脚本家だったスタン(セルジュ・ゲンズブール)は、妻を事故で亡くして以来酒浸りになり、スランプにあえいでいた。ふさぎ込むようになった一人娘のシャルロット(シャルロット・ゲンズブール)は、母の死はスタンに責任があると非難する。思い悩むスタンは友人のレオン(ロラン・ベルタン)に相談したり、シャルロットの遊び友だちに手を出したりしたあげく、シャルロットにも近親相姦的な愛をほのめかす…。 | [投票] |
★3 | 愛のめぐりあい(1995/独=仏=伊) | 映画監督(ジョン・マルコビッチ)は次作の構想を練るため旅に出る。彼が旅の間思い返していたのは、男と女の物語だった。旅先で知り合ったシルヴァーノ(キム・ロッシ・スチュアート)とカルメン(イネス・サストル)…監督自身が出会った女(ソフィー・マルソー)…夫ロベルト(ピーター・ウェラー)と妻パトリシア(ファニー・アルダン)、それぞれの愛人であるオルガ(キアラ・カゼッリ)・カルロ(ジャン・レノ)…そしてニッコロ(バンサン・ペレーズ)と尼僧志望の若い女(イレーヌ・ジャコブ)。これら4つのストーリーを、アントニオーニが紡ぎ、ヴェンダースが繋ぐ。 [more] | [投票] |
★4 | 飢餓海峡(1965/日) | 終戦直後の混乱期、折から近づいていた台風によって青函連絡船・洞爺丸が沈没する事故があった。しかし犠牲者の遺体を数えてみると、乗船者名簿の数よりも2体多い。函館署の刑事・弓坂(伴淳三郎)は、同時期に起きた北海道岩内町の強盗放火事件との関連を疑う。その頃、対岸の津軽半島では、連れ込み宿に泊まった犬飼と名乗る男(三国連太郎)が、身の上話をするこの宿の女・八重(左幸子)に大金を渡していた。結局事件は未解決のままやがて年月が流れ、八重は事業に成功した犬飼が名前を変えて京都に住んでいることを新聞で知る。[183分/モノクロ/シネマスコープ] [more] | [投票(3)] |
★3 | 田舎司祭の日記(1951/仏) | 北フランスの寒村、アンブリクールに新しい司祭が着任した。しかし村人たちは彼に心を開こうとせず、淡々と務めを果たすだけの彼は村の中で孤立していく。村にやってきた時すでに病を得ていた彼は、さらに病状が悪化するのと村人たちに受け入れてもらえない苦しみとで、自分自身の存在や信仰の意味に疑問を抱くようになっていくのだった。そんな彼の日々の苦悩が、日記形式のモノローグで綴られる。ヴェネチア国際映画祭で撮影賞・国際賞など4部門を獲得。[110分/モノクロ/スタンダード] | [投票(1)] |
★3 | キートンのカメラマン(1928/米) | ルーク(バスター・キートン)は街頭ポートレート専門のカメラマン。そんな彼、サリー(マーセリン・デイ)という女性に一目惚れ。彼女はMGMのニュース映画部門で働く秘書だった。彼女の勧めでニュース映画のカメラマンにくら替えしたルークだが、スチル写真と違って映画にはまるで素人の彼、せっかく撮っても失敗ばかり。会社だって使ってくれるはずはない。それでもサリーのために今日も頑張るルーク。諦めないでいれば、きっとチャンスがやって来るさ。[67分/モノクロ/スタンダード/サイレント] [more] | [投票(2)] |