★3 | 情熱の生涯ゴヤ(1971/独=露=ブルガリア=ユーゴスラビア=ポーランド) | 18世紀末のスペイン。宮廷画家として不動の地位を築いたフランシスコ・デ・ゴヤ(ドナータス・バニオニス)は、貴族アルバ公夫人(オリヴェラ・カタリナ)の華麗な肖像画を描き上げ、その筆致に感嘆されるのみならず、一人の男としても寵愛を受けていた。そんな彼が、時を同じくしてスペイン全土を震撼させていた宗教裁判の傍聴席につく機会を得る。磔刑にされた無辜の人民が、炎に焼かれる地獄の如き惨劇にゴヤの魂は激しく揺さぶられた。そして彼は、悪魔的なモチーフをキャンヴァスの上に描き殴るようになってゆく。いまだ宮廷画家だったゴヤは異端的な画業を糾弾されることも無かったが、その心中は体制への憎悪に染められていった。〔136分/カラー/スコープ・サイズ〕 | [投票] |
★4 | ウィニング・パス(2003/日) | 健太(松山ケンイチ)は高校三年生。バスケに燃え、恋人の香織(佐藤めぐみ)と交際するちょっと自己顕示欲の強い少年だ。その彼が、雨の夜走らせていたバイクで転倒し、下半身不随となってしまった。排尿すら思うままにならないおのれに自暴自棄になる健太は、香織や悪友たち、そして両親や妹の舞(堀北真希)らの応援にも背を向け、遠ざける。そんなある日、彼は車椅子バスケの練習風景を目撃する。思いのほかハードでやり甲斐のあるそのスポーツの虜となる健太は、リハビリを終え学校に戻る。そして、先輩の佐藤(三浦誠己)に薦められるままに、北九州イーグルスへの入団を決意するのだった。〔108分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★4 | さくらん(2007/日) | ぎやまんの、金魚舞い飛ぶ紅の門、これぞ吉原、花町に、その名も高き玉菊屋。売られて来たる幼子の、汚れぬ姿いと哀し。二度と戻れぬ娑婆を思うて、桜咲く頃ここを出る、望みを胸に持つ女、呼び名をきよ葉(土屋アンナ)と申します。男好みは激しくて、嫌った男は触れもせず、思う男は惣次郎(成宮寛貴)、契り交わすがこの恋は、悲恋と散ってカケラ無し。しかし尚増すその美貌、きよ葉の評判いや高く、ついに成りたる花魁の、「日暮」の名を頂戴す。そんな女に惚れし殿(椎名桔平)、日暮に誓うその台詞、「桜が咲かば身請けせん」。…果たしてそれは叶うやら。豪華絢爛遊女絵巻、ここに開帳にございます。〔111分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票(4)] |
★4 | ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッド(2007/日) | 19世紀末のイギリス。貴族ジョージ・ジョースター卿(磯部勉)は、命の恩人の息子ディオ・ブランドー(緑川光)を邸宅に招き、実の息子であるジョナサン(小西克幸)と同じ生活・教育の援助を与えた。しかしドス黒い精神を内に秘めたディオは、ジョージの暗殺とジョースター家の財産乗っ取りを画策する。これに対し、正義の心を育まれたジョナサンはディオの姦計を見抜き自首を求めるが、追い詰められたディオは古代アステカ文明の遺物・「石仮面」を被る。仮面は人間の能力を何十、何百倍にも増幅する謎の力を持っていたのだ!二十余年に渡り執筆され続ける荒木飛呂彦の代表作コミック第一部のアニメ化。〔90分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★4 | 恋する日曜日(2006/日) | この学校には伝説がある。好き合ったふたりが入り口から手をつないで屋上まで2分で駆け上れれば10年、1分なら一生一緒でいられるという…。夏休みを翌日にひかえ、長野から東京の高校に転校する晶(水橋貴己)は幼なじみの直(若葉竜也)とささやかな送別会を開く。しかし、直は最近夢中になっている相手の環(芳賀優里亜)を無理矢理呼びつけ、それに腹を立てた晶も弓道部の楽先輩(佐々木和徳)に告白され戸惑うのだった。だが、別れる段になってやっとお互いの気持ちに気づいた晶と直は、環や楽とともに忍び込んだ夜の学校である「賭け」をする。その結末には四人の「こころ」がかかっていた。〔89分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★3 | コント55号 世紀の大弱点(1968/日) | 矢島(萩本欽一)は新米記者。北川(坂上二郎)はカメラマン。ふたりは同じ雑誌社に属し、遅刻で編集長(天本英世)にいつもどやされる身の上である。スランプの作家を今日もバーで接待する矢島は、ライバル誌の敏腕記者・麻子(真理アンヌ)に冷やかされ、相棒の北川はと言えば片思いのホステス・糸美(水垣洋子)が他の男にしなだれかかるのを隔靴掻痒の気持ちで見つめていた。そんな折、門前払いを喰わされた作家のボツ原稿に勝手に女性名義で署名し、点数稼ぎに編集長に差し出したふたりは、思いがけぬ好評に作家の顔写真を撮ってこいと言われ、糸美にその仮面をかぶせる。大弱点シリーズ第一作。〔87分/カラー/スコープサイズ〕 | [投票] |
★4 | ウォーターズ(2005/日) | 「いらっしゃいませ、白雪姫!」…路上パフォーマーを目指すリョウヘイ(小栗旬)、元青年実業家のユウキ(須賀貴匡)ほか、一癖もふた癖もあるホスト志願者たちがある店の募集広告につられて集まった。だが補償金まで払わされて入った店はもぬけの殻。オーナー(原田芳雄)とその娘チカ(成海璃子)をおいてマスターが逃げたのだ。「白雪姫」の涙は見たくないが、報われたい「七人の小人」たちは、自分たちのホストクラブを立ち上げることにした。店の名は「DOG DAYS」。リョウヘイはこの店に賭けていた。ピエロのパフォーマンスにダイヤの耳飾りを対価に投げてくれた、女実業家・美奈子(真中瞳)を満足させられるかを…。〔107分/カラー/ワイド〕 | [投票] |
★3 | 頑張れ!グムスン(2005/韓国) | 韓国バレーボール界の星と言われたグムスン(ペ・ドゥナ)も、今では乳飲み子のソンイを抱えた母親一年生。夫のジュンテ(キム・テウ)とはまだまだお熱い新婚さんだ。とは言え、バレー一本槍だった彼女は家事が大の苦手なのである。そんなある日のこと、ジュンテは上司にしこたま飲まされたあげく泥酔し、暴力バーに捕まってしまった。彼を連れ帰るべく、ソンイを背負って夜の街に出たグムスンは、ひょんなことからヤクザの大親分の恨みを買い、子分どもに命を狙われてしまう。夜の裏通りを疾走する彼女は、翌朝にはジュンテの両親を迎えねばならないのだ。絶体絶命の家族を包み、夜は無情に更けてゆくのだった。〔91分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★2 | コント55号 人類の大弱点(1969/日) | 大垂欽一(萩本欽一)が競輪でなけなしの金を使い果たしている頃、駒形二郎(坂上二郎)は刑事の任務を拝領していた。自分の口車の才能に気づき、詐欺師を志した欽一の最初のカモは二郎であった。この日より二郎の追跡の日々は始まる。幼なじみの幸子(岡田可愛)は欽一に騙されても同情的だったが、父・大門(桑山正一)はそんな彼女を諭す。しかし、その父も勤務する会社の社長・黒田(大辻伺郎)の汚職の片棒を担がされていたのだった。得意の口車で早々と保釈された欽一は、幸子たちの清く貧しい生活を見、何とかしてやろうと考えるのだったが…。大弱点シリーズ第2作。〔77分/カラー/スコープサイズ〕 | [投票] |
★2 | となり町戦争(2006/日) | なんの変わり映えもしない一地方都市…舞坂町で、僕(江口洋介)は旅行会社の社員として当たり前の日々を送っていた。町役場に務める香西さん(原田知世)から、自分が森見町の軍事偵察員に選ばれたと告げる電話がかかってくるまでは…。舞坂町と森見町は、完全な戦争状態に陥ってしまったのだ。そういう香西さんは僕の好みのタイプであったのだが、何事につけタテマエのお役所言葉を繰り返し、僕を苛立たせた。しかし驚いたことには、香西さんはとなり町を監視するために僕と仕事の上での偽装結婚を申し出たのだった。ふたつの町は細かな点を除けば、「平和」だった頃と変わらない佇まいを保っていたのだが…。〔114分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★4 | ユビサキから世界を(2006/日) | 高校生・リンネ(谷村美月)をめぐる仲間たちは、授業中「マジ死にたい」「今夜死のう」と携帯で語り合う。まるで「乳牛」(上原香代子)という同級生をイジメる時のように、自然に…。水商売の母に甘えるラン(麻里也)、浮気者の恋人と睦み合うが、おのれの妊娠をカムアウトできないタマ(水岡真実)、神風特攻隊員の祖父に「指先から世界を変えろ」という先輩の言葉を聞かされるウタ(北乃きい)…そして両親たちの浮気合戦に絶望し、家を飛び出すリンネ。今夜が明けるとき、彼女らは学校の屋上から飛び降りる予定だった。お互いに手をつなぎ、指先の熱さを実感しながら…。〔63分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★2 | シルバー假面(2006/日) | 大正時代。森鴎外(伊藤昌一)と舞姫エリス(アデイト)のあいだに生まれ出でた娘・ザビーネ(ニーナ)は、身につけていた銀の指輪でたぐい稀な超常現象を起こし、魔女として故郷を追われ、日本に辿り着いた。おりしも見世物小屋で面白おかしく実験を行なっていた怪人・カリガリ博士(石橋蓮司)の裏の悪事を知ったザビーネは、日本軍の諜報部員・本郷(渡辺大)に先駆けて博士に挑み、指輪の力で「シルバー假面」の姿となって博士の手下たる怪人を粉砕した。それ以来本郷は彼女を頼もしい味方として信頼するのだったが、カリガリ博士の魔手は絶えることなく東京を危機に陥れ、ザビーネたちに休息のときを与えないのであった。〔130分/カラー/ヴィスタサイズ〕 [more] | [投票] |
★2 | 幸福な食卓(2006/日) | 中学生生活最後の年を迎えようとする朝、佐和子(北乃きい)は、父親(羽場裕一)から「父さんは、今日から父さんをやめようと思う」とのセリフを聞く。すでに別居してしまった母親(石田ゆり子)が、朝から家族全員が一つテーブルに集い、全ての疑問や不満をぶつけ合う時間として設定した朝食時に、である。納得できない気持ちを抱えたまま登校した佐和子は、その日から転入してきた男子生徒、自分のファーストネームにコンプレックスを抱いている大浦(勝地涼)をとなりの席に迎える。打算がなくさっぱりした彼と佐和子はすぐに仲良くなるが、彼女の前にはもっと大きい「家族崩壊」の危機が立ちはだかっていた。〔108分/カラー〕 | [投票] |
★3 | 幸せのちから(2006/米) | クリス(ウィル・スミス)はレントゲンを超える精密さの医療機械のセールスマン。妻リンダ(サンディ・ニュートン)も家計を陰から支え、息子クリストファー(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)は保育園通いながら両親を信頼していた。しかし医療機械はなかなか買い手がなく、クルマは駐車違反で警察に没収され、アパートの家賃すらも全く払えない状況にまで家族は追い込まれていた。このままでは家族の明日はないと悟らされたクリスは、まともな職探しに飛び回ることとなる。買い上げた医療機械を地道に売りつつ、やっとある会社で才能を認められ、研修員となったクリスに、リンダは正直な自分の考えをぶつけるのだった。〔117分/カラー〕 | [投票] |
★2 | 超劇場版 ケロロ軍曹(2006/日) | ケロン星のペコポン(地球)侵略小隊を率いるケロロ軍曹(渡辺久美子)は、今日も陰謀を巡らしつつも、ガンプラを作るべく模型店の行列に加わっていた。軍曹を養っている冬樹少年(川上とも子)とともに帰路についていた彼は、おかしな祠から異次元の歪みに迷い込む。だが祭られている壷に触れたのち、彼らの顔には赤いX点が現われ、超能力が使えるようになってしまう。翌日には早速その話は大規模に広まり、瞬く間に超能力者は巷に溢れた。しかし、それは恐ろしい副作用を持っていた。X点を広めたキルル(おぎやはぎ)は封印されたケロン古代文明の究極の最終兵器であったのだ!〔60分/カラー/ヴィスタサイズ〕 [more] | [投票] |
★3 | 2番目のキス(2005/米) | ベン(ジミー・ファロン)は子供の頃から、野球チーム・レッドソックスの熱狂的なファンだった。いや、生き甲斐であるといっても良かったくらいだ。さて、数学教師を普段は勤める彼は、優秀な生徒を卒業生のオフィスに見学につれて行くのが常だったが、そこで理想にぴったりなリンジー(ドリュー・バリモア)と出会う。とまどうリンジーにベンは強引にアタックし、その優しさに惹かれた彼女もいつしかベンを愛するようになっていった。だが、次第に深い仲になってゆくとともに、仕事人間のリンジーには信じられない彼の本性が露わになってゆくのだった…お馴染みファレリー兄弟のちょっとおかしな熱愛ストーリー。〔104分/カラー/スコープ・サイズ〕 | [投票] |
★4 | どろろ(2007/日) | 乱世。武将醍醐景光(中井貴一)は、天下平定の野望のためにおのれの第一子を四十八体の魔物への捧げ物とした。それから二十年の歳月が流れる。言葉もなりも汚いが明らかに少女であることを隠している盗人の小童(柴咲コウ)は、ある市場の酒場で踊り子に化けていた妖怪を、目元涼しい青年剣士(妻夫木聡)が一刀両断にするのを見る。そして妖怪の死とともに、青年の身体に驚異的な異変が起こった。ただ事ではないと睨んだ小童は、青年の持つ魔物をも断ち切る剣を狙って彼の旅に同行することを決めた。そして、この時より青年は「百鬼丸」、小童は「どろろ」と名乗ることになった…手塚治虫のコミックを大胆に脚色した妖怪絵巻。〔138分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★2 | マルチュク青春通り(2004/韓国) | 1978年、カンナムに転居した高校2年生のヒョンス(クォン・サンウ)は、ガラが悪いともっぱらの噂であるマルチュク通りの高校に転入した。体罰の横行するそこでの生活は、それも肯ける腐敗と、惰性と、刹那的な享楽の温床であった。そんな環境の中でのある日、ヒョンスはバスで不良上級生に絡まれている美少女ウンジュ(ハン・ガイン)を助け、袋叩きになりそうなところを留年生で番長のウシク(イ・ジョンジン)に助けられる。ウンジュを愛したことを告白すべきか煩悶するヒョンスだったが、ある雨の日に傘を忘れた彼女と相合傘をするチャンスを得るのだった。〔116分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★4 | うつせみ(2004/韓国=日) | 青年チソク(ジェヒ)はバイクで留守宅を探してはその家に上がり込み、食事をとったり服を洗濯してベッドを拝借する暮らしを続けていた。ある日、いつものように忍び込んだ豪邸で、チソクは誰もいないと信じて羽根を伸ばし、くつろいでいたのだが、その一部始終は美しいが気弱な主婦・ソナ(イ・スンヨン)に見つめられていた。やがてふたりは目を合わせてしまうが、彼女を縛り付ける夫(クォン・ヒョゴ)からの電話があったにもかかわらずチソクの存在を知らせなかったソナに、彼は惹かれるものを感じ、暴君のような夫から救ってやろうとする…キム・ギドクの物語る現代の優しいおとぎ話。〔89分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |
★3 | ハイジ(2005/英) | 若い頃放蕩の限りを尽くし、今はアルプスの山中に隠棲しているアルムおんじ(マックス・フォン・シドー)のもとに、彼の孫であるハイジ(エマ・ボルジャー)が叔母によって連れてこられた。それからの毎日は、ハイジにとっては楽しい経験の連続だった。牧童ペーター(サミュエル・フレンド)との山羊追い、彼の祖母との出会い、そして夕焼けに燃える山々の頂上…。しかし叔母は、金目当てでハイジを街の金持ちの娘、車椅子の少女クララ(ジェシカ・クラリッジ)の遊び相手として売ってしまう。厳しい家政婦長ロッテンマイヤー(ジェラルディン・チャップリン)の仕打ちにもまして、ハイジは暮らしの変化を悲しむのだった。〔104分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票] |