★5 | この世界の片隅に(2016/日) | 広島に育った、絵を描くことが大好きで夢見がちな娘、すず(のん)。彼女にあるとき、幼い頃に見初めたという呉の水兵、周作(細谷佳正)との縁談が持ち上がる。否も応もなく周作の家に嫁いだすずを迎えたのは、優しい義父母(牛山茂/新谷真弓)や辛辣な口調の義姉・径子(尾身美詞)、その娘である利発な晴美(稲葉菜月)だった。すずは彼らのなかで日々を重ね、太平洋戦争勃発後の物資の減少のなか、暮らしに喜びや楽しみを見つけてゆく。だが、すずから青春を奪ったことに負い目を感じる周作は、すずの幼馴染みである哲(小野大輔)と彼女の親密さに複雑な思いを抱くのだった。〔126分〕 | [投票] |
★5 | 彼は秘密の女ともだち(2014/仏) | 主婦クレール(アナイス・ドゥムースティエ)の青春は、まさに親友ローラ(イジルド・ル・ベスコ)とともにあった。幼時より笑うも泣くも一緒だった親友との日々は、他ならぬローラの急死とともに幕を引かれ、クレールは激しく落ち込む。そんな彼女に、夫のジル(ラファエル・ペルソナ)はローラを失った家を訪ねることを勧める。もとよりローラの遺児リュシー、そしてローラのかけがえのない伴侶だったダヴィッド(ロマン・デュリス)のサポーターとなることを決意していたクレールは、疑うことなく足を運ぶ。だが、ローラの家で彼女が見たものは、女装してわが子に授乳するダヴィッドの姿だった。衝撃を受けるクレールに、ダヴィッドはその理由を語る。〔102分〕 | [投票] |
★5 | オーバー・フェンス(2016/日) | 自分は平凡な人生を送るのだろう、と漠然と考えていた白岩(オダギリジョー)は、妻(優香)との離婚を経てその思いをかき消され、今は函館の職業訓練校に通っている。大工仕事の真似事の日々に、白岩は少しずつ自分が壊れてゆくことを自覚していった。そんなある日、彼は路上でダチョウの求愛行動を真似する聡(蒼井優)という女に興味を抱く。キャバクラで同級の代島(松田翔太)に改めてホステスとして紹介された彼女と、白岩はそのままベッドを共にする。しかし、聡は小さな不満から部屋より彼を叩き出した。白岩は来るべきソフトボール大会に向けての練習に没入しつつ、抑えきれぬ焦燥を噛み殺していた。佐藤泰志の「函館三部作」最終章。〔112分〕 | [投票] |
★5 | 悪童日記(2013/独=ハンガリー) | 第2次大戦下、ナチスドイツの侵攻に晒されるハンガリー。ある双生児(アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント)は兵士である父親(ウルリッヒ・マッテス)に疎開を命じられ、母方の祖母(ピロシュカ・モルナール)の住む田舎へと赴く。しかし魔女と噂される祖母は、母(ギョングヴェール・ボグナル)に激しい憎悪をむけ、その息子たちにも冷淡かつ苛烈に接するのだった。父より毎日の出来事を日記帳に記せ、と教えられた双生児は、決して逆境に屈することのないようにお互いを鍛え、その強さを磨いた結果をノートに記してゆく。そんな毎日のなか、ナチス将校(ウルリク・トムセン)が祖母の家を訪れる。〔111分/スコープ〕 | [投票] |
★5 | トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015/米) | ソ連との冷戦時代の合衆国。売れっ子脚本家ダルトン・トランボ(ブライアン・クランストン)は妻のクレオ(ダイアン・レイン)と子供たちを抱え、多忙ながらも幸福な人生を歩んでいた。しかし、彼ら共産主義を標榜する映画人の前に立ちふさがる障害が出現する。俳優ジョン・ウェイン(デヴィッド・ジェームズ・エリオット)やコラムニストのホッパー(ヘレン・ミレン)らの反共同盟だ。彼らは勢いを増し、その発言に従って「国家破壊分子」と見なされたトランボへの脚本依頼は激減し、ついに収監される。僚友エドワード・G・ロビンソン(マイケル・スタールバーグ)による密告が行なわれたのだ。だが、トランボは絶望しはしなかった。〔124分〕 | [投票] |
★5 | ライク・サムワン・イン・ラブ(2012/日=仏) | デイトクラブでバイトを重ねる大学生・明子(高梨臨)は、ケイタイから洩れる恋人の怒声に反発しながら、ある男の家にタクシーで向かっていた。駅で逢う予定だった祖母(窪田かね子)を置き去りにすることを心で詫びつつ、彼女は元大学教授のタカシ(奥野匡)に迎えられる。臆病さを隠せないタカシは、明子の機嫌をとろうとサービスを重ねるも、疲れきった彼女はベッドに入り込み、早々に眠ってしまうのだった。翌日、タカシは明子を車の助手席に乗せ、彼女の通う大学へと送り届ける。だが、大学の門で待ち受けていた恋人の青年・ノリアキ(加瀬亮)が彼女にくってかかった。『トスカーナの贋作』に続くアッバス・キアロスタミ監督の外国発・野心作。〔109分〕 | [投票] |
★5 | メランコリア(2011/デンマーク=スウェーデン=仏=独) | エキセントリックな母親・ギャビー(シャーロット・ランプリング)の血を受け継ぐ姉妹の末娘、コピーライターのジャスティン(キルスティン・ダンスト)は精神に深い痛手を負っていた。彼女は他ならぬ「運命の相手」マイケル(アレクサンダー・スカルスゴール)との披露宴の当日に鬱状態に陥り、結婚式を滅茶苦茶にした挙句、上司と夫とを失う羽目に陥ったのだった。姉であるクレア(シャルロット・ゲンズブール)はそんな妹に悪態をつきながらも、夫のジョン(キーファー・サザーランド )とともに同居を認める。そうした日々の内、地球に謎の惑星「メランコリア」が接近しつつあったが、それを引き寄せる者の正体に誰も気づきはしなかった。〔135分/スコープ〕 | [投票] |
★5 | サラの鍵(2010/仏) | ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、夫(フレデリック・ピエロ)や娘とともにパリで譲り受けたアパートの下見に行ったとき、ふとしたことからアパートにまつわる悲劇を聞く。1942年、同じ部屋のユダヤ人家族を、突然の親ナチ政権による逮捕命令が襲ったのだ。それが実質上の「ユダヤ人狩り」であることを知らない娘・サラ(メリュジーヌ・マヤンス)にも危機意識は伝わり、咄嗟に弟・ミシェルを部屋の納戸へと隠すと両親とともに連行されるに至った。だが、もはや許されることなき己の運命を悟り、サラはミシェルの身を案じて幼い同志とともに逃亡を企てた。その行動は実を結んだのか?ジュリアの追跡が始まる。〔111分/スコープ〕 | [投票] |
★5 | 機動戦士ガンダムUC episode4 重力の井戸の底で(2011/日) | 偽装軍艦ガランシェールは、バナージ(内山昂輝)の乗ったユニコーンともども地球に降下。それを出迎えるかのように、戦没要人を父にもつ少女ロニ(伊瀬茉莉也)らジオン残党軍は蜂起、連邦首都ダカールで陽動作戦を開始した。一方ミネバ(藤村歩)の意を汲んで「ラプラスの箱」を共に追うリディ(浪川大輔)であったが、ビスト財団を牛耳る烈女マーサ(塩田朋子)の暗躍によりミネバは篭絡される。リディは、自らの撒いた種を刈り取るべく原隊司令ブライト(成田剣)のもとへ向かうのだった。そしてネオジオン首魁フロンタル(池田秀一)の許可を得たジオン残党軍は、連邦軍トリントン基地を奪回すべく合流、進撃する。〔59分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★5 | ミラル(2010/仏=イスラエル=伊=インド) | パレスチナの名家の娘ヒンドゥ(ヒアム・アッバス)は、イスラエル建国戦争によって産み出された夥しい戦災孤児たちの窮状に心を痛め、私財を投じて大孤児院を建設させる。彼女の意志に賛同する米軍大佐エディ(ウィレム・デフォー)らの助力もあり、ヒンドゥの孤児院は二千人の少女たちを擁するに至った。そのひとりであるミラルは、義父から陵辱される毎日から逃れるもユダヤ女を殴っただけで投獄された女ナディア(ヤスミン・アル・マスリー)と、彼女を見初めた導師ジャマール(アレクサンダー・シディッグ)の娘であった。成長したミラル(フリーダ・ピント)は、閉鎖された学校からヒンドゥの意志を汲んだ教師として派遣される。〔112分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★5 | デンデラ(2011/日) | ある寒村。70歳を迎えた老婆カユ(浅丘ルリ子)は、村の掟に従って姥捨山のお参り場に運ばれ、極楽浄土に導かれる時を待って眠りについた。だが彼女が再び目を覚ました時、そこには老婆たちに満ち溢れた集落、「デンデラ」が広がっていた。集落を築いた最長老メイ(草笛光子)はカユを迎え入れ、老婆50人が集合した今こそ彼女らを追放した村への復讐を為そうと説く。一方、彼女に反駁する老婆マサリ(倍賞美津子)は、それよりもここに集まった女たちが無事冬越えができるよう、方法を練ることこそ肝要と訴えるのだった。極楽行きを夢見るカユは、彼女たちの行動に与することができなかったが、ある時その意識を変えさせる事件が起こる。〔118分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★5 | アレクサンドリア(2009/スペイン) | 4世紀末。ローマ帝国の叡智を結集した大図書館を擁するアレクサンドリアの都に、才媛にして美貌に恵まれた天文学者ヒュパティア(レイチェル・ワイズ)は居を構え、弟子を志す若者たちに分け隔てなく教育を施していた。その魅力に、弟子であるオレステス(オスカー・アイザック)や奴隷のダオス(マックス・ミンゲラ)らは男として好意を寄せるが、あくまでヒュパティアは求愛を拒み、己の使命に没頭してゆくのだった。その頃、守旧派の図書館側に対し、台頭してきたキリスト教徒は明らかな悪意を見せ、対立を深めてゆく。そして古代の神々を愚弄され、怒った図書館長テオン(マイケル・ロンズデール)ら守旧派は剣を抜くに至った。〔127分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★5 | 必死剣 鳥刺し(2010/日) | 海坂藩の武士・兼見三左ェ門(豊川悦司)は、一同の衆目の中で藩主・右京太夫(村上淳)の側室である、藩を蝕む毒婦・連子(関めぐみ)を刺殺した。
兼見は打ち首覚悟で事に及び、ただ裁断を待つ身であったが、中老・津田(岸部一徳)は彼に一年の禁足と降格のみを伝える。その理由は津田の取り成しゆえと聞いた兼見は、ただひとりの姪である里尾(池脇千鶴)に身の回りの世話を頼み、刑期を全うして城に戻るのであった。その頃、なおも藩主の横暴は続き、民百姓たちは塗炭の苦しみに喘いでいた。それを見過ごせぬ別家・隼人正(吉川晃司)が謀反に動くかとの噂が立ち、秘剣を会得する兼見にある密命が下る。〔114分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★5 | 息もできない(2008/韓国) | キム・サンフン(ヤン・イクチュン)は誰をも「糞野郎」と見下し暴力を揮いつつ、上司マンシク(チョン・マンシク)の指示でチンピラたちを連れて借金の取立てに廻る毎日を送っていた。彼が優しい顔を見せるのは甥のヒョンイン(キム・ヒス)を迎えて遊んでやるときだけだ。そんなサンフンが、ある日些細なことから少女ヨニ(キム・コッピ)との口論のあげく奇妙な恋情を抱く。サンフンはヨニに酒を奢り、彼女もサンフンの姉やヒョンインと友情を結ぶのだった。そんな毎日の中、ヨニの弟ヨンジェ(イ・ファン)がマンシクのもとに仕事を求めてやって来る…ヤン・イクチュンの各国で絶賛された衝撃的監督デヴュー作。〔130分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★5 | 機動戦士ガンダムUC episode1 ユニコーンの日(2010/日) | 宇宙世紀0096。「シャアの反乱」を経て、地球圏は束の間の平和を享受するかに見えたが、腐敗から抜け切れない官僚政治のなかで、再び改革者を求める気運は高まっていた。その中で、工業学生バナージ・リンクス(内山昂輝)はひとりの少女がコロニー内を落下するのを見る。バナージの手で救い出された少女はオードリー・バーン(藤村歩)と名乗り、これから「戦争を止める」ためにある人物を訪ねることを告白する。その人物とはカーディアス・ビスト(菅生隆之)、世界を改変する鍵となる「ラプラスの箱」を所有する人物だった。それを受け取ろうとするネオジオン残党と連邦軍は抗争を繰り広げ、それはコロニーを巻き込んでゆく。〔58分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★5 | 恋するベーカリー(2009/米) | ニューヨーク・タイムスで絶賛されたベーカリーを経営するジェーン(メリル・ストリープ)は、先夫ジェイク(アレック・ボールドウィン)との間に3人の姉弟を作り離婚したが、末っ子の大学卒業祝いに出かけ、そこで新婦アグネス(レイク・ベル)と暮らすジェイクに出くわす。今もなお心中憎からず思っていた二人は、焼けぼっくいに火がついて情事を重ねてしまう。一方新居設計をジェーンから任された建築家、アダム(スティーブ・マーティン)の誠実さにも惹かれるジェーンは、思いがけず四角関係の渦中に自ら迷い込むことに。大人同士の恋愛模様は、子供たちにもやがて知られてしまい、ジェーンは母親として結論を出さざるを得なくなる。〔120分/カラー〕 | [投票] |
★5 | 誰がため(2008/デンマーク=チェコ=独) | ナチス統治下のデンマーク。フラメン(トゥーレ・リントハート)とシトロン(マッツ・ミケルセン)はレジスタンスに属し、この国の対独協力者やナチス党員を暗殺する指令を上司ヴィンター(ピーター・ミュウギン)より受け取り、実行する役目を負っていたが、想いからは自分らがこの国のために役立っているのかとの疑念が消えなかった。フラメンはある日、ナチスへの二重スパイという疑いをかけられた女、ケティ(スティーネ・スティーンゲーゼ)に愛を打ち明けられ、自らの行動の辛さを告白されて戸惑う。一方妻子のために戦い続けると信じたシトロンは、妻ボーディル(ミレ・ホフマイーヤ・リーフェルト)に愛人の存在を知らされる。〔136分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★5 | おとうと(2009/日) | 吟子(吉永小百合)は夫が早世したのち女手一つで薬局を支え、ひとり娘の小春(蒼井優)を育て上げた。小春の結婚式の日、放蕩を重ね音信不通だった吟子の弟、鉄郎(笑福亭鶴瓶)が式場にやってくる。彼をダメにした酒に手を出さぬ約束で式場に入った鉄郎だったが、早々に禁を破り、結婚式を滅茶苦茶にしてしまう。新郎との関係にひびが入った小春ほか親戚一同の白い目にもかかわらず、吟子にだけは優しくされる鉄郎。しかし、彼の情婦に大枚の借金の返済を求められ、店舗改装資金をそれにあてた吟子は、ついに絶縁を鉄郎に言い渡す。そして彼の記憶が薄れた頃、思いもよらぬ報せが吟子に届く。山田洋次10年ぶりの現代劇。〔126分/カラー〕 | [投票] |
★5 | パイレーツ・ロック(2009/英=独) | ロックの成長期にあった1966年のイギリス。ラジオのロック放送時間は45分に定められていた。しかし、その規制に敢然と立ち向かう海賊放送局が、全英2500万人を熱狂させていた…。ドラッグで退学になった少年カール(トム・スターリッジ)は、母親の知り合いであり、ラジオ・ロックなる海賊放送局のボス、クエンティン(ビル・ナイ)のもとに預けられた。ところがそこはセックス、ドラッグお構いなし、しかしクール極まりない男たちの溜まり場であった。ちょっとおバカなトム(トム・ブルーク)のルームメイトになったカールは、皮肉屋のデイヴ(ニック・フロスト)のセックス指南をはじめ、破天荒なDJたちの手で磨かれる。〔135分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★5 | カムイ外伝(2009/日) | 非人階級に生まれ、強く生きるために、少年カムイは忍びの道を選んだ。修行の一環として抜け女忍び・スガル(小雪)を狩る追っ手を命じられたカムイは、長じておのれも自由のために抜け忍となり、追っ手と立ち向かう暮らしを強いられるのだった。カムイ(松山ケンイチ)は大頭(イーキン・チェン)と下忍たちとの戦いの中、釣具に使う馬の蹄を求めて大名の馬の脚を斬りおとし、逃亡しようとする男・半兵衛(小林薫)に救われ、海へと同行する。そこにいたのはかつて死んだ筈のスガルであり、半兵衛との間の娘・サヤカ(大後寿々花)であった。スガルはカムイを追っ手として警戒するが、半兵衛は平和に生きよと抜け忍たちを諭す。〔120分/カラー/スコープ〕 | [投票] |