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[POV: a Point of View]
滲み出る暖かさに触れたくて

見ていて幸せな気分に浸れる、そんな心に染みるあったかい映画。結末がたとえ悲しくても、見ている時、あるいは見終わった後に、作品全体から醸し出される暖かさに触れることができる映画を集めました。
A★5ショー・ミー・ラヴ(1998/スウェーデン)対照的なふたりの少女が、最高に魅力的。少女たちをずっと見ていたかった。見終わるのが惜しいと感じた作品など、そうそうあるものではない。素人然とした、一見工夫のないカメラワークが、かえって少女の心情を深く描き出すことに成功している。「青春」の傷つきやすくて壊れやすくて危なっかしい感性が、瑞々しく弾けて、息苦しくなるほど、せつない。投票(4)
A★5山の郵便配達(1999/中国)あんなに鮮やかで美しく奥深い自然の風景が映し出されているのに、水墨画のように淡々とした筆致でさらりと全体が描かれる印象。父と子の触れ合い、夫と妻の確かな絆、すべてが一筆書きのように表面的に描かれるのに、感じるものは驚くほど濃密な情感。ただ、ただこの風景が、このあたたかい触れ合いが、壊れずに受け継がれていくことを願う。投票(14)
A★5パトリス・ルコントの大喝采(1996/仏)コメディに徹して、最後まで飽くことなく見せてくれ、見た後、幸福感に包まれるという意味では、『髪結いの亭主』に通じるものがあるか。ジャン・ロシュフォールの存在感は、すばらしく、見ているだけでにやけてくる。まさに「癒し系」の魅力だ。あとの二人も最高。クロチルド・クローが出ていたのは、うれしい誤算。相変わらず美しいが、出演作が少ないうえに、脇役の作品しか見当たらないのが非常に残念。投票(2)
A★5卒業(2002/日)「永遠だよ…。」 これは文句なしの傑作。静謐な空間に、心の中の言葉が、雪のように舞い、降り積もっていく。静けさの中に広がる、ふたりの想いは、沈黙の長い空白を埋めるかのように、育まれていく。堤真一の自信なさそうな顔が、驚くほどに様になり、内山理名の表情は、語りつくせない想いが凝縮されている。彼女のラストシーンの表情は忘れられない。しかし、とんでもない鈍感な、勘違いをしていた…。 [review]投票(3)
A★5リメンバー・ミー(2000/韓国)過去と現在の時空が繋がるSF的設定が流行(?)の韓国映画だが、『イルマーレ』に続き、心にじわっ…と染みこむ作品に、また出逢えた。清純な印象のキム・ハヌルや、強がる姿がかわいらしいハ・ジウォンの二人の女優が好演。相手を意識する、ちょっとした仕種がかわいい。過去と現在の繋がりが明らかになる場面は、衝撃だった。切なく感傷的な気持ちになるけれども、心がじわじわと暖かくなってくる余韻が心地いい。投票(2)
A★5變臉〈へんめん〉 この櫂に手をそえて(1996/中国)これぞ中国映画の傑作! 雲のようにあるがまま流れゆく。決して感動を強要しない、静かな流れ。生きることは何と哀しく、何と寂しく、何と気高いことか。だからこそ、ささやかな喜びが、じんじん胸に響く。女の子に生まれたグーワー(チョウ・レンイン)の絶望とその先に見えた光の渦。彼女の万感の想いを秘めた表情に涙が出そうになった。 投票(7)
A★5至福のとき(2001/中国)少女ウー・インを見たとき、ちょっと線が細すぎるのではないか、と心配したが、彼女が徐々に心をほぐして、おっさんチャオに見せる笑い顔が、自分にとっての「至福のとき」。チャオのおっさんパワーもすごい。なんだ、このうさんくさいおっさんは、と思わせておいて、見ているうちに徐々に溢れてくる、彼の人間的魅力。嘘はいつかばれても、泣きたいくらい優しい嘘だったら、嘘も真実になることもあるのだと、しばし余韻に浸った。投票(4)
A★4陽だまりの庭で(1995/仏)おじいさんと少女のコンビが最高。だんだんと笑えなくなっていく過程がスリリング。厳しい現実に咲いた二つの花は最後まで夢を見せてくれた。少女はかわいいというよりぞっとするほど美しい。 投票(1)
A★4パリのレストラン(1995/仏)いったい何人の人間が出てくるんだと混乱しかけたが、見ているうちに、それぞれの人物の輪郭がくっきりと浮かび上がってきて、みんな大好きになれる。躍動感に満ちた心あたたまる作品。投票(1)
A★4コーリャ愛のプラハ(1996/英=仏=チェコ)コーリャが最高にかわいらしい。最初は泣きべそばかりかいているが、だんだんとチェロ奏者になついていく。コーリャの泣きべそもいいし、だんだん明るくなっていく表情もいい。とにかくコーリャを見ているだけで満足だ。投票(4)
A★4ガスパール 君と過ごした季節(1990/仏)若者と中年男と老婆の組み合わせが最高。少ない登場人物は、みな感情移入をしたくなるような魅力的な人物造型。こんな素敵な作品はよりたくさんの人に見てほしいものだ。投票(2)
A★4ギルバート・グレイプ(1993/米)監督の優しい眼差しで登場人物を見つめる姿勢が静かな感動を湧きあがらせる。淡々として特に大事件が起きるわけではないが、画面からひとときたりとも目を離すことができなかった。投票(10)
B★5ジェイン・エア(1996/英)シャルロット・ゲンズブールの抑えぎみの演技がいい。それだけに後半の一場面で感情を露わにする場面に感動できる。印象に残る場面が多い。また、美しい映像に融けこんだ伸びやかな音楽も素敵だ。投票(2)
B★5十二夜(1996/英)ヘレナ・ボナム・カーターはあいかわらず達者な演技。顔の表情であれだけ訴えかけるものがあるというのはすばらしい。物語も起伏に富み笑いの場面あり、ほろりとさせる場面あり、で最後まで飽きさせない。投票(2)
B★5ファイアーライト(1997/英=仏=米)期待してなかっただけに感動。ソフィー・マルソーの内面の葛藤が滲み出るような抑えぎみの演技がすばらしい。個人的に彼女のベスト作品に推したい。しかし、「情炎の愛」といういかがわしいサブタイトルは全くの蛇足だ。投票(4)
B★5姉のいた夏、いない夏。(2001/米)ポルトガルの雄大で美しい映像、全編を覆う絹のような滑らかな肌触り、緩やかに成長を遂げる妹の軌跡、解きほぐされていく姉の死、二度と戻らぬ郷愁に包まれた夏、この作品には、胸に迫るたくさんのきらめきが詰まっている。 [review]投票(1)
B★5接続 ザ・コンタクト(1997/韓国)どこにでもいそうな女の子を等身大で演じたチョン・ドヨンが、見るにつけ、よりかわいらしく感じた。メール相手のハン・ソッキョと、いずれ出逢うはずということは、わかっていても、そこに行くまでのそれぞれの恋愛や日常が、丁寧に描かれているため、最後まで惹きつけられる。ただ、最後はやりすぎというか、焦らし過ぎだよ…。その分感動が色褪せた感があるが、それまでの展開に付け入る隙がなかった。投票(2)
B★5心の香り(1992/中国)人は誰でも孤独である。孤独だからこそ、人は人のぬくもりやあたたかさを求め、生きていることを実感したくなる。少年と祖父の相容れないふたりの突然振って沸いたような共同生活や周囲の人たちとの交流を淡々と綴った秀作。少年と祖父の心を繋げたものは「京劇」。喜びと寂しさは同居するものだと、この映画を見終わって感じた。 [review]投票(3)
B★5藍色夏恋(2002/台湾=仏)鑑賞後すぐの印象は、春の爽やかな風のように、心地よく「さらりと」し過ぎて、あまり残るものがなかった。けれど、時間が経った今、この映画を思い返すと、清純な雫が、心の襞にぽたぽたと溜まって、蒸せるような「情熱」を感じるから不思議だ。いくつもの場面が甦ってきて、息苦しくなる程。綻びは処々ある。けれど、すべては「青春の渦巻き」にかき消されてしまう。間違いなく好きな作品だ。 [review]投票(6)
B★5ざわざわ下北沢(2000/日)何だかよくわからない、というのが正直なところ。しかし、この雑多な街の独特の雰囲気に、だんだんはまってしまい、抜け出したくなかった。変な題名だなと思っていたが、これしかないという、ぴったりな題名だ。ばらばらでまとまりがないようでいて、この街にしかないような統一感も感じられる。この街で生活する人々の息遣いが、本当に間近に感じられた。日常の生活の中に、「生きている実感」が、そこかしこに散らばっていた。 [review]投票(2)
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