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煽尼采さんのコメント: 点数順

★4LEGO ムービー(2014/米)レゴ。それは「すべては編集である」という思想の象徴なのか。西部劇、『スターウォーズ』、『ロード・オブ・ザ・リング』、日本の萌アニメ風キャラ、『8 1/2』という数字等々、レゴに託した映画愛。[投票]
★417歳の肖像(2009/英)原題の「AN EDUCATION」に忠実に、優等生少女が勉学というEDUCATIONと、大人の男による人生の勉強というEDUCATIONを天秤にかける。この主題の処理は半端に終わって見えるのだが、その半端さ自体に人生についてのEDUCATIONを込めたのかどうかは不透明。 [review][投票]
★44分間のピアニスト(2006/独)このヒロインの徹底的な反逆心は、音楽の絶対的な肯定性そのものだ。倫理も人間性も愛も社会も恩義も優しさも、一個の才能の開花の枷となるならば唾棄すべきであり、むしろ、人間に与えられた可能性としての“genius”の為に全ては在るべきなのだ。 [review][投票]
★4小さな赤い花(2006/中国=伊)未だ一個の人として認められていない過渡期の存在として、小さな赤い花というノルマを課されて教育される子らは、人未満の奇妙な生き物のよう。夥しいベッドの並ぶ部屋をかなりの高所から捉えた俯瞰ショットの、「群れ」として蠢く幼児たち。 [review][投票]
★4パリ、ジュテーム(2006/仏=独=リヒテンシュタイン=スイス)シャレた幻想空間としてのパリ。日常卑近の生活空間としてのパリ。どこにでもありそうな人生の断面がそこにもある場所としてのパリ。国籍不明な非現実的空間としてのパリ。観光地としての、皮肉なパリ。この多様性が見所。量が、多面体としての質をもたらす。 [review][投票]
★4レボリューショナリーロード 燃え尽きるまで(2008/米)激しく言い合うウィーラー夫妻を中心に、本音が言葉というかたちで表れる傾向が強い作品。ジョン(マイケル・シャノン)の個性が更にそれを加速させるのだが、それでもなお言外の何ものかが立ち現れる瞬間の、戦慄的な現実感。 [review][投票]
★4buy a suit スーツを買う(2008/日)ビデオカメラの映像の質感、その即物的な記録性は、使い手によっては何とも貧しい画面をもたらす場合もあるが、本作ではむしろ、それが捉えた刹那的な時間の切なさをより際立たせている。東京の風景と、関西弁の会話という、目と耳の距離感も切ない。 [review][投票]
★4ピアノ・レッスン(1993/豪=ニュージーランド=仏)隙間から挿し入れられる、視線と指。上品なドレスを侵す、濡れた土の質感と、粘着質の音。この世の果てのように美しい海岸から始まる物語。 [review][投票]
★4チャンス(1979/米)チャンスの緩慢さは、世間の速度に遅れながらも超越し、その無意味さと無償が、却って無限の意味を生じさせる。台風の目、空虚な中心としてのチャンス。 [review][投票]
★4我が至上の愛 アストレとセラドン(2007/仏=伊=スペイン)ユニセックス(unisex)と、唯一つの(unique)愛。 [review][投票]
★4イキガミ(2008/日)「生き神/逝き紙」。過激に戦中的思想を取り込みながらも、同時に、人の生き死にで感動を演出する風潮への批判をも内包した、シニシズムの映画。 [review][投票]
★4枯葉(1956/米)アルドリッチは歪な人間を魅力的に描くのが巧い。その意味ではこの作品のようなものも、『特攻大作戦』などの作品群と同一線上にある。本作では、変わり者たちの関わり合いが、プロットを意外な形に転がしていくのが見事。 [review][投票]
★4救命士(1999/米)都会の闇を背景に、滲み、歪み、横溢する色彩・光は『タクシードライバー』以上。地味な邦題からは想像し難いファンキーでクレージーな映画だが、それはまた主人公の、死と憂鬱に圧殺されかけた分裂気味の感情から来る眩暈でもある。 [review][投票]
★4BUG バグ(2007/米)存在の耐えられない曖昧さ。「最も深いもの、それは皮膚である」(ヴァレリー)。 [review][投票]
★4大いなる夜(1951/米)一夜のサスペンス。一夜の成長物語。 [review][投票]
★4キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002/米)ガラスの向こう、画面の向こうを見つめることの孤独。 [review][投票]
★4マイケル・コリンズ(1996/米=英=アイルランド)毛沢東曰く、何事かを成し遂げ得るのは、若く、貧しく、名も無い人間である。自転車に乗ったテロリストたち。 [review][投票]
★4傷だらけの栄光(1956/米)ルールを無視して生きようとするロッキーをどこまでも追いかけてくるルール。ロッキーの奔放なエネルギーに対して世界は狭すぎるようでもあるが、だからこそ、小さな店の中から世界を見てきたソーダ売りの親爺にも世界の実相が見えるのだ。 [review][投票]
★4魔法にかけられて(2007/米)アニメの国から現実へ、というアイデアの出来を一応確認するつもりで観たが、意外にツボだった。アニメと現実とが、互いに世界観をブチ壊し合いながらも次第に互いを肯定していく過程が感動的。NYの、現実と幻想を同程度に成立させ得る懐の深さにも感心。 [review][投票]
★4攻撃(1956/米)オープニングロールの鮮烈な印象を裏切らない本編。それに、敵との「距離」と「位置」の関係を意識させる戦闘シーン。「広さ」が恐怖につながるという事。 [review][投票]