★5 | 通俗と崇高の差は紙一重であり、物語の中に真の悲劇と喜劇を同時進行で成立さることが可能なことを成瀬は証明している。しかし、これはただごとではないのだが。終幕、向き合った鶴次郎(長谷川一夫)と佐平(藤原釜足)の表情は感情を越えている。
[review] (ぽんしゅう) | [投票(4)] |
★5 | 映画を見る至福。他愛ないとも云える物語を生きる長谷川一夫と山田五十鈴がまばゆく輝き出し、私たちの胸に深く切り込んでさえくるのは、まぎれもなく演出家の仕事のためだ。成瀬の映画は淡々となどしていない。まったく過剰な感情が横溢している。 [review] (3819695) | [投票(3)] |
★5 | 端正で緊張感が途切れず、かと言って力が入らない画面作りといい、出演者全員のスキの無い演技といい、目が釘付けになった。『芝居道』といい、山田五十鈴はその存在が芸そのもの。 (動物園のクマ) | [投票(2)] |
★5 | 映像、脚本、演技、演出ともほぼ完璧のできばえに驚きを隠せない。特に主役の二人の美しさは耽溺的でさえある。 [review] (セント) | [投票(2)] |
★4 | 「おや、お豊ちゃん、こんなところにホクロがあったんだね」「あらそう?」といちゃいちゃし始めて、周りを気にして佇まいを改める。こんな可愛らしい演出の一方で、あの厳格なラスト。これこそが成瀬の真骨頂。 [review] (緑雨) | [投票(1)] |
★5 | 見事。相手を敬服するが故に、憎くて憎くて堪らない。本当のプロ同志だと、「もっとこいつは出来る筈だ。」って、お互いがこうなっちゃうのかな。ハリウッドでも、ジンジャーとフレッドはカメラを離れるとすごく仲が悪かったのだそうで。成瀬はこういうどうにもならない男女の道行きを描かせると抜群に上手い。 (takud-osaka) | [投票(1)] |
★4 | 山田五十鈴の、指で挟んだ煙草を口元へ持ってゆく仕草、煙を吐きながら人の話に聞き入る風情、吸殻をきゅっと揉み消す手つき、その格好良さ・コケットリー。それだけでも観る価値はある。 (淑) | [投票(1)] |
★3 | 喰えなくてやめる程度の芸道ならやめてしまえ、という凡々たる感想しか湧かない。 [review] (寒山拾得) | [投票] |
★4 | 戦後の成瀬監督のタッチに慣れてから改めて観ると、とても新鮮に思えてくる。 [review] (甘崎庵) | [投票] |
★4 | 小細工の無さが古典文学のように上品。 [review] (Aさの) | [投票] |
★5 | 成瀬の戦中芸道ものは『芝居道』『歌行燈』と見たがこれが最高作だと信じる。最高のラブコメだ。 (町田) | [投票] |
★4 | 『歌行灯』と本作を見て確信した。成瀬の芸物こそ元祖梶原一輝=スポ根浪花節。山田五十鈴の美しいたたずまいにはいつも心奪われる。 (AKINDO) | [投票] |
★5 | 長谷川一夫、山田五十鈴という花の主役二人の物語をここまでうまく回せたのも、佐平という脇役の設定と、それを演じた藤原釜足の見事な演技あればこそ。脇役がドラマを支えた傑作中の傑作としてずっと語り続けられてほしい。 (ジェリー) | [投票] |