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★5妻は告白する(1961/日)運命に屈服するか?それとも、人を殺してでもエゴを貫くか?増村作品らしい突き詰めた難問がヒロインを宙吊りに…。彼女が求めたものは所詮この世では手に入らないものだった、とも思う。[投票(1)]
★4浪華悲歌(1936/日)私はこの映画が好きというより、この映画の山田五十鈴が好きだ。男を相手に一歩も後に退かないクソ度胸と意外な脆さ。その後の彼女はピカレスクな世界で大いに出世したに違いない。[投票(1)]
★3氾濫(1959/日)非行動的な主人公は原作の通りなのかもしれないが、その結果、増村作品らしい激しさ、明快さは失われてしまった。不吉なまでに明朗なラストシーンなど随所にらしさは見せるが。[投票(1)]
★5黒薔薇昇天(1975/日)色気とマヌケさを併せもつ谷ナオミのおかげでコメディとしても成功した。顔が仏様っぽいのもいい。いかがわしさと敬虔さが入り混じった女性崇拝映画。しかも、とてもハッピーな映画だ。[投票(1)]
★5大菩薩峠・完結編(1959/日)ファム・ファタールに導かれ、物語は異次元の領域へ。麗らかな田園は冥界に暗転し、笛吹川は異形の姿に。そして、巨大な円環は閉じられる…。昔の人は面白い映画を観ていたものだと感心。[投票(1)]
★5大菩薩峠(1957/日)ゴシック・ホラー時代劇というべきか。遠近法のずれたセットや千恵蔵の無茶な演技やキッチュな脇役陣が、竜之助の狂った世界をむしろ巧みに表している。ティム・バートンが観たら喜びそうだ。[投票(1)]
★5けんかえれじい(1966/日)戦前バンカラ浪漫。バカ共を満載して走るオート三輪の勇姿。散る桜はやがて激しい雪へ変わる。叙情的にして時に怪奇、平気で異界へスライドしてしまう描写も青春映画にふさわしい。[投票(1)]
★3マタンゴ(1963/日)本多猪四郎は1975年以降映画を撮らなかった。しかし、私は彼に最後にもう一本撮ってほしかった。まさに「マタンゴの島」と化したバブル期の日本を舞台に、『マタンゴ2』を。[投票(1)]
★3マンハッタン無宿(1968/米)60年代のポップカルチャー描写はグラマラスで魅力的。が、ラヴ&ピースとカウボーイではやはり食い合わせが悪い。刑事物には70年代の荒んでささくれ立った世相こそが似つかわしい。[投票(1)]
★5ガルシアの首(1974/米)男らしさを極北まで突き詰めた結果、ニヒリズムとしか言いようのない地点に到達してしまった。ペキンパーにとって、男であることは決して善いことではない。それは禍々しい宿命なのだ。[投票(1)]
★5人情紙風船(1937/日)人気のない真昼の江戸の町をゆく金魚売りはキリコの絵のようにシュールだ。戻りたくとも戻れないその場所にあった平安。山中の厭世はひそやかに通り過ぎる。紙風船に吹く風のように。[投票(1)]
★5ミュンヘン(2005/米)「父であること」と「戦うこと」は切り離せない。しかし一体何と戦うのか?9.11以降、それはもはや明瞭ではない。現実に決然と「否」を突きつけスピルバーグは孤独な戦いを挑む。 [review][投票(1)]
★5洲崎パラダイス 赤信号(1956/日)背の高いビルのないこの頃、東京の空は広かった。そこへ、どうしようもない二人の焦燥・ヤケクソ・欲望の昂ぶりを余すところなく表した音楽が流れる。放浪と無所有への憧れに満ちて甘美。[投票(1)]
★5シャドー(1982/伊)「愛はすべてを癒す魔法の薬」などというお伽話を嘲笑うかのように、愛欲に狂った人々による地獄絵図が展開される。愛とは地獄。しかし、この世にはそれ以上の地獄もある― [review][投票(1)]
★4エレファント(2003/米)俯瞰で語ることを徹底的に避ける語り口が浮かび上らせるのは、弱者と強者の間に走る深い亀裂。彼らは分断された全く別の世界に住み、誰も「象」(自分たちの世界の全体像)を知らない。 [review][投票(1)]
★4妻よ薔薇のやうに(1935/日)結婚を控えた娘が「正しい夫婦のあり方」を探して、家に帰ってこない父を訪ねる。そして夫婦における愚かさの必須を知る。千葉早智子が今の日本人よりモダンでかしこく見えるのはなぜ?[投票(1)]
★4赤ちょうちん(1974/日)彼女はこの世があまり好きではないらしい。生きることの疎ましさは、川底までコンクリで固める70年代の東京でも変わりはしない。日々の泡沫を掬い取る細やかさ。藤田は厭世家なのだ。[投票(1)]
★4嗚呼!!花の応援団(1976/日)男社会の愚劣と栄光を描いてあまりにもバカバカしく、笑うしかない。体育会のクラブに所属していた人なら思い当たることも多いはず。こういう映画は雑に作らないとむしろ面白くない。[投票(1)]
★3四畳半襖の裏張り(1973/日)襖の裏張りにされるような(反古のような)B級ポルノという意味の題名なのに、妙にクソ真面目。近代日本の歩みと重ね合わすのもとってつけたようだ。もっと下らない話を観たかったが。[投票(1)]
★3君の名は 第二部(1953/日)オルガン音楽の妖しい響きとともに、またもやムチャクチャな展開の連続。ご都合主義で人を死なせている感もある。異常者ばかりのうち唯一の常識人、淡島千景の存在が光る。月丘夢路のサブストーリーは少なくない数の女性たちのひそかな支持を集めたのだろう。[投票]