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[コメント] ゴジラ(1954/日)

ひたすら、ただひたすら降りかかってくる恐怖。そして、これでもかと言わんばかりに詰め込まれたメッセージ。
パッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







われわれ(日本人)とは関係なく、ひたすら、ただひたすらゴジラが街を壊す。人間の、日本人の非力に呆然としつつも、その有様さえよくわからない。そうした「分からないことの恐怖」が実にうまく描かれている。

当然ながら現代のように、映像でゴジラを追えない。通信によって状況把握をしようとする本部の苦労が伝わってくる。だから報道も命がけ。精一杯の策は講じたが、レベルが違う。街がいとも簡単に壊されていく。都市が炎上する。大変だということだけが伝わってくる。何もわからないが、ただ逃げなければならない。空襲の恐怖を、原爆の恐怖とはこんなだったのだろうか。

そして、唯一の被爆国として、映像と言葉によるメッセージをこれでもかというくらい詰め込んだ。よくまあ、ここまで露骨に、ストレートにメッセージを盛り込んだものだと感心させられる。

なかでも、生き延びた子どもにガイガーカウンターを向けるそのシーンに、強いメッセージを感じる。こんな子どもが、親と死に別れたうえに被爆したのだ。・・・・そして映画は言う「われわれ日本人に被さっている水爆そのものだ」。博士は嘆く「日本だけにあらわれた貴重な研究資料なのに、どうして研究しない」‥‥‥‥。

※国会の野次を飛ばす野党らしき女性は、田嶋陽子かと思ったら、菅井きんだった。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (14 人)ゆーこ and One thing[*] ぱーこ[*] 新町 華終 水那岐[*] はしぼそがらす[*] Myurakz[*] 荒馬大介[*] ジャイアント白田 kiona アルシュ[*] Ryu-Zen[*] さいた いくけん sawa:38[*]

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