[コメント] 椿三十郎(1962/日)
『七人の侍』の時の荒々しさ、それは『用心棒』からの流れで徐々に洗練された美しさに変わっていきます。と同時にウィットに富んだストーリー、そして人々に好まれる主人公が形成されていきます。その形はこの『椿三十郎』で完成を見たように思います。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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前作の設定や台詞を上手に活かした脚本のおかげで、人々に「あの三十郎が帰ってきた」と思わせ、「やっぱり三十郎は凄い」と思わせ、「こんな一面もあったのか」と思わせる。そんな効率的な手法も手伝って、みんなから憧れられ愛される、最高に魅力的な主人公になっています。
前作よりさらに描き込まれた三十郎、時折垣間見せる優しさや弱さも魅力的です。何十人と叩き切った後に若侍たちに言う「手前ぇ達のお陰でとんだ殺生したぜ」なんて台詞に、彼の変化や葛藤が見えてきて嬉しくなります。
その彼の変化や性格を滲み出させる脇役たちの好演も素晴らしい。まぁ田中邦衛はまんま田中邦衛でしたが。
それはそうとこの作品から、人を斬った時の効果音が入るんですよね。「ズバッ!」とか「ドシュッ!」みたいな。『七人の侍』『用心棒』でちょっと寂しいなと思っていたもので、これも非常に嬉しく思いました。
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