[コメント] 火垂るの墓(1988/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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子供の時、ただ兄弟が可哀想としか思わないのは当たり前だと思うし、大人になってそれに疑問を感じるのも当たり前だと思う。
最強のお涙頂戴映画として長らく俺の中に君臨していたこの映画も、やはり20を過ぎたこの年になると、色々考えさせられる。正直この監督が何をやりたかったのか分からない。ひょっとしたら単に安易なお涙頂戴のご都合主義の結果だったのかも知れない。
でもね、十年近くも大好きだったこの映画だから、急に嫌いになるのも難しいのよ。俺としては良い方にとってあげたい。この兄弟が叔母さんの家に留まってれば死なずにすんだのは言うまでもない(死んだかもしれんが)。兄弟が他の大勢の人間より世間知らずの甘ったれだっただけかもしれない。でもそれって悪いことじゃないでしょ。裕福な育ちで、親が死んで現実に対応できず、親切に導いてくれる人もおらず、人一倍責任感が強く妹思いの兄貴の取った行動は・・・・アウッ!ってことでしょ。
兄貴の行動は妹を死なせたけど、兄貴が人より思いやりがないわけじゃないし、人よりだらしないわけでもない。むしろいきなりあの状況に立たされて妹のことだけを考えていた。優しい人だ。ただ人より現実を知らなかっただけ。そんな奴はどこにでもいる。現代にもいる。ただ運悪く、それだけの事で平然と人が死んでしまうの時代だったってことでしょ。
こう考えて、むしろ子供の時考えてたより硬派な映画だと思うことにしてます。実際はジブリが財政苦しかっただけかも知れんが、えーー、うーーむ、それは・・考えないようにします。
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