[コメント] トレインスポッティング(1996/英)
今や「昔夢中になったけど、なかったことにしたい映画」の上位。すっかり「Trainspotting」のロゴの入ったTシャツも見かけなくなった。が、しかし・・・
たしかに本作『トレインスポッティング』は、今20代前半の、生まれてからズッコけっぱなし("born slippy")の、世界中のダメ(だけどニクめない)人間たちの90年代唯一の‘ジェネレーション・ムービー’だった。けれど、‘ジェネレーション・ムービー’であるがゆえに、忘れられていくのも速く、それ以外の世代にとっては格好の嘲笑の的である。だけど、90年代に何があったというんだい?
タランティーノなんて単なる「映画オタク」じゃないか。岩井俊二は単なる「ひきこもり」じゃないか。リュック・ベッソンは単なる「ビジネスマン」じゃないか。ただダ二ー・ボイルとアーヴィン・ウェルシュだけが、90年代に10代をファッションと音楽と女で過ごした者たちの‘リアル’を描いてくれた。
実際にジャンキーであるとかサッカー狂とか、そんなことはまったく関係ない。要するに、‘ジェネレーション・ムービー’に必要なのは時代の「気分」なのだ。たとえば70年代の「気分」を鳴らした『イージー・ライダー』や『時計仕掛けのオレンジ』のように。
すべての映画が永遠に色褪せることのない名作である必要なんてどこにもない。
『トレインスポッティング』はこれからも色褪せつづけていくだろう。だけど、それは自分が色褪せていくことなのであり、だからこそぼくは『トレインスポッティング』を忘れない。
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