工場で過度に働いたとき、 ビルを殺してしまったとき、 捕まるとき、 刑の延長を待つとき、 執行場に向かうとき・・・

辛いこと、苦しいことに出会うたび、セルマ（ビョーク）は空想の世界で、歌い、踊り・・耐えてきた。 そうしないと乗り越えられなかったからだ。

死刑執行の場に着くまで、空想の世界で歌った。 一番耐えられないところなのだから、当たり前だろうと思った。 けれど、死刑を執行される直前は違った。

グワァルダ（カトリーヌ・ドヌーブ）が息子が手術を受けたことを教えてくれてからだ。

それから、セルマは肉声で歌った。 肉声で！ ここに、救いを感じた。