[コメント] アメリカン・サイコ(2000/米)
皮肉な冷笑を映画にしたら、こんな感じ。笑われてるのはあなたでもあり私でもあり、だんだん自分が小さくなって、そして消えて行く。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラストの解釈ですが、全部妄想でこの人は病気、ってのも確かにありですが、私の素直な感触では、あの弁護士、殺された男のことも誰かと勘違いしていて会ったと思い込んでるだけでは、と。他人のことなど気にも留めない亡霊のような人間がうようよしている冷淡な世の中で、半亡霊の自分と格闘しつつアイデンティティを渇望するも与えてもらえず放心する、ある意味正常な主人公(と、亡霊になりきるセンス不足のクロエ・セヴィニー演じる秘書)だけが浮いた存在。そんな小さな存在など軽く消去して、薄っぺらい世の中は薄っぺらく機能し続ける、ということかな、と。本当にサイコなのは何か、ということを考えると身が縮みます。
コメディータッチも、私は正解だと思います。笑われるのが一番冷酷で痛烈な皮肉だから。
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