[コメント] ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
1954年11月3日、日本映画史に堂々と名を残す映画『ゴジラ』が封切られた。水爆実験によって現代に蘇ったジュラ紀の生物が、文明の象徴である都市、東京を破壊するというストーリー。制作費1億円をかけたこの映画は空前の大ヒットとなり、多くのゴジラファンを生んだ。
『ゴジラ』以降、23本のゴジラシリーズが日本で創られた。時の流れにつれ、ゴジラは次第に子供向けの映画となり、決して第1作のファンの期待に充分そえるものではなかった。
『ゴジラ』第1作は、娯楽性を前面に押し出しながら、戦争と核兵器の残酷性を強調した映画で、何より「恐怖」というものが、生々しく描かれていた。以後、娯楽性のあるゴジラは何本も創られたが、死に対する「恐怖」というものが描かれることはなかった。
ファンは心のどこかでそんな「恐怖」を望んでいたのかもそれない。初めて第1作をみたときの凄まじいまでの「恐怖」を思い出したかったのかもしれない。
2001年12月15日。ファンの願いは遂に実現する。『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』だ。
死に対する、戦争に対する、核兵器に対する、ゴジラに対する、「恐怖」が画面全体から伝わってきた。民宿でゴジラに襲われた少女、民宿ごとゴジラに踏み潰された男、海でゴジラと遭遇する漁師、キノコ雲を目撃する女教師、ゴジラを目の前にして逃げ惑う群集。それぞれの「恐怖」が鮮明に伝わり、観客達をも「恐怖」させる。
また、娯楽大作としても、非常に良く出来たつくりになっていた。3匹の怪獣同士の対決のスケールは大きく、クオリティも高かった。
47年の時を経て、ゴジラはようやく第1作に追いついたのだ。こんなゴジラが観たかった。僕はまだ現時点で19歳の未熟者だが、vsシリーズを劇場で観ていたころとは明らかに異なる感動が、僕の全身を支配している。涙すら流した。エンドロールの間身体の震えが治まらなかった。こんなゴジラが観たかったのだ。こんなゴジラが観たかったのだ!こんなゴジラが観たかったのだ!!毎年劇場に足を運んだ甲斐があったというものだ。
平和ボケした現代社会に喝だ!ぜひ多くの人に観てもらいたい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (20 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。