趣味全開で楽しいんだけど、これがこの人の真価なのかなぁ、と思うと少々淋しくもあり。結局タランティーノは映画人としての作家性云々以前に、ズバ抜けたセンスを持つ「一映画ファン代表」なのかなぁ、という印象。まあ本人自体が作家性なんて望んじゃいないよーな気もするけど。

でも未だにこの監督の真の「オリジナル」というものに出会ってないような気がするんだけど（「真のオリジナルってなんだよ？」って言われるとそれまでなんだけど）。趣味丸出しの借り物コラージュで全く新しいものを作っちゃうゴダールなんかとは、基本姿勢が違うというのは言うまでもない。その姿勢というのは、どんなに表向きヒネくれてても、根本は観客からの「共感」を求めてるか否か。「〜だろ？」みたいなのは楽しいけど、それ自体が衝撃であったりスゴイとは思わない、ということかなぁ（拙い説明で申し訳ないデス）。

とかブツブツ言いながらどうして高得点をつけているかというと、それはまさにタランティーノへの拘りがないからかもしれない（失礼）。とにかく面白かった。たっぷり笑った。ありがとうタランティーノ。でも「本作はあくまで自分の中では番外編だよ」位の割り切りでもあればなぁ、というのが個人的感想。パート２が本作と同じ位面白くても、もう４点は付けないです。

(2003/11/4)