[コメント] 笑う蛙(2002/日)
これぞリアル。類い稀なるエロス。見終わった後で一幕の密室劇だったことに驚喜し、一言、「巧い!」と言うしか言いようが無い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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各登場人物のキャラが際立っており、そのステレオタイプな描き方は作品に安定感を与え、観客が期待(予測)するその行動が裏切られずに進行する様は満足感すら感じるだろう。
だが、大塚寧々演ずる妻だけは予測不可能な行動をとり、単調になりがちな密室劇にうねりを与えている。
彼女は愛人を引き留めSEXに及び、夫の愛人には金を与える。熱にうなされながらも夫に抱かれ、夫を選ぶかと思いきや愛人の子を妊娠したと嘘を言う。
このステレオタイプではない複雑な妻を、芝居下手な大塚寧々が無表情で演じたものだから、観客はまったく彼女の行動が読めない。コメディーになりかけそうな寸前で彼女が「現実」に引き戻す。
これは「壊れた家族」を描いているが、自分本位で自己を主張する彼等はどれもみな「リアル」だ。ステレオタイプに描かれた彼等には単純に共感を覚えた。それが男であれ女であれ、大体が想像がつく。
だが大塚寧々だけは男である私には想像がつかない不安感が今も残る。理解出来ないようでいて、なんとなく理解出来そうな・・・そう、私の女房なら、なんだか彼女と同じようにヤっちゃうんじゃないのだろうか?っていう不安感が・・・
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