★4 | 658km、陽子の旅(2022/日) | 私はもう、陽子の旅を「就職氷河期世代が受けた上の世代からの仕打ち」のメタファーとしてしか見ることができない。終盤の陽子の長いセリフも「そうとでも思うしかない」というあきらめに聞こえた。 | [投票(2)] |
★3 | 福田村事件(2023/日) | 映画化が計画されていた時から応援してきたのだが……。複合的な差別の様相を描く手腕は見事。が、この男女観はいったいいつの時代の映画なのだろうと思うほど(舞台が大正時代であることは関係ない)。ものすごく古くさい。せっかくの作品の足を引っ張っている。 | [投票] |
★4 | ウエスト・サイド・ストーリー(2021/米) | スピルバーグの映画を長年見ていれば、人々の分断や戦争というテーマの延長にこの作品があることは容易にわかるだろう。再開発の途中の街には爆撃によって破壊された街のイメージを重ねている。小さな抗争の構図や原因は大きな戦争と通底している。 | [投票(2)] |
★5 | あのこは貴族(2020/日) | 女性の生きづらさだけでもなく、シスターフッドだけでもなく、格差を悪として叩くのでもなく、あまつさえ男性の生きづらさにまで言及して、確かに我々はこういう世界を生きていると思わせる、とにかくいろんな方向に行き届いた作品。傑作です。 [review] | [投票] |
★4 | 最後の決闘裁判(2021/米) | やろうとしていることには共感するし、決闘シーンをはじめとする演出も文句なしなんですが、これ、〈羅生門スタイル〉にすることで三者の物語すべてが相対化されてますよね。 [review] | [投票] |
★2 | 竜とそばかすの姫(2021/日) | 「仮想現実」から「現実」に踏み出そうとして大失敗。現実に存在する社会問題を唖然とするほど安易に扱うという形の傲慢さだけが印象に残る作品となりました。 [review] | [投票(3)] |
★5 | ファーザー(2020/英=仏) | 映像を撮って編集する(CGなどいらない)。それだけでここまでのことができるということを改めて思い出させてくれた一本。傑作。 | [投票(1)] |
★2 | アナと雪の女王(2013/米) | 音楽を優先した結果とはいえ、ストーリーの破綻ぶりはこのところのディズニーの良作に比しても大変に残念だと思う。だいたい、姉のほうの問題があれで終わりとは…… [review] | [投票(3)] |
★3 | 小さいおうち(2014/日) | 小さな話が、最後まで小さな話以上にならずに終わっている。松たか子はよかった。 | [投票(2)] |
★4 | ゼロ・グラビティ(2013/米) | 原題のまま「グラビティ」じゃないと意味がないのでは…… | [投票(2)] |
★4 | 悪の法則(2013/米) | 一種のサンボリズム。主人公にとっての世界がシンボルでしかないで内容の有様とも合致した手法です。わからないのは当然。描いてませんから。しかしストーリーは捉えるものではなく観客が完成させるものだとわかっていれば、ぜんぜん「わかる」映画です。 | [投票(1)] |
★4 | かぐや姫の物語(2013/日) | 「原作のまま」と言ってる人は「竹取物語」読んだことないでしょ?この映画が「竹取物語」のままなのは、ストーリーではなく、精神です。 [review] | [投票(1)] |
★5 | 時計じかけのオレンジ(1971/英) | メタ視点で見てくださいな。登場人物に共感できるかどうか、なんてどうでもいいんだよ。起こっていることを見ようよ。この映画自体が「なんでも許されるのか」って言ってるんだよ。 | [投票(2)] |
★3 | グランド・マスター(2013/香港) | 何これ。顔だらけ。9割方、顔のアップ。それしか撮るものがないのか?んなわけないでしょ〜。残りの1割も、十年一日の如きいつものウォン・カーウァイでした。 | [投票] |
★3 | 藁の楯(2013/日) | この移送方法を否が応でも選ばなければならないところまでちゃんと追い込んで欲しかったがそうではない時点でしらけ気味、警察内部も含めた日本国民全員が敵っていうほどの緊迫感も怖さもない。で、主人公たちがドジなだけな映画になっちゃった。 [review] | [投票(1)] |
★4 | リンカーン(2012/米) | 「政治とは何か」という映画。根底には信念がある。しかし、やり方は必ずしも立派ではない。信念を通すためには嘘や冷酷さも必要で、だからこそ命をすり減らす「政治家」リンカーン。後代はこれをどう評価するかって映画だけどあんまり伝わってない様子。 [review] | [投票(2)] |
★3 | 舟を編む(2013/日) | 映像表現としては光るところもあった。が、脚本は(それが原作の問題だとしても)痩せているとしか言いようがない。話がはじまるはずのところで終わってしまった感じ。言葉で世界を捉えるって、だからどういうことなのよ? | [投票(1)] |
★3 | フライト(2012/米) | 事故と、主人公の病理とが、事故の原因究明という意味では関わらないが、主人公の人生においては「自らを受け入れる」という形で関わっていく、という筋なんじゃないの?でもだとしたら描ききれてないよね。面白いことは面白かったけど。 | [投票] |
★4 | 愛、アムール(2012/仏=独=オーストリア) | 開かれたものと、閉じられたものの話。「窓」や「ドア」の使い方によく表れている。ほとんどは閉じられている。だからこその「愛」なんだけれども……実はとても個人的、閉鎖的なのが「愛」なのだ。誰にでも分かる「愛」なんて嘘だ。 [review] | [投票(8)] |
★4 | クラウド アトラス(2012/米) | オカルト的に捉えるとつまらないけれども、そんなことを描いてるのではないと思う。命は死んでも、意思(意志)は残る。単に人間を度し難いものとして諦めたりしない、世代や時代を超えた希望の話。 | [投票] |