★3 | 赤目四十八瀧心中未遂(2003/日) | 寺島しのぶに比べ、なんとまぁ魅力のない主役……。原作の面白いけどムカつく感じは、映画でもよく出ていた。ただ、「堕ち切れなさ」の描写は、活字でのみ可能な世界なのかも知れないとも思った。要するには太宰の「人間失格」と同じ発想だけど。 | [投票] |
★4 | 七年目の浮気(1955/米) | 当時の自主検閲によって、際どいシーンや台詞がカットさせられたが為の切れ味の悪さは否めないが(あのシーンも本当はもっと露出度が高い)、それでもかなり踏ん張ったのではないか。何よりマリリン・モンローの私生活の荒廃を感じさせない輝きが素晴らしい。 | [投票] |
★5 | お熱いのがお好き(1959/米) | それにしてもよくできた脚本。奇跡的にすら思える。個人的にはDVDの特典でトニー・カーティスが、「(マリリンへのキスについて)『ヒトラーへのキスだ』なんて言ってないよ」と穏やかに否定していたのが感慨深かった。(嘘かも知れないけど) | [投票] |
★3 | アビエイター(2004/米=日=独) | 名人の寄り道とでもいうのか。観客の興味をつないでいくだけの展開。敢えて言う、スコセッシにならこれくらいの作品はつくれて当然。濃厚な人間も、人間関係も、何もない。ただ体よくまとめただけの作品にはやはり感動もない。もっと本気の映画が見たいのだ。 | [投票(3)] |
★3 | ハウルの動く城(2004/日) | 「青春とは心の若さである。」 | [投票] |
★4 | 光の雨(2001/日) | 二重構造にしたのは客観性を持たせるためというよりあまりに遠すぎる「連合赤軍」の時間と現在とを若者たちを挟んで少しでも埋めるためと理解した。それくらい、私には自分と断絶しているように感じられた彼らの「総括」マニアぶり、ただ→ [review] | [投票(5)] |
★3 | ソウ SAW(2004/米) | ライト一つつけるにも大げさな効果音。回ったり早回ししたり、そういう演出が正直鬱陶しくもあった。家族の描写などは実は非常に月並・通俗的なのだが、それは鑑賞後に冷静になってから思いつくこと。とにかくパワーだけはあった。疲れるほど。 | [投票(3)] |
★3 | ロスト・イン・トランスレーション(2003/米=日) | 本当のところ、日本じゃなくてもよかったんでしょう?翻訳不可能なのは英語←→日本語という以上に、夫の気持ち←→妻の気持ち、だもんね。二組の夫婦の。描きたかったのは専らそっちなんでしょう?東京は単なるダシでした。 | [投票] |
★3 | 2046(2004/中国=仏=独=香港) | 悪くないのだ。シーンごとは。だが「よさげな雰囲気」と「よさげなイメージ」のブツ切れを寄せ集めただけに見える。それがいつもの王家衛だけど。木村拓哉の台詞で赤面しそうになるのは、台詞全般が臭いからなのか、そこだけ日本語で聞こえるからなのか。 | [投票] |
★4 | 血と骨(2004/日) | 今村昌平の用語だが「重喜劇」という言葉を思い浮かべた。原作が粗いように映画にも粗い点は散見されるが、それでも惹かれる。ヒトという生き物の哀しみはこういった形でも描けるのだ。 | [投票] |
★4 | 幸せになるためのイタリア語講座(2000/デンマーク=スウェーデン) | 役者が皆まるで自然体に見えるのに実はしっかりと役をつくっている。物語はあくまでリアルを志向しつつ、ラストまでに少しほっとするようなロマンチシズムに収束させている。素材は地味だが一人一人の辛苦や哀しみが技巧過多にならずに出ているのにも感心。 | [投票] |
★2 | ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日) | 新渡戸稲造だって武士道については何も調べずに「武士道」を書いてしまったけれど、この映画も「こうであって欲しい」という観念としてのサムライ(「日本人」では決してなく)の姿が先行している。渡辺謙はNHK大河ドラマの演技の枠を一歩も出ていなかった。 [review] | [投票(1)] |
★4 | エレファント(2003/米) | 確かにあの事件を知ってるから・この後どうなるか分かってるから・瞠目して見ていられる映画なのかも知れない。しかし、終映後に彼ら一人一人の面影が浮かんで、こんなに痛いほど切なく哀しくなる映画も稀だ。正義や悪ではない何かが、刻み付けられる。 [review] | [投票(4)] |
★2 | ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001/米) | 問題のあるふりをしている家族。何も解決する必要はない。最初から問題などないのだから。おしゃれですか?これ。退屈。 | [投票(2)] |
★3 | ハリウッド★ホンコン(2001/仏=香港=日) | ブラックユーモアのはずだけど、ゾクッとさせられるほどのリアルな「比喩」にはなっていなかった気がする。中途半端な感じが残る。お肉の3人は、いい。しかし映画の肉付けは、いまひとつ。 | [投票] |
★4 | スリーパー(1973/米) | 英語が分かったらきっともっと笑えたはず……。ウディ・アレンの「顔芸」(?)って実は珍しいのでは。若きダイアン・キートンも現在とはかなり違う雰囲気で、楽しい。 | [投票] |
★4 | ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう(1972/米) | こんな「素晴らしいバカバカしさ」には、なかなか出会えない。さりげなく様々な映画の引用をしてたりもする。現在の作風とはかなり違うが、それでもウディ・アレンはこの延長にあるんだなということが分かる一本。 | [投票] |
★3 | ミスティック・リバー(2003/米) | 俳優は本当に良かったのに。犯人探しでもない、アメリカの病理を描くでもない、人間性に迫るでもない。焦点化したい点がありすぎたのか。もっと難解で重厚なものを期待していたが、蓋をあけてみれば「やっぱりハリウッドの映画」。 [review] | [投票(3)] |
★4 | グッバイ、レーニン!(2003/独) | 母が信じたものは、体制としては崩壊しても、息子には伝わっていた。国はすっかり変わっても、小さな関係の間ではしっかりと守られたものがある。そこがとても感動的だ。笑わせながらも、「大切なものとは何か」という愚直な問いを実は断固として問うている。 [review] | [投票(12)] |
★5 | 飢餓海峡(1965/日) | 三國連太郎と左幸子。ただでさえ濃い物語に、この濃い取り合わせを配して、しかも十分すぎるくらいに生かしきった演出。「業」という言葉が当てはまる映画は少なくないが、取り分けこの映画につかいたい。壮絶。 | [投票(3)] |