「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ三羽烏」(町田)の映画ファンのコメント
ゑぎのコメント |
秋津温泉(1962/日) | 女が変転していく様とそれを冷厳に捉えるカメラの眼差しに心揺さぶられずにはいられない。これは成瀬『浮雲』と双璧の寂寥。さらに全編に亘って極めて美しい、しかし冷たいスペクタキュラーな画が溢れており『浮雲』よりも私の好み。ラストの俯瞰ぎみの横移動も凄いが津山の散歩シーンの桜が見える縦構図なんかも本当に素晴らしい。 | [投票(6)] | |
暗殺(1964/日) | 丹波哲郎の描き方にちっともカリスマ性を感じられないので、劇中おだて上げられるのが非常に気持ち悪い。また、ストップモーションの多用は全く逆効果。 | [投票(1)] | |
日本の夜と霧(1960/日) | ただならぬ緊張感が醸成されていて良し、と評する方も多いが、私は粗製品を見せられている気がする。科白をトチって「やべぇ」という顔をする俳優は見たくないし、移動撮影でガタガタするのも好きじゃない。 [review] | [投票] | |
太陽の墓場(1960/日) | 大阪は釜ヶ崎・ミナミ周辺を舞台に、二つのコミュニティの瓦解が描かれるのだが、異様なテンション、異様な映像。今見ると、大島の中でも異質に感じる。 [review] | [投票(1)] | |
愛と希望の街(1959/日) | 川崎市を舞台とする。冒頭の靴磨きシーンは川崎駅前か。望月優子とその隣は谷よしの。谷は、本作では珍しくクレジットあり。鳩を売る少年は望月の息子の正夫。彼から二羽の鳩を買ってくれた女子高生、京子は富永ユキ。 [review] | [投票(1)] | |
乾いた花(1964/日) | こんな日本映画は初めてだ、と思った。それは映画におけるハードボイルド性のことを指している。しかし篠田に失望してしまうのも早かったのだが。池部良は日本映画史上最もハードボイルドを体現した役者だろう。それは松田優作を遙かに凌駕する。 | [投票(1)] | |
血は渇いてる(1960/日) | やや教条主義的な嫌らしさも感じてしまうが、しかし撮影とカッティングは冴えている。吉田喜重の初期作品は格好いいね。芳村真理と三上真一郎が再会した夜のダンス。そして「血を吐け、唾を吐け....」と歌手が唄うシーンのカッティング等。佐田啓二、織田政雄、岩崎加根子の祭り上げられる側3人が皆情けなくていい。 | [投票] | |
ろくでなし(1960/日) | ファーストカットからラストカットまで張りつめた緊張感を維持する吉田喜重の処女作。津川雅彦のナイーブさの表現も良いが、高千穂ひづるの年増の色香が思いの外いい。 [review] | [投票(2)] | |
日本脱出(1964/日) | 小さなアバンタイトルは岡本太郎が絵を描くショット。エンディングもその絵。東京オリンピック前夜のお話(1964年7月公開)。クレジット開けは、鈴木ヤスシが唄っているように見せかけたシーン。楽屋か。 [review] | [投票] | |
甘い夜の果て(1961/日) | 津川雅彦の人物造型のアホ具合−例えば岡鋳物の経営状態を全く認識していないといった−はちょっと気になるのだが、この際置いておこう。ヒロインといっていい新人の山上輝世がもう少しマシな女優だったらなあ、という点も目をつぶろう。吉田喜重と成島東一郎の現場での仕事ぶりは矢張り見応えがある。 [review] | [投票] |