★3 | 冒頭から炸裂する婿養子社長(志賀廼家弁慶)の卑屈な傲慢さが不快で素晴しい。そんな「女=物」の歪みが生む根拠なき優越意識を、本能的に手玉に取るアヤ子(山田五十鈴)の幼い正直さを「不良」で片づけるのは、今も昔(昭和11年)もたいして変わらない。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★3 | 溝口作品は苦手だが、コミカルなシーンも随所にあって楽しめた。山田五十鈴は溝口健二に徹底的にしごかれたのが、伝説になってるだけあって好演だし、洋装なのも新鮮。理不尽でシビアなラストが痺れる。でも…。['04.12.11京都文化博物館] [review] (直人) | [投票] |
★4 | 山田五十鈴にあらん限りの光をあてた作品で、当時の昭和モダンの風俗描写と相乗してとても斬新なオーラを放っている。男たちのだらしなさの表現で言えば、成瀬がすがれた感じを出すのが得意なのに対して、溝口は脂ぎった不潔感として表現される。見事。 (ジェリー) | [投票(2)] |
★5 | 官憲など庶民の敵という認識をミゾグチがブレヒトと共有していた動かぬ証拠。 [review] (寒山拾得) | [投票(1)] |
★3 | カメラは執拗に空間の奥深くまで狙っており、可能な限り広い空間を用いて展開させるドラマは観ていて飽きない。 [review] (づん) | [投票] |
★5 | 実に面白い。特に山田五十鈴と梅村容子の台詞回しが抜群に面白い。また、1936年に作られたこの映画でも溝口は既に殆どパン・フォーカスの演出と云っていい縦構図の演出を随所に用いており画面の見応えも充分だ。 (ゑぎ) | [投票(2)] |
★3 | 溝口にしてはちょっとテンション低いよなあ。映像も普通だし。 (_) | [投票] |
★5 | 現代でも洗練されて見える美術や撮影。しかし、何と言っても山田五十鈴がカッコいい。ラスシーンは関西弁も表情もキマりすぎて圧巻。 (檸檬) | [投票] |
★2 | 未熟な照明技術とカメラのためか、画面上にある人物が誰で、何をしているかの判断が困難なのは仕方がないにせよ、ここぞとばかりに放たれる「名台詞」の不発に繋がっているようでは致命的。大阪弁で会話を律したのは当時としては画期的なのだろうが、それが作品の唯一の取り柄ではおよそ成功作とは言い難い、凡庸なトラジディ。 (水那岐) | [投票(1)] |