★3 | ゲゲゲの鬼太郎(2007/日) | 打算と裏切りで世知辛い世を渡り歩くピカレスクな「ねずみ男」をこそ主人公にして欲しかった。大泉洋が役の解釈からして完膚無きまでにモノにしている。寛平・室井は遊び心が無い。終盤は西田がかっさらう。で、ウェンツ?俺はあかんわ。 | [投票(3)] |
★4 | こんにちは、母さん(2023/日) | 山田十八番の女の堰き止め切れぬ思いの発露を経て、辿り着いた境地が母としてのささやかな日常の悦びに回帰するあたり、分断された家族の再構築を謳っているよう。それが年寄りの繰り言だとしても聞いとこ思わせる枯淡の味わい。ズレてるとこもあるけど。 | [投票] |
★4 | アフタースクール(2008/日) | 何がどうなるか行く先不明のグルーヴ感。ただ前半にあった曲がりなりにもの不穏な空気はやがてマニュアル的に滅菌されていく。又、唐突の誹りを免れない佐々木と大泉の確執は書き込み不足か。何かと詰めが甘いが撮影始め特筆点も多い。 | [投票(4)] |
★3 | 駆込み女と駆出し男(2015/日) | 愚劣な圧制に抗する義賊や理不尽な弾圧に虐げらる切支丹を点描しながらDVネタを主軸に据える強弱感へのセンスはやっぱ原田には無いと思う。仕組みに欠けると言う以前に表層にしか興味が無さそうな本質が露呈する。審問会の大仰なロケセットが虚仮威し。 | [投票(1)] |
★3 | 探偵はBARにいる3(2017/日) | 「人死に」がジャンル映画の分岐点だとすれば、踏み込んだかに見せて尻退ける体たらく。所詮そんなもんと割り切り景子ちゃん只管応援に徹するギアチェンジもノッキング気味だ。パターン化を破る情動演技だがビッチ度が不足。でないと過去設定が効かない。 | [投票(2)] |
★3 | 東京喰種 トーキョーグール(2017/日) | 『寄生獣』と似た構造だが高潔さが無い。良・悪グールが居る設定自体が凡庸で良いグールしか出てこない展開は主人公の悲愴を希釈する。彼岸に行く話なら此岸を描くべきで2人の捜査官で代替しちまうのも覚悟が足りない。富美加が良いのは覚悟の度合いか。 | [投票(1)] |
★4 | アイアムアヒーロー(2015/日) | 『WWZ』との類似を感じる序盤だが細部の小ネタが豊穣で2番煎じ感を払拭。死肉の山を踏みつけて腐った肉汁が染み出るような臨界まで迫った描写はカースタントの特筆すべき出来ともども溜飲だ。ギャグと真の戦慄は表裏であるという本質にもイイ線まで迫る。 | [投票(1)] |
★3 | 騙し絵の牙(2020/日) | リアルワールドで苦境に立つ出版業界が生き残る術とはみたいなところに踏み込んで馬脚を現した感が拭い難い。パワーゲームの主線で暗躍する大泉がらしさを封印されハッチャケ切れぬのも映画を封殺した。ただひたすらにノーブルな松岡茉優が良いだけ。 | [投票(3)] |
★5 | 清須会議(2013/日) | 役所のダイワハウス系ボケ演技が堂に入って来て、大泉のツッコミと相性良く、そこに小日向の腹芸が加味され完璧なトライアングルを形成する。衣装・美術・撮影も重厚とキッチュの狭間の座りが良いピンポイントで調和。殺戮の興亡の上澄みの軽み。 | [投票(4)] |
★4 | 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(2013/日) | 『砂の器』を底に敷いているが意外なほどに揺るがない信念が貫かれていてチャラけた印象を回避する。基軸は真千子とゴリだが篤郎の信念とサバけた性志向の開示が背骨を通す。そいういう感情の交差の中を主演2人の緩いバディ感が心地よく上滑る。 | [投票(2)] |
★4 | ハウルの動く城(2004/日) | ハウルが何故に孤軍奮闘我が身を賭して闘うのか解らないのに出自等はけっこう描かれ、その辺が論理的世界観の構築から逃げムーディに媚びてるようにも感じたが、細密画の如き「動く城」が動く様には矢張り興奮せずにはおれなかった。 | [投票(2)] |
★4 | 千と千尋の神隠し(2001/日) | 油屋の迷宮性は『カリオストロ』を凌駕し異界の者たちの造形は『ナウシカ』に比肩する。陶然とする混沌世界を現出させるが、名を剥奪され或いは顔を消さるアイデンティティ喪失の物語は再獲得へと収斂すべき筈がそうならず、教条的エコネタに逃げ点晴を欠く。 | [投票] |
★4 | 焼肉ドラゴン(2018/日) | 美人3姉妹を軸とする物語は当然に男どもを呼び寄せそこに軋轢が産まれるし在日の被虐はときに悲劇へ繋がる。それでも高度成長下の日本で幾許かの希望を持てた時代への懐旧。自己史と家族史、在日史と半島史を述懐するキム・サンホに全ては収斂するのだ。 | [投票(4)] |