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水那岐さんのあらすじ: 更新順

★4天空の草原のナンサ(2005/独)父は斃れた羊を、人間に生まれ変われよと埋葬する…。少女ナンサは学校の休暇に、両親や弟妹の待つ遊牧のテントの家に帰ってきている。彼女は洞穴で偶然拾った犬を連れ帰り、ツォーホルと名づけて可愛がる。だが、両親にとってそれは狼を呼び寄せる不吉な犬であり、彼女に捨ててこいと厳命する。それでもナンサはツォーホルを連れ、馬に跨って羊たちを先導してゆく。彼女を迎え入れた遠いテントの老婆は笑う、ツォーホルは以前は人間だったのかもしれないと。ナンサはその言葉に、犬や自分の前世について思いを馳せる…。バットチュルーン一家とそれを巡る人々が織り成す、一編の映像詩。〔93分/カラー/ヴィスタサイズ〕[投票]
★3禁じられた歌声(2014/仏)マリの古都ティンブクトゥ。少女トヤ(ライラ・ワレ・モハメド)は父キダン(イブラヒム・アメド)や母サティマ(トゥルゥ・キキ)、家族同然の孤児イサン(メディ・A・G・モハメド)とともに牛飼いのつつましい生活を送っていた。この日常に侵入してきたのが、武装したイスラム過激派の一部隊である。彼らは街を占領すると、人々の暮らしを律する厳しい戒律を喧伝した。音楽、サッカー、タバコの禁止。女性たちは身を包むチャドルを強制され、事実婚のカップルは石打ちの刑に処された。そんな中、キダンは漁師のアマドゥとの間で揉め事を起こし、過激派の裁きの場に引き出される。もはやトヤの家族からも平安は奪われてゆくこととなったのだ。〔97分〕[投票]
★2復活(2016/米)「ユダヤの王」といわれた男が、他ならぬ民衆の手で磔刑に処せられたローマ統治下のイェルサレム。百卒長クラヴィス(ジョセフ・ファインズ)は、総督ピラト(ピーター・ファース)より厄介な任務を命じられる。今回刑死した宗教扇動者イエス(クリフ・カーティス)なる男が、死亡三日後に甦るとの噂で地元はもちきりになっているのだ。クラヴィスはイエスの遺体が葬られた墓穴に大きな石で栓をさせ、念入りに封印したが、翌日その身体は消え失せていた。部下ルキウス(トム・フェルトン)とともに捜査に出た彼だったが、イエスの弟子を名乗る者たちはこの事実を復活の証とむしろ喜ぶ。そしてクラヴィスは、弟子たちの隠れ家に復活したイエスの姿を見た。〔107分〕[投票]
★3機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY(2016/日)一年戦争の末期。地球連邦軍「ムーア同胞団」はかつての植民地「ムーア」宙域に向かい、味方機を殺戮し続けるジオン公国狙撃部隊の殲滅を目論む。その連邦軍パイロットのひとりであるイオ少尉(中村悠一)は撃破されかけた災いを福となし、敵に大損害を与えて帰還する。生き残ったジオン狙撃兵ダリル曹長(木村良平)に「ジャズを流しながら来る敵があれば俺と思え」と捨て台詞を吐いて…。絶望的な消耗戦のなか、昔からのイオの仲間であったクローディア艦長(行成とあ)は耐えきれず薬物中毒となり、他方ジオンの傷病兵師団に同行するカーラ博士(大原さやか)も運命を呪う中、イオとダリルは宿命を受け入れ、殺し合いに身を投じるのだった。〔80分〕[投票]
★3太陽のめざめ(2015/仏)少年マロニー(ロッド・パラド)は不幸な生い立ちゆえに荒れ狂う性情を露わに育ってきた。自堕落な母親(サラ・フォレスティエ)は彼を女手ひとつで育ててはきたが、息子の登校拒否を注意され判事フローランス(カトリーヌ・ドヌーヴ)の前で逆上したときから、養育についてひどくいい加減だったのだ。それでも母親をかばう少年犯罪者マロニーを、判事は少年院より扱いが温情的な更生施設に送ることとする。教育係ヤン(ブノワ・マジメル)はマロニーの世話を焼くが、好転しない周囲に苛立つマロニーは見知った娘テス(ディアーヌ・ルーセル)との恋に溺れ、ヤンの用意した仕事に出ることを拒むようになる。彼が心を許すのは母と恋人、判事だけだった。〔119分〕[投票]
★2パロアルト・ストーリー(2013/米)パロアルトという街。優等生の美少女エイプリル(エマ・ロバーツ)は、将来の進路に悩みながら所属するサッカーチームで練習を重ねていた。彼女に実子のベビーシッターを任せるコーチ(ジェームズ・フランコ)は心を寄せ、大人の恋愛へと誘いかける。一方同じ学校のテディ(ジャック・キルマー)は、腐れ縁の悪友フレッド(ナット・ウルフ)の薦めるがままにドラッグに没入、そのまま自動車を駆っていたことで事故を起こし、警察の世話になる。テディはエイプリルを好いていたが、アーティスト気質で弱気を隠せず、彼女に言い寄ることにもためらうのだった。ジア・コッポラの処女監督作品。〔100分〕[投票]
★3追憶と、踊りながら(2014/英)ロンドンの老人ホームに隠棲する華僑婦人ジュン(チェン・ペイペイ)は、英語が話せず周りに壁を作っていた。彼女の希望は、闊達明朗に育った息子カイ(アンドリュー・レオン)の存在だけだった。だが、そんな彼女のもとに訪れる白人青年リチャード(ベン・ウィショウ)の存在が苛立ちを高めさせる。リチャードは老人ホームの住人である壮年男性アラン(ピーター・ボウルズ)と、不自由さを案じて通訳の娘ヴァン(ナオミ・クリスティ)すらも伴って現れるのだ。カイの親友を名乗る彼が、ある秘密を隠しながら自分の寂しさを癒すべく動いていたのは判る。だが秘密を抱いたまま、カイは帰らぬ存在となってしまったのだ。ジュンの焦燥は募ってゆく。〔86分〕[投票]
★4小川町セレナーデ(2014/日)オネエのダンサー、エンジェル(安田顕)のサポートをしていた真奈美(須藤理彩)は、ある夜酒の勢いで彼と過ちを犯してしまった。こうして生まれたのが小夜子(濱田ここね)である。母となった真奈美はエンジェルに負担をかけまいと身を引き、スナック「小夜子」を開いて独力で娘を育てる決意をした。時は流れ、小夜子(藤本泉)は恋多き女に成長した。そしてスナックは近所のあぶれ者たちしか寄りつかない寂れた店となり、借金を重ねて崖っぷちに立たされた。ここに至り小夜子は一計を案じ、ホステスの亮子(小林きな子)の協力のもと、店を偽おかまバーに改造する。そして父とは知らぬエンジェルの指導を仰ぎ、おかま修行を始めるのだった。〔119分〕[投票]
★3ショコラの見た世界(2006/日)月光のさす屋根裏部屋のベッドで、テンコ(藤本七海)はショコラ姉(竹内結子)の物語を聴いて眠った。月の光を受けて輝く夜光虫の群れ…。それを大学受験をひかえて予備校に通うテンコ(大塚ちひろ)は時として思い出すのだった。土砂降りの雨の日、テンコは姉が生きていた頃の恋人、ジダン(和田聰宏)に再会する。ショコラは昔暑い日に溶けてなくなったが、その姿はジダンのケータイに刻まれていた。テンコはそれを見せてもらう。若く変わらない姉の姿がそこにはあった…〔48分/カラー/ヴィスタ〕[投票]
★3幸せをつかむ歌(2015/米)ロックバンド「ザ・フラッシュ」を束ねるリッキー(メリル・ストリープ)はかつて音楽への夢のため、家族を棄てた過去を持つ。生活に収入は追いつかず、リードギターのグレッグ(リック・スプリングフィールド)には所帯をもとうと言われ続けていた。そんな彼女に元夫のピート(ケヴィン・クライン)から届いた電話は、娘のジュリー(メイミー・ガマー)が離婚のすえ落ち込んでいることを伝えてきた。だが、彼女を励ますべく戻ったリッキーを迎えたのは、ジュリーの腹蔵なき悪罵だった。それでも憔悴し気分も定まらない娘のため、奔走してやまない彼女の行動にジュリーが心を開き始める頃、ピートの後妻モーリーン(オードラ・マクドナルド)が現われる。〔101分〕[投票]
★5沈まない三つの家(2013/日)川のある街。麻耶(椎名琴音)と花菜(松原菜野花)の姉妹は、父の単身赴任を機に両親の離婚に直面する。どちらについてゆくかを問われ、姉の麻耶は母親と即答するが、妹の花菜は迷い答えない。彼女は翌日、答えを得るための行動に出る…「神田家」◆少女鈴華(中村朝佳)はふとしたわがままから、父親の命が奪われる事故を招いてしまった。その時以来、彼女と母親とのあいだには小さなしこりが生まれてゆく。鈴華は友人と万引きに興じ、そして入院中の叔父を訪ねては自分の太腿を撫でさせてやるのだった…「相模家」◆川で幼い息子を失ったハル(川田希)は、毎日のようにゴーグルをつけ釣り竿を川に垂らす。彼女の涙が乾く日は来るのだろうか…「最上家」。〔69分〕[投票]
★4お兄チャンは戦場に行った!?(2013/日)大学受験に連敗を重ね、引きこもりになったマサオ(内村遥)は、それまでの明るさを失い追い詰められたような面持ちの青年になってしまった。そんな彼が、一念発起して戦場写真を撮るべく外国へ渡ることを決意する。二度と戻らない証に、自らの左耳を切り落として…。その頃、妹のヒヨリ(小宮一葉)はそれまで入っていた劇団を出、主催者の恋人と決別していた。そんなときマサオが彼女のアパートを訪ねてくる。自らの決意を語る兄に驚きを隠せないヒヨリだったが、マサオからお守りにと陰毛を求められたときには嫌悪感を露わにする。それでも、もはや軟弱な気持ちを棄て夢に賭けようとする兄を嫌いきれないヒヨリだった。中野量太の短編作品。〔29分〕[投票]
★4草原の実験(2014/露)見渡すかぎりの大草原。ここの一軒家にハゲ親父(カリーム・パカチャコフ)と美しい娘(エレーナ・アン)の二人は暮らしている。親父は遠方にトラックで向かい仕事を続けており、彼を見送る娘を、幼馴染みの少年(ナリンマン・ベクブラトフ・アレシェフ)が馬で家へと送り返してやるのが毎日の日課だった。ある日、近くを通りかかった一団の人々が、水を求めて家を訪れる。バケツを下げた碧眼の少年(ダニーラ・ラッソマーセン)は水を汲んでくれた娘に惚れ、彼女にモーションをかける。そんな平穏な日々は繰り返されるはずだった。親父が何かに身を蝕まれているのがわかるまでは…。イメージ豊かに構成される無言劇。〔97分〕[投票]
★4ホドロフスキーのDUNE(2013/米)1967年、『ファンドとリス』の欧州ヒットでカルト映画監督の地位を不動のものとしたアレハンドロ・ホドロフスキーに、プロデューサーミシェル・セイドゥーはSF叙事詩『デューン 砂の惑星』の映画化を持ち掛け、ここに一大プロジェクトは動き出した。だが、現在そのタイトルで知られる作品はデヴィッド・リンチ監督の一作のみだ。『デューン』はいかにして作られ、いかにして挫折を見、売り渡されたのか。その経緯に驚いた監督フランク・パヴィッチはホドロフスキーにそれを追うドキュメントの撮影を申し込み、その話は快諾された。その後雨後の筍のように立ち上がったハリウッドSFに大きな影響を与えた、幻のSF巨編の周囲を追う。〔90分〕[投票]
★3走れ、絶望に追いつかれない速さで(2015/日)薫(小林竜樹)が自殺した。関西で就職が決まり移住する矢先のことだった。薫とは無二の親友であり、ともに暮らしてきた漣(太賀)は、やがて彼が描き遺した一枚のデッサンを薫の両親から見せられる。そこに描かれていたのは、薫が昔思いを寄せていた同級生の環奈(寉岡萌希)だった。今まで全てを知り尽くしていたはずの親友の側面を知るために、漣は薫の恋人である理沙子(黒川芽以)を伴って旅立つ。漣たちは薫の身を投げた絶壁に立ち、そして環奈が勤めているクラブにたどり着く。「走れ、絶望に追いつかれない速さで」との薫のことばの意図は何なのか。東京国際映画祭で2年連続入選を果たした、中川龍太郎26歳時の監督作品。〔83分〕[投票]
★4チチを撮りに(2012/日)キャバ嬢のバイトをしている葉月(柳英里紗)と、女子高生の呼春(松原菜野花)の姉妹は、女手一つで支えてくれる母親(渡辺真起子)との三人暮らしだ。ある日母親は、姉妹にひとつの頼み事をする。姉妹が幼かった頃に離婚して以来、没交渉のままだった父親(二階堂智)が病に倒れ瀕死状態であるらしいので、彼を見舞うついでに写真を撮ってきてくれというのだ。しぶしぶ見舞いの品を下げて姉妹が出かけていったのち、母のもとに義弟(滝藤賢一)から父が亡くなったとの追報が届いた。途方に暮れる姉妹ではあったが、やむなく父宅の最寄りの駅に向かうと、幼い男児が彼女らの到着を迎えた。彼は千尋( 小林海人)といい、姉妹の異母弟だった。〔74分〕[投票]
★5琥珀色のキラキラ(2008/日)省三(小市慢太郎)は妻が早世してからずっと、娘の凉子(松原菜野花)を造園業をしながら支えてきたが、寂しさは隠せず喫茶店のママ道子(尾野真千子)に週に二度家事を頼んでいた。道子を嫌ってはいない凉子ではあれ、悩み多き年頃ゆえ彼女を母とは認めていないのが現状だった。ある日学校で検尿が行われ、凉子はうっかりして二日続きで持参を忘れてしまう。省三は娘のため自分の尿の入ったパックを持たせるが、あくる朝凉子は教師から再検査しろと命じられる。友人から糖尿病ではないかと心配された凉子は、かけがえのない父の体を案じ、ある行動に出るのだった。中野量太の初期監督作品。〔31分〕[投票]
★1海の情事に賭けろ(1960/日)海で遊興を極めていた社長令嬢の蘭子(中原早苗)は、海上を漂っていた青年・剛一(赤木圭一郎)を助け、自分のヨットに引き上げる。剛一は見ず知らずの男に銃弾を浴びせられ、乗っていた客船から脱出したというのだ。能天気な蘭子は仲良しグループに彼を加えようとするが、貧しい暮らしを強いられた剛一はそんな生活は真っ平だと早々にそこを立つ。殺されねばならない運命を抱えた、自分にそっくりな男とは誰なのか。剛一は知り合いの新聞記者殿村(近藤宏)に相談を持ち掛けたのち、葬られようとした男・やくざの勇二の後を追う。根城であったキャバレーに向かうと、そこには勇二の情婦・百合子(南田洋子)と、水野組長(高品格)の姿があった。〔83分〕[投票]
★4夏美のホタル(2016/日)写真家への夢をあきらめ親の稼業を継ぐ、という恋人の慎吾(工藤阿須加)に腹を立てた夏美(有村架純)はひとりバイクを駆り、今はない父親(淵上泰史)との思い出の山村へ向かう。バイクとカメラを遺した父とともに、彼女はそこの川沿いで乱舞するホタルを見たのだ。日用品を仕入れに万事屋に立ち寄った夏美は、そこで人懐こい店主の恵三(光石研)にスイカを振る舞われ、よければ泊まってゆけと奨められる。恵三の老母ヤスエ(吉行和子)や地元の子供たちとともに、懐かしいホタルの住処である川沿いに連れてゆかれた夏美は、恵三の好意に甘えることにした。辛辣な口をきく近所の仏師、雲月(小林薫)にも迎えられ、山村での日々がはじまる。〔108分〕[投票]
★2ニュータイプ ただ、愛のために(2008/日)対岸の島にわたるフェリーの搭乗券を売っているユリ(大政絢)は、片目が不自由な少女だ。何くれとなく彼女の世話を焼く、幼馴染みの和博(佐野和真)とは恋人未満の関係を続けている。ある日、クォン(竹財輝之助)という男が切符売り場に立ち、ユリに島に渡りたいと切望する。売り切れを告げるユリの前を力なく立ち去ったクォンだったが、その夜ユリの家に現れ、彼女に刃物を突き付けて負傷した足の手当てを強いた。隙を見て警察に通報しようとしたユリの眼前で、受話器が壊れ飛び散った。どうやらクォンは特殊能力者であることを知り、ユリは優しい態度を見せる。ユリもまた超能力者であり、そのことを隠して日々を過ごしていたからだ。〔90分〕[投票]