★4 | ヨコハマメリー(2005/日) | 「あなた知ってる?横浜メリー」…かつて横浜に、厚い白塗りの化粧と白いドレス姿で街角にたたずむ老娼婦があった。誰が呼んだか、彼女の名は「ハマのメリーさん」。皇后陛下、お化けなどさまざまな異名をとった彼女は、しかし美をことのほか尊ぶ貴婦人でもあった。突然横浜から消えた彼女を追い、以前彼女と会ってことばを交わした数多の人々のインタビューを交えながら、カメラは横浜に生きる彼女の伝説をたどり、その生きた時代を浮き彫りにしてゆく。監督はこれがデビュー作となる31歳の中村高寛。〔92分/カラー/スタンダード〕 [more] | [投票(2)] |
★4 | あらしのよるに(2005/日) | おいら、ケチな若造狼のガブ(中村獅童)でやんス。一匹狼と気取りたくても、ギロ(竹内力)やバリー(山寺宏一)のアニキ方には頭が上がらねェチンピラでやス。そんなおいらが、嵐の夜に一夜の宿を求めた小屋が運の分かれ目でやんシた。ちょっとばかし気が合う「友達」…ってヤツをそこで見つけたんでやんス。そいつは全くウマそうな…山羊のメイ(成宮寛貴)ってヤツなんでやスよォ〜!そ、そりゃ狼のオキテは知ってるでやんスが、友達を食えるわきゃないでやんス。だから、おいら達、一緒に暮らせる場所を見つけに旅に出ようって決めたんでやんス…。〔107分/カラー〕 [more] | [投票(2)] |
★4 | チャーリーとチョコレート工場(2005/米=英) | ウィリー・ウォンカ〈ジョニー・デップ)は、一代で世界的な製菓会社を築き上げたが、他社のスパイが紛れ込み、彼の奇跡的なチョコレート製造技術を横流しされてしまった。怒ったウォンカは全ての社員を解雇したが、なぜかウォンカ社は前にも勝る勢いで発展していた。そんなウォンカが、チョコレート工場を実際に見学できるゴールデン・チケットを世界で5枚のチョコレートに忍ばせた。パニックの中、大食少年オーガスタス、大富豪の娘ベルーカ、記録ホルダー少女バイオレット、知能に絶対の自信を持つ少年マイク、そしてウォンカ工場の近所のボロ家に住む、貧乏な少年チャーリー(フレディ・ハイモア)がそのチャンスを手にしたのだった。〔115分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票(2)] |
★4 | 恋愛適齢期(2003/米) | 私はエリカ(ダイアン・キートン)、50代バツイチの脚本家。ある週末、原稿でも仕上げに寄ってみようと海岸の別荘にやって来てみたら、とんでもないオジサンを発見!実は娘のBFで60代起業家のハリー(ジャック・ニコルソン)だと判ってひと安心なんだけど、この御仁、30代未満の女としか付き合わないことをポリシーにしてるくせに、ちょっとした事で心臓発作起こしちゃうちょっとアブナイひと。でも何だかお互いの関心は非常に高まってきたりなんかして…。その上、カレの入院先の若き先生ジュリアン(キアヌ・リーブス)が私のファンにして崇拝者だったりして、私の第二の春はとんでもない雲行きになっていくのでした…。〔128分/カラー〕 | [投票(2)] |
★4 | イノセンス(2004/日) | テロ犯罪の撲滅のため結成された、政府直属の機関・公安九課。そこに身をおく刑事バトー(大塚明夫)は体内器官の大半を機械化されたサイボーグである。アンドロイドやサイボーグが我が物顔に跋扈するこの都市において、バトーを人間たらしめているのは愛するバセットハウンドと、そしてかつての同僚・恋人であり、ネット世界に精神のみで遍在している草薙素子(田中敦子)への思いのみであった。そんな彼が任務により、客の男たちを惨殺しつづけた愛玩用アンドロイドの事件に首を突っ込んだことから、バトーはこの街に巣食う人形とも人間ともつかぬモノたちの迷宮へと呑み込まれてゆくことになる。〔東宝/99分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票(2)] |
★4 | フリーダ(2002/米=カナダ) | 若きフリーダ・カーロ(サルマ・ハエック)はバス衝突事故で10箇所以上の複雑骨折に見舞われた。青春を奪われた彼女は画業に総てを託し、すでに名声を得ていた画家ディエゴ・リベラ(アルフレッド・モリーナ)のもとを訪れた。彼はフリーダの美貌と才能に惹かれ、やがて結婚するに至る。だが移り気なディエゴの存在はフリーダにとって必ずしも歓迎すべきものではなく、彼女は亡命中のトロツキー(ジェフリー・ラッシュ)に心を許す。間もなくフリーダはディエゴのもとに戻るが、彼は離婚を切り出すのだった。そして彼女をむしばむ病魔は刻一刻と力を増してゆく…。〈123分/カラー〉 | [投票(2)] |
★4 | 生きる(1952/日) | 30年間、市役所の市民課長として月並みに仕事に従事してきた渡辺(志村喬)は、自分が胃癌であることを知らされ、はじめて自分がおくってきた人生の空しさに気づかされる。彼は妻とは死別、息子との関係は冷えており、若い娘(小田切みき)と遊んでみても心は晴れない。そんな折、下町の小母さんたちの陳情に耳を傾け行動を始めたとき、彼の心にある小さな生き甲斐が芽生えはじめる…雪の降る公園のブランコで歌う「ゴンドラの歌」はあまりにも有名な一シーン。1953年度ベルリン国際映画祭にて銀熊賞受賞。〔東宝・143分・モノクロ・スタンダード〕 | [投票(2)] |
★4 | 竜馬暗殺(1974/日) | 慶応三年。官吏殺害で指名手配となった坂本竜馬(原田芳雄)は醤油屋の土蔵に篭る。遊女・幡 (中川梨絵)を抱き惰眠をむさぼる竜馬の前に現われるのは土佐・陸援隊の中岡慎太郎(石橋蓮司)、そして薩摩から送られた刺客・右太(松田優作)。彼らは竜馬を斬るべき存在と認めていながら、何故か斬れず彼の廻りを徘徊するのだった。黒木和雄が竜馬暗殺までの三日間を、グロテスクなユーモアと内ゲバの世代感覚で描き出した異色時代劇。〔ATG/118分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票(2)] |
★4 | ローズ(1979/米) | あたし、ローズ(ベット・ミドラー)。今をときめくロッカーなんだけど、なんか疲れてんのよね。お酒もロックもあたしの心を満たしてはくれない。そう、愛が欲しいのよォ。マネージャーのラッジと喧嘩してスタジオを飛び出した日、理想の男に出会ったわ。兵隊から脱走してきたテキサス男のヒューストン。彼とは思いっきり遊んで楽しんだけど、ちょっとした事件で怒らせて彼はあたしのもとを飛び出してしまったわ。それだけじゃない。あたしが自由気侭にやり過ぎたことに業を煮やしたラッジったら、マネージャーを降りるって言い出したのよ。ねえ、なんであたしの周りの人たちはあたしから逃げてゆくのよォ!?あたしには、歌も愛も大切なものなのにィ!〔134分〕 | [投票(2)] |
★4 | スパイの妻(2020/日) | 太平洋戦争前夜。貿易商の優作(高橋一生)は、満州国にあって軍部が非道な人体実験を被支配民を使い行なっていることを知り衝撃を受ける。コスモポリタンを自任する彼は、社会正義のためこれを白日の下にさらけ出し、糾弾することを試みるが、軍は優作の部下に苛烈な拷問を試みることでその計画をあばき、スパイとして包囲網を狭めるのだった。一方彼には深い絆で結ばれた妻・聡子(蒼井優)があり、夫が国家反逆の大罪を実行しようとしていることに打ちひしがれるが、ほどなく夫の抱く正義にうたれ同志として行動を始める。本作で監督・黒沢清はヴェネツィア映画祭銀獅子賞を獲得したが、本来は単発TVドラマだった作品である。〔115分〕 | [投票(1)] |
★4 | 惡の華(2019/日) | 盆地として人間の情念を閉塞させるある地方都市。ボードレール『惡の華』を愛読する冴えない少年・春日(伊藤健太郎)は、愚昧に毎日を享受するばかりのクラスメイトを見下し、ナルシシズムに浸っていた。そんな彼は高嶺の花である少女・佐伯(秋田汐梨)にひそかな思いを寄せていたが、ある日誰もいない教室で佐伯の運動着が落ちているのを見つけ、思わず持ち帰る行動に出た。翌朝、体操着の盗難は問題となったが、誰も春日を疑いはしなかった。エキセントリックな問題女生徒・仲村(玉城ティナ)を除いては…。春日の犯行を見ていたという彼女は、口外しない条件に変態的なみそぎを強要する。おりしも佐伯が春日の思いを受け入れたその時に…。〔127分〕 | [投票(1)] |
★4 | グッド・ライ 〜いちばん優しい嘘〜(2014/米) | 内戦に晒されるスーダン。ある村の少年たちは銃撃を逃れ、平和の地を求めて荒野をさまよった。結局ケニアの難民キャンプに腰を落ち着けた彼らは、13年後合衆国への移住を認められる。族長となったマメール(アーノルド・オーチェン)をはじめ、ジェレマイア(ゲル・ドゥエイニー)、ポール(エマニュエル・ジャル)の三兄弟はカンサスシティにて職を探すことになるが、ひとりだけ女性のアビタル(キュオス・ウィール)は手続き上ボストンに離れて暮らすことになり、兄弟の悲嘆を誘う。ともあれ、白人の職安スタッフ、キャリー(リーズ・ウィザースプーン)の手引きで職探しに奔走する彼らの前には、故郷と違う生活様式とモラルとが横たわるのだった。〔110分〕 | [投票(1)] |
★4 | バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014/米) | かつてヒーロー映画『バードマン』の主演を務めたリーガン(マイケル・キートン)は、イメチェンを謀ろうとブロードウェイに進出しようとして果たせず、あがき続けていた。学生演劇で賛辞を届けてくれたレイモンド・カーヴァ―の脚本にこだわり、アカデミックな演劇で返り咲こうとする彼だったが、その矢先男優のひとりが事故に遭い、舞台に危機が迫る。そんなとき出演女優のレスリー(ナオミ・ワッツ)が代役に使える俳優を連れてくるが、その男マイク(エドワード・ノートン)は傍若無人なセクハラ男だった。さらにリーガンの娘サム(エマ・ストーン)は麻薬騒ぎでトラブルを呼ぶ。懊悩するリーガンに、内なる声が語りかける。映画に戻れ、と。〔120分〕 | [投票(1)] |
★4 | クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014/日) | ひろし(藤原啓治)はしんのすけ(矢島晶子)を『カンタムロボ』の映画に連れていった日曜日、戯れに合体ロボごっこをしてギックリ腰になってしまった。日曜大工の依頼に応えられず、みさえ(ならはしみき)に家を追い出された彼は公園で似た境遇の親父連中とともに悲哀を噛みしめる。そんなひろしを、見慣れぬエステ前で謎のチャイナドレス女(一木美名子)が迎え、無料で生まれ変わる思いをさせると誘う。思わずついていった後、いざ再び家族の前に現われた時にはひろしの体はロボットに変わり果てていた!亭主の言い分を聞かず警戒するみさえが警察署長(遊佐浩二)に事件解決を懇願した事から、恐るべき陰謀劇が幕を開けるのだった。〔97分〕 | [投票(1)] |
★4 | プレシャス(2009/米) | 1987年、ニューヨーク・ハーレム。学校に期待するものもなく惰性で通学していた少女プレシャス・ジョーンズ(ガボレイ・シディベ)は、一人の子供を身ごもっていることで放校処分にされた。その子供とは、プレシャスを我が子ではなく女と見た義父の陵辱によってもたらされたものであった。そして非情な母親メアリー(モニーク)はそんな娘に女としてジェラシーを燃やし、言い尽くせない罰を持ってプレシャスを責め苛む。そんな彼女は新しくフリースクールで地道に学業に励むことになり、いずれも落ちこぼれだった学友達、そしてそんな彼女らに分け隔てなく接する教師との出会いで、次第に自分に欠けていた生きてゆく希望を見い出してゆく。〔109分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票(1)] |
★4 | つみきのいえ(2008/日) | 水底に全ての家が沈んでしまった街。老爺はわが家の上に煉瓦を積み立て、積み立て数少ない建物たちの中に聳え立つ家を築いている。ある日、最も新しいわが家の真ん中に開いたドアの下に、老爺は愛用のパイプを落としてしまった。老爺は潜水服に身を固め、部屋の真ん中に降りてゆく。その下には、長年連れ添った連れ合いが寝ていた部屋があった。さらに降りてゆけば、娘夫婦と初孫の記念写真を撮った一室があった。老爺の胸に、幸せだった時代の思い出が次々と甦りゆく…。アカデミー短編アニメーション賞ほか各国で評価を受けた加藤久仁生の小品。〔12分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票(1)] |
★4 | クワイエットルームにようこそ(2007/日) | バツイチで、今は恋人の放送作家・鉄雄(宮藤官九郎)と暮らしているフリーライターの明日香(内田有紀)は、ある日奇妙な白い部屋で目覚めた。体は拘束され、身動きがとれない。看護士・江口(りょう)の話によると、明日香はアルコールと睡眠薬の過剰摂取により昏倒し、この精神科医院に運ばれてきたのだという。自殺願望を持っていると誤解された彼女はそれを解こうとするが、退院には担当医と保護者の承認が必要だと突っぱねられる。なんとか閉鎖病棟の中を自由に歩くことを許された明日香は、物怖じせず豪快そうな過食症の中年女・西野(大竹しのぶ)、自分にも他者にも辛辣な拒食症の娘・ミキ(蒼井優)らと接触を持つのだった。〔118分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票(1)] |
★4 | 包帯クラブ(2007/日) | 高校三年生のワラ(石原さとみ)は両親が離婚して久しく、進路のことに悩む暇もなく家事に専念する毎日をおくっていた。ある日包丁で腕に傷をつけてしまい、リストカットと勘違いされた彼女は憤慨し、病院の屋上の手すりに昇って憂さを晴らそうとした。そこに自殺を止めようと入ってきたインチキ関西弁の愉快な少年・ディノ(柳楽優弥)は、ムカムカを抑えきれないワラの前で手すりに包帯を巻き始めた。「手当て」だと言い張るディノの行動に、ワラの心は少しずつ解きほぐされてゆく。数日をおいて、ワラは親友のタンシオ(貫地谷しほり)の失恋話を聞き、公園のブランコに包帯を巻く。やがてその行為は仲間を呼び、ネットで町中に広がってゆく。〔118分/カラー〕 | [投票(1)] |
★4 | 風を見た少年(2000/日) | 冬。この国を内戦の影が覆っていた。フリッツ博士(あおい輝彦)は息子のアモン(安達祐実)に「光遊び」を誰にも見せてはならぬ、と言い残して兵士の凶弾に倒れた。アモンは古代の「風の民」の能力を受け継いでおり、軍の総司令ブラニック(内藤剛志)はいにしえの帝国を復活させるためにそれを利用しようとしたのだ。彼はルチア先生(戸田恵子)とともに飛行船で連れ去られるが、不思議な風に乗る力に目覚め、そこを脱出する。「風の民」のように空を飛んで…。彼は海の民族に救われ、マリア(前田亜季)の家族の世話になって魚を獲る生活をおくる。だが、海の民はブラニックの攻撃を受ける。〔97分/カラー/ヴィスタサイズ〕 [more] | [投票(1)] |
★4 | 太陽(2005/露=伊=仏=スイス) | 昭和20年。裕仁天皇(イッセー尾形)は、その日も憂鬱な日課を防空壕の中で続けていた。彼はつぶやく、「皇后(桃井かおり)たち家族以外は、誰も私を愛してはくれない…」。御前会議では陸軍と海軍が今に至っても不毛な罪のなすり合いを続け、唯一の息抜きである海洋生物の研究中も、戦争の主導者たちへの怒りは再燃する。そして、午睡のなかに訪れる首都空襲の悪夢…。平和は齎されねばならない。自分は憎悪される対象、いや、道化に堕そうとも。かくして降伏の意志は連合国に伝えられ、最高司令官マッカーサー(ロバート・ドーソン)との会見の日は近づく。ソクーロフ監督の20世紀の歴史シリーズ第3作。〔115分/カラー/ヴィスタサイズ〕 | [投票(1)] |