★2 | ストックホルムでワルツを(2013/スウェーデン) | スウェーデンの田舎町で電話交換手を務めるモニカ(エッダ・マグナソン)は、ひとり娘のエヴァ=レナ(ナディア・クリスティアンソン)を抱えながらも、ジャズ歌手として大成する野望を捨てきれずにいた。舞台に立った彼女の歌を聴いた評論家の誘いで夢に見たニューヨークで歌ったモニカだったが、評価は惨憺たるものだった。それでも父(シェル・ベリィクヴィスト)の反対を押し切って巡業の旅に出たモニカの前に現われたのは、母国語でジャズを歌いたい彼女の希望を理解するベーシストのストゥーレ(スベリル・グドナソン)だった。彼は作詞家のベッペ(ヨハネス・ワンセロウ)をモニカに紹介し、彼女のめざすジャズを形作らせる。〔111分〕 | [投票] |
★2 | 銀座の次郎長 天下の一大事(1963/日) | 「銀座を富士山麓へ移転する」との政府方針に戸惑う銀座商店街。小さな親切運動に躍起になるカレー屋「ジロー」主人・長五郎(中村是好)を尻目に、「銀座の次郎長」こと息子の次郎(小林旭)は質屋のケチ親父(坊屋三郎)と生き別れた息子の仲を取り持っていた。そんなある日、長五郎がむかし芸者との間に作った息子と名乗る男・太郎(井上昭文)がジローを訪れる。明らかに胡散臭い「息子」に困惑しながらも、女房の冷たい視線に耐えられない長五郎は、寿司屋主人の金作(桂小金治)と示し合わせて家出。いち早くいい土地を買い占めて失地回復を図ろう、と富士山麓へ旅立った。それがヤクザの陰謀とも知らず…。『東京の暴れん坊』シリーズ第5作。〔90分〕 | [投票] |
★2 | ハイ・ライズ(2015/英) | 近未来。脳外科医ラング(トム・ヒドルストン)は、ロンドン近郊の高層マンションに転居した。建築家ロイヤル(ジェレミー・アイアンズ)によって築かれたこの高塔は、スーパーマーケット、小学校、病院などを内部に完備された、いわば俗世より切り離された機能都市だった。上階に住むシャーロット(シエナ・ミラー)に誘いを受けたラングは、上層部のセレブたちが集うパーティに参加するが、その排他性に晒され参加者に追い出される。そんな彼と接触をもつ下層階居住者のワイルダー(ルーク・エヴァンズ)は、よりよい暮らしを享受する高層階に不満を滾らせる人々の現実を語るのだった。J・G・バラードの描く70年代センスの暗黒未来図。〔119分〕 | [投票] |
★2 | シン・ゴジラ(2016/日) | 異変は東京湾より始まった。大量の水蒸気を伴う熱核源体が都心に向け接近している。調査結果を見た官房副長官・矢口(長谷川博己)はこれを一体の特殊生物と認めるが、大河内首相(大杉漣)をはじめとする閣僚は一笑に付す。しかし、その荒唐無稽な観測は現実であった。周囲の建造物を破壊し、一路東京中核部に侵攻する特殊生物に人々はどよめく。この事態に自衛隊は治安出動を要請するが、対応は遅々として進まない。そんな中、地を這っていた特殊生物は動きを止めると、あたかも進化するかのように屹立、二足歩行体となる。その巨体はあらゆる攻撃を無力化した。米国特使として極秘来日したパタースン(石原さとみ)は、これを「ゴジラ」と呼び脅威を訴える。〔120分〕 | [投票] |
★2 | グランドフィナーレ(2015/伊=仏=スイス=英) | 英国音楽の権威、フレッド(マイケル・ケイン)はアルプスのホテルで休暇を過ごしていた。そこには王室の使者が再三現われ、女王よりの演奏依頼をもってくるが、頑なに彼はその依頼を蹴るのだった。そんな彼の周りにはセレブが偏在していたが、親友の映画監督ミック(ハーヴェイ・カイテル)との悪ふざけが彼の気持ちを落ち着かせていた。平穏な日々のなか、フレッドの愛娘レナ(レイチェル・ワイズ)が、ミックの子である夫に裏切られたと泣く。その理由を聞くフレッドは、自分がいかに子供を振り返らない音楽馬鹿であったかを思い知る。そして彼らの休暇を終わらせたのが、ミックの愛する女優ブレンダ(ジェーン・フォンダ)の来訪であった。〔124分〕 | [投票] |
★2 | 追憶の森(2015/米) | アーサー(マシュー・マコノヒー)はただ意識の命ずるままに、日本の青木ヶ原樹海にやって来た。この自殺の名所を行き先に選んだのは、即ち彼が自殺を望んだからに他ならなかった。深く森に入り込んだアーサーは、そこで弱る体を引きずり出口を求める男、中村工(渡辺謙)に出会う。中村は会社で窓際に配置されたために、安易な逃げ道を選んだことを悔いていた。そんな彼の弱さを見つめて拒否感を抱くアーサーだったが、彼のアーサーをも救ってやりたいと願う心に触れ脱出を手助けしてやろうと決意する。アーサーの語るのは最愛の妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)のことだ。自分の浮気で悲しませてしまった彼女は、実は重い病にむしばまれていた。〔111分〕 | [投票] |
★2 | 裁かれるは善人のみ(2014/露) | モスクワより離れた入江の街に、自動車修理工のコーリャ(アレクセイ・セレブリャコフ)は仕事場を構えている。ともに住んでいるのは一人息子のロマ(セルゲイ・ポホダーエフ)と若い後妻のリリア(エレナ・リャドワ)であり、問題といえば義母に馴染まないロマの意固地さくらいだった。しかし、コーリャの仕事場をヴァディム市長(ロマン・マディアノフ)が収用しようとしていることが目下のコーリャの不満だった。彼は訴訟のため、旧友である弁護士のディーマ(ウラジーミル・ウドヴィチェンコフ)を呼び市長の悪事を暴かせる。これを黙っていることと引き換えにコーリャの土地より手を引け、とディーマは脅すが、それで引き下がる市長ではなかった。〔140分〕 | [投票] |
★2 | 青春蛮歌(1959/日) | 進学率で群を抜く名門、青稜学院に若き教師、花戸(長門裕之)が赴任してきた。隣人のフジ(南田洋子)の秋波に辟易しながらも学院にて毎日を過ごす彼の目にうつるのは、生徒たちの異様なまでの覇気のなさだった。それを憂う体育教師根本(大坂志郎)に男気を評価される花戸だったが、そういう根本自身が学院上層部の思うがままになっている事実に彼は疑念を持つ。明らかになったのは、学院を牛耳る青山理事長(安部徹)の生徒を顧みない利権主義であり、彼の専横によって生徒たちの自由が奪われる実情だった。生徒たちとの交流によってそれを知った花戸は、クラブ活動や修学旅行の実行を上層部に阿久津教諭(浅丘ルリ子)らとともに進言する。〔97分〕 | [投票] |
★2 | ホットロード(2014/日) | 湘南。少女和希(能年玲奈)は父親の影を知らずに育った。彼女の母親(木村佳乃)は愛してもいなかった夫の死後、ほんとうに愛していた男、鈴木(小澤征悦)に完全に心を移していたのだ。そんな親にとって自分は望まれて生まれてきたのではない…和希はそう信じて疑わなかった。ある日彼女は友達の絵里(竹富聖花)に誘われてカッコいい先輩たちに逢いに出かけ、ガソリンスタンドに務める春山(登坂広臣)と対面する。暴走族「ナイツ」の斬り込み隊長でもある彼と和希は最悪の出会いをしたが、やがてお互いに惹かれてゆく。母親にあてつけるように春山との距離を狭める和希だったが、一方で春山は「ナイツ」の頭に選ばれようとしていた。〔119分〕 | [投票] |
★2 | FOUJITA(2015/日=仏) | エコール・ド・パリの旗手として名を売った画家、レオナール・フジタ(オダギリジョー)。彼は毎夜パリのカフェに顔を出しては、並み居る画壇のアーティストや踊り子たちと乱痴気騒ぎに興じていた。画壇に便宜を図ってくれたフェルナンド(マリー・クレメール)を捨て、新人のユキ(アナ・ジラルド)に心を移すフジタは、バカ騒ぎが絵を綺麗にするとうそぶき、フーフー(お調子者)の渾名も甘受するのだった。だが、やがて世界を戦乱の気運が包み、フジタも帰国して戦意高揚絵画の制作に勤しむようになる。皮相的なことばを弄する妻、君代(中谷美紀)に詰られながらも、彼は彼なりの美意識をもって画業に没頭する。そして、東京は空襲に晒される。〔126分〕 | [投票] |
★2 | 青春ア・ゴーゴー(1966/日) | 世はまさにエレキ・ブーム。お定まりのエレキ狂青年・賢一(山内賢)と、正統派歌謡曲志望ながら賢一の妹・悠子(太田雅子)の気を引きたい悟(浜田光夫)は、同じ予備校に通いながらグループ結成を目指していた。彼らのもとには電器屋のひとり息子でドラマーの浩(和田浩治)と、出版社に勤める一郎(木下雅弘)に勇(杉山元)も集まり、ここに「ヤング&フレッシュ」は誕生した。打倒スパイダースの意気もあがる彼らだったが、練習する場にも事欠き出版社の倉庫や古ぼけた教会をめぐる。それでも新入り歌手のユリ子(ジュディ・オング)も含め、彼らの気持ちはテレビのエレキ選手権に向け一つになってゆく。〔93分〕 | [投票] |
★2 | 日本最大の顔役(1970/日) | 戦後日本の市場を牛耳る外国人たちの横暴に、わずかに牙を剥き抵抗を続ける者が日本人の中にいた。そんな奴らが大矢根組を束ねる顔役、黒木(小林旭)たちだ。金山(宍戸錠)率いる外国人組織を狙い、機関銃を構える石垣(井上昭文)と彼を焚きつけるお調子者の雨宮(ジェリー藤尾)は見事外国人たちを追い払うが、MPに目をつけられた黒木組長は逃亡を余儀なくされ、全国行脚の旅に出た。黒木は世話になった組織のもと歌謡ショーを全うしたい歌手、美奈子(梶芽衣子)を助けるなどの活躍を経、全国に心酔者を呼ぶ。そして神戸に舞い戻った彼は貿易会社を創設するが、それを快く思わない北川(安部徹)は支配する組織とともに実力行使に出るのだった。〔88分〕 | [投票] |
★2 | 夜の勲章(1963/日) | 東京に事務所を構える私立探偵の阿久根(小林旭)は、ある日異父姉の伸子(二木裕子)を探してほしいという看護師の瑛子(松本典子)を迎える。瑛子のいうには、伸子には亡くなった父親の遺産が転がり込んでいるとの話だった。その金が目的の犯罪と見た阿久根は、伸子がホステスとして勤めていたクラブの支配人、篠村(内田良平)を訪ねる。自らも薬物を扱っていた篠村が麻薬を使い伸子を籠絡していたか、と詰め寄る阿久根だったが、篠村は首を振るのだった。そして伸子に麻薬を教えた奇術師(小沢昭一)も彼女の動向を知ることはなかった。この捜査の陰にもと刑事の岩井(大坂志郎)を見た阿久根のもとに、伸子は死んでいたとの情報が入る。〔101分〕 | [投票] |
★2 | ゆがんだ月(1959/日) | 神戸。桂木(長門裕之)は人形問屋の跡取り息子ながら、やくざに身を落とし刹那的な日々に溺れていた。ある日彼は、兄貴分の米山(高原駿雄)が他ならぬ同じ組の立石(梅野泰靖)によって殺害されるのを目撃する。口止め料を上から受け取った桂木だったが、その不条理に苛立ちを感じ情婦である奈美子(南田洋子)にはそれを打ち明けた。それだけで事は終わるはずだったが、米山の妹である文枝(芦川いづみ)との出会いから彼女に懊悩を見抜かれた桂木は、真実の経緯を新聞記者の木元(大坂志郎)にぶちまけ、東京に逃亡するのだった。桂木は文枝を追うが、奈美子、そして桂木を狙う刺客も彼に続き東京の土を踏んだ。〔88分〕 | [投票] |
★2 | サンシャイン 歌声が響く街(2013/英) | スコットランド。兵役を終えて帰国したデイヴィー(ジョージ・マッケイ)を迎えた両親、ロブ(ピーター・ミュラン)とジーン(ジェイン・ホロックス)は銀婚式を迎えようとしていた。妹のリズ(フレイア・メイヴァー)もデイヴィーとともに帰った兵士アリー(ケヴィン・ガスリー)との恋情をはぐくみ、一家は祝福のムードに包まれる。その中でリズはデイヴィーに、移民階級の同僚イヴォンヌ(アントニア・トーマス)を紹介、ふたりは忽ちの内に恋に墜ちるのだった。だが幸福のうちにあったロブにひとりの女性から手紙が届き、彼は愕然とする。ロブは24年前に過ちを犯し、今まで知らなかったもうひとつの命をこの世に産み落とさせていたのだ。〔100分〕 | [投票] |
★2 | 縄張はもらった(1968/日) | 一文字組代貸の次郎(小林旭)は、八年の刑期を終え娑婆に出て一文字組の凋落を知る。弟の仇と付け狙う日野(宍戸錠)を退け、病に倒れた組長を見舞った彼は、組長が世話になったという狭間組に礼をすべく出向いた。「殺しの狭間組」の異名をとる彼らだったが、表向きは温かく次郎を迎え、組のために働いてみないかと囁く。次郎のために用意された仕事は、青葉会と遠野一家が火花を散らすある村の土地買収だった。狭間組の目付け役・箱崎(二谷英明)を除けば一匹狼ばかりの部下たちのほかに、日野を子分につけられた次郎はイカサマ師の新庄(藤竜也)を青葉会の賭場に送り込むが、村娘の佐衛子(太田雅子)と知り合いある決意を抱くのだった。〔95分/スコープ〕 | [投票] |
★2 | 世界の果ての通学路(2012/仏) | そして朝はまた訪れる。子供たちはそれぞれに向かうべき学び舎への長い道を辿ってゆく。ケニアのジャクソンは、妹とともに象やキリンの生息するサバンナを横断する。アルゼンチンのカルロスは山羊飼いの仕事を終え、幼い妹をつれ馬に跨って高原を駆ける。モロッコのザヒラはスカーフで髪を覆い、女には不要と言われた教育を受けるため友人たちと山道をゆく。インドのサミュエルは、生まれつき萎えた足をものともせず弟たちに車椅子を押されて川沿いの道を進む。子供たちはおのおの大きな夢を抱え、その望みの実現を賭けて毎日を懸命に生きているのだ。パスカル・プリッソンの手になるドキュメンタリー。〔77分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 夢は夜ひらく(1967/日) | 横浜。図書館員のまり(園まり)は、夢にむけて第一歩を踏み出すべく、友人の陽子(山本陽子)の口ききでクラブ歌手としてステージに立った。その第一日目、控え室に見知らぬ男が潜んでいるのに気付いた彼女は彼に唇を奪われ、思わず平手打ちを見舞った。謝罪した男は岬(高橋英樹)と名乗り、死んだまりの兄・矢沢の遺産を受け取ってくれと申し出るが、ヤクザとなった矢沢を蔑んだまりは受け取ることを拒むのだった。そんな彼女の周囲には、岬が矢沢を殺したといい自首を求める工藤(名古屋章・平田大三郎)兄弟や老刑事(見明凡太朗)が現われ、彼女の疑念をかき立てる。悩んだまりは幼なじみの片桐(渡哲也)に相談を持ち掛ける。〔81分/スコープ〕 | [投票] |
★2 | ずらり俺たちゃ用心棒(1961/日) | 銃の早撃ちでは人後に落ちない風来坊、竜崎(二谷英明)。彼はビリヤード場の跡継ぎ、正一(和田浩治)の店を井関組から救い出したその足で、この街を牛耳る実力者、大須賀(金子信雄)のもとへ出向き、用心棒としての腕を売った。大須賀の愛人であるマダム(南田洋子)にも気に入られ、早々に雇われた竜崎に、組員たちは疑念と嫉妬の目を向けた。翌朝、大須賀の身代わりで刑務所暮らしを強いられていたチンピラ、新吾(川地民夫)が約束の幹部の座を得るべく帰ってきた。彼もまた高飛車な竜崎に怒るが、それ以前に約束を反故にした大須賀に憤慨し、兄貴分の変死に疑念を抱く。彼をかばう竜崎だが、なぜか井関組にも再接触を持とうとするのだった。〔76分〕 | [投票] |
★2 | ジミー、野を駆ける伝説(2014/英=アイルランド=仏) | アイルランドの片田舎のある町に、内戦後アメリカに身を寄せていた社会主義運動家、ジミー・グラルトン(バリー・ウォード)が帰って来た。かつての恋人だったウーナ(シモーヌ・カービー)をはじめとした旧友たちは彼を歓迎し、母親のアリス(アイリーン・ヘンリー)もその帰還に安堵の溜息を洩らすのであった。彼は以前、この町に自由な思索と交流、ありとある行動の本拠地であるホールを建設、人々に大いに歓迎されていたが、閉鎖の憂き目を見た過去をたどっている。それゆえ敢えて彼を排斥する保守派のリーダー、シェリダン神父(ジム・ノートン)にホールの再開を申し出るジミーだったが、彼の影響力を重く見る神父は黙殺を決め込むのだった。〔109分〕 | [投票] |