コメンテータ
ランキング
HELP

ぽんしゅうさんのあらすじ: 更新順

★4辰巳(2023/日)闇犯罪の死体処理をまかされる孤独なヤクザ・辰巳(遠藤雄弥)は、覚せい剤取引のトラブルに巻き込まれ殺された元恋人の京子(龜田七海)の19歳の妹・葵(森田想)を成り行きでかくまうことになる。男勝りの怖いもの知らずで、誰彼なしに反抗する葵は復讐の機会をうかがう。反目し合いながら行動をともにする辰巳と葵に、組織の方針を無視して暴走する武(松本亮)と殺人狂の弟(倉本朋幸)の魔手が迫る。初長編作『ケンとカズ』の日本人離れした骨太演出で注目を集め数々の新人賞を受賞した38歳の小路絋史監督の8年ぶりのクライム・ノワール。(108分) [投票]
★4ゴールド・ボーイ(2023/日)沖縄で手広く事業を展開する東ファミリーの婿養子・昇(岡田将生)は自分の地位を確実にするために偶然を装い一族のトップである妻の両親を殺害する。妻の静(松井玲奈)は、東一族であること理由に捜査から外されていた従兄の刑事・厳(江口洋介)に夫の犯行を示唆するが完全犯罪は成立したかにみえた。ところが中学二年の安室朝陽(羽村仁成)と幼馴染みの浩(前出燿志)、そして浩とは父親違いの同い年の妹・夏月(星乃あんな)が昇の犯行を証明する証拠を握っていた。中国のベストセラー小説「悪童たち」を原作に本国でヒットした配信ドラマ「黄金少年」を翻案した港岳彦脚本、金子修介監督によるクライムサスペンス。(129分)[投票]
★4リンダはチキンがたべたい!(2023/仏)8歳の娘のリンダ(メリネ・ルクレール)を勘違いして叱ってしまったお母さん(クロティルド・エスム)はお詫びになんでも“お願い”を聞いてあげると約束する。リンダは幼いときに死んでしまった父の得意料理で唯一の思いでの「パプリカ・チキン」が食べたいと言い出した。翌日、二人は鶏肉を買いに行くが世の中はストライキの真っ最中で店はすべて閉まっていた。リンダの望みを叶えてあげたい一心でちょっと強引な方法で「鶏肉」を手に入れたため警察や団地の隣人たちを巻き込んで大騒動に!キアラ・マルタ/セバスチャン・ローデンバック夫妻の脚本・監督による亡きお父さんの思い出を描く母と娘のフレンチコメディ・アニメーション。(76分)[投票]
★4毒薬と老嬢(1944/米)演劇批評家のモーティマー(ケイリー・グラント)はエレーン(プリシラ・レーン)との結婚報告のため、彼の育ての親である叔母姉妹アビー(ジョセフィン・ハル)とマーサ(ジーン・アデーア)の屋敷を訪ねて重大な事実を知る。なんと叔母たちは10人以上の孤独な老人を毒殺していたのだ。同じ屋敷に住み自分をルーズベル大統領たど思い込んでいる長兄テディ(ジョン・アレクサンダー)と、指名手配の殺人犯で次兄ジョナサン(レイモンド・マッセイ)とその相方の妖しい外科医(ピーター・ローレ)がそこに加わり屋敷は大混乱に・・・。フランク・キャプラのスラップスティックなブラックコメディ。(117分/白黒)[投票]
★4青春ジャック 止められるか、俺たちを2(2023/日)1980年代初頭。東京の名画座を辞めて帰郷していた木全(東出昌大)のもとに映画監督の若松(井浦新)から連絡が入る。自分の映画を上映するための映画館を名古屋に開設することになったので支配人をして欲しいという。若松の言動に翻弄されつつも「シネマスコーレ」と名付けられたミニシアターの運営が始まり、地元大学の映研の金本(芋生悠)とその先輩(田中俊介)がスタッフに加わった。そんな赤字続きの映画館に若松監督に心酔する高校生の井上(杉田雷麟)が通い詰めていた。若松孝二と現在も代表を務める木全純治のクロニクルに自らの青春期を重ねて描く井上淳一脚本・監督の「夢に心をジャックされた者たち」への賛歌。(119分)[投票]
★4瞼の転校生(2023/日)大衆演劇一座の子役で中学三年生の裕貴(松藤史恩)は公演に合わせて転校を繰り返す。今度の学校も一か月後には変わるので一座のことは隠して友達も作らず過ごして、卒業したら座長の父のもと役者に専念するつもりだ。そんな裕貴が、ひょんなことから不登校を続けながら定期テストの成績はクラス一番の建(齋藤潤)とその元カノのクラスメイト茉耶(葉山さら)と過ごすようになる。一方、見習いとして一座に加わった20歳過ぎの地下アイドルの浅香(村田寛奈)の世話係を裕貴がすることに・・・。思春期の葛藤と成長を優しく描く藤田直哉監督の長編第一作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭20周年と川口市制施行90周年記念映画。(80分) [投票]
★4すべての夜を思いだす(2022/日)東京郊外の広大なニュータウン。ある春の日。失業中の独身中年女性・知珠(兵藤公美)は、友人から届いた転居ハガキを頼りに道に迷いながら旧友の家を探していた。いつものように担当エリアをまわていたガスの検針員の早苗(大場みなみ)は団地内で行方不明になっていた老人(奥野匡)に遭遇する。地元育ちの大学生の夏(見上愛)は、ある届け物をするために一年前に亡くなった男友達の母親のもとを訪ねるのだった。今を生きる世代の異なる3人の女性に流れる時間が、入居開始から50余年を経た多摩ニュータウンに生きた人々の時間と記憶に重ねて描かれる。清原惟監督の長編第二作。(116分) [投票]
★4ヴェルクマイスター・ハーモニー(2000/ハンガリー=伊=独=仏)ハンガリーの小さな町。若いヤーノシュ(ラース・ルドルフ)は郵便配達員をしながら老作曲家エステル(ペーター・フィッツ)の世話をしていた。町のインフラは滞りがちで住人たちの生活は困窮し重苦しい空気が人々を覆っていた。ある夜、町に見世物屋の巨大な"クジラ”が巡回してきた。そして、クジラとともに“プリンス”と呼ばれる謎の男も町にやってきたという噂が流れ漠然とした不安が広がっていく。同じころ、夫をおいて町を出ていたエステル夫人(ハンナ・シグラ)が突然ヤーノシュの前に現れ「ある依頼」をするのだった。全編わずか37カットで綴られる2時間25分の自戒の物語。(モノクロ/145分)[投票]
★3違う惑星の変な恋人(2023/日)美容室で働くマイペースなむっちゃん(莉子)は、先輩美容師のグリコ(筧美和子)に誘われて行ったシンガー・シューコ(みらん)のライブ会場で、グリコから紹介されたレコード会社のベンジー(中島歩)にひとめ惚れ。一方、グリコは別れたばかりの冴えない元カレのモー(綱啓永)から復縁を迫られ呆れ果てていた。そして女性関係にルーズで優柔不断なベンジーも別れ話を抱えていた。そんな男女たちの恋愛感情はいつしか四すくみ状態に! 複雑に絡まり合った関係を整理するために4人(ともう一人)はサッカーW杯の日本対カタール戦の夜、一堂に会するのでした。これが長編第三作となる木村聡志監督・脚本の恋愛群コメディ。(116分)[投票]
★5瞳をとじて(2023/スペイン)すでに映画界を離れていた初老の監督ミゲル(マノロ・ソロ)は、22年前に自作の撮影中に失踪し、いまだに行方が分からない主演俳優フリオ(ホセ・コロナード)をめぐるTVドキュメンタリーへの出演依頼を受けていた。1947年のスペインが舞台の映画は、フリオが演じる探偵が老齢の資産家(ホセ・マリア・ポウ)から中国人を母に持つ娘の捜索を依頼される物語だったが、冒頭と結末部分だけが撮影され未完のまま終わっていた。この番組出演をきっかけにミゲルの止まっていた時が動き始め、当時の仲間や恋人のもとを訪ねるなかフリオの娘アナ(アナ・トレント)と再会するのだった。ビクトル・エリセの長編としては31年ぶりの監督作。(169分)[投票]
★5夜明けのすべて(2023/日)月経前症候群(PMS)のため藤沢美紗(上白石萌音)は抑えきれない突発的な怒りに襲われ周囲とトラブルを起こしてしまうという悩みを抱えていた。職場を転々とし、今は小さな光学機器会社で社長(光石研)や同僚(久保田磨希/足立智充)たちに囲まれた家族的な職場で仕事をしていた。ところが、転職してきた後輩の山添(松村北斗)のやる気のなさそうな仕事ぶりに怒りを爆発させてしまう。しかし山添もまたパニック障害という病を抱えていた。そんな二人は同情や恋愛ではなく「同志」のような感情を抱き始めるのだった。『ケイコ目を澄ませて』でコンビを組んだ撮影監督月永雄太をむかえて16ミリフィルムで撮った三宅唱の監督作。(119分)[投票]
★4サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020/スペイン=米=伊)かつて大学で映画を教えていた熟年ニューヨーカーのモート(ウォレス・ショーン)は映画広報の仕事をする妻スー(ジーナ・ガーション)に付き合い映画祭が開催されるサン・セバスチャンを訪れる。クラシカルな哲学的映画を敬愛する彼は、社会問題を安易にエンタメ化する今の商業主義映画を毛嫌いしているが、スーは取材を口実に注目を集める売れっ子監督フィリップ(ルイ・ガレル)にべったり。妻の浮気を疑うモートは歴代の名作映画を彷彿とさせる奇妙な夢をみるようになり体調もすぐれない。そこで訪れた医院の女医ジョー(エレナ・アナヤ)に夢中になってしまう。自身の老境を重ねたようなウディ・アレンのロマンティックコメディ。(92分)[投票]
★4哀れなるものたち(2023/英)19世紀末のロンドン。自殺を図った若い女性が、狂人的外科医バクスター(ウィレム・デフォー)によって、身籠ていた胎児の脳を移植され肉体は大人だが知能は幼児のベラ(エマ・ストーン)として蘇生した。バクスターはベラを溺愛しつつも、実験の成果物として彼女の成長過程を弟子の医学生(ラミー・ユセフ)に記録させ、やがて性に目覚めたベラと結婚させようとする。そんな"奇妙な一家"の存在を知った好色家の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)はベラをたぶらかし国外へ連れ出してしまう。本能の赴くまま性に溺れるベラだが、リスボンから地中海の航海を経てアレクサンドリア、パリを巡るうちに独自の生き方に目覚めるのだった。(142分) [more][投票]
★4葬送のカーネーション(2022/トルコ=ベルギー)トルコ南東部の荒涼とした大地。年老いた難民の男ムサ(デミル・パルスジャン)は、生前に約束したとおり亡くなった妻を故郷の地に埋葬するため、妻の棺桶を運びながら両親を亡くした孫娘のハメリ(シャム・シェリット・ゼイダン)を連れてヒッチハイクでシリアとの国境を目指していた。トルコ語が苦手なムサは寡黙で、ときに孫娘を通訳として行き交う人々の力を借りながら遅遅としてではあるが目的の地に向かうのだった。トルコのベキル・ビュルビュル監督の長編第二作となる社会情勢を織り交ぜながら「旅と死」を描く寓話的ロードムービー。(103分)[投票]
★5ショーイング・アップ(2022/米)母校の美術学校で事務職をしながらキャリを積んでいる彫刻家のリジー(ミシェル・ウィリアムズ)は大切な個展を控えていた。作品の制作に集中したいのだが周りの雑事が邪魔をする。特に、彼女の家の大家でもあり隣りに住んでいるインスタレーションアーティスのジョー(ホン・チャウ)が気になってしかたない。着々と頭角を現し注目を集めるジョーのマイペースぶりにリジーは焦りを募らせイライラ。そんな日々、リジーはいわくつきの"怪我をした鳩"の世話をジョーから押し付けれるように頼まれてしまう。アーティストたちが行き交うキャンパスを舞台にして作風の新境地をみせるケリー・ライカートの脚本(共同)/監督作。(106分)[投票]
★4ファースト・カウ(2019/米)19世紀前半の西部開拓時代。未開の地オレゴンには一攫千金を狙った者たちが競い合うようにうごめいていた。心優しい調理人のクッキー(ジョン・マガロ)は荒くれ男たちの狩猟団の食事係をしていた。ある夜、ロシア人グループに追われていた中国人移民キング・ルー(オライオン・リー)を匿ってやり二人は心を通わせる。やがて野心に満ちたルーは、クッキーの料理の腕を見込んで不正に手に入れた牛乳でドーナツを作り売り始め、これが大人気に。その評判を聞きつけ入植地で手広く商売をするイギリス系の仲買人(トビー・ジョーンズ)がやってくる。夢を求めて新天地を目指す若者の友情を描くケリー・ライカートの西部劇。(スタンダード/122分)[投票]
★2野生のなまはげ(2016/日)秋田の山中で絶滅したと思われていた〈野生のなまはげ〉が捕獲された。さっそく、なまはげ専門家の東北南東大の山田教授(今谷フトシ)のもとに送られることに。ところが輸送の途中で〈なまはげ〉が逃げ出してしまった。・・・東京近郊のある町。小学校6年生の守(中島蓮)は、両親が離婚し無気力になっていた。その日も学校をサボった守は、街中の公園でなんと〈なまはげ〉に遭遇。逃げる守を追って家まで着いてきて、守の部屋にいついてしまった。さあ困った。母(長宗我部陽子))は大の動物嫌いなのた。同じころ、悪徳ペットショップの佐藤兄弟(金子宏貴/網川凛)が一攫千金を狙って〈なまはげ〉捕獲に暗躍し始めるのだった。(86分)[投票]
★4ハッピー・オールド・イヤー(2019/タイ)北欧留学で必要最低限の物しか持たないミニマル生活に感化されたデザイナーのジーン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)はバンコクの実家のビルを改装して事務所にしようと思い立つ。父が家族を捨てて出て行ったあと、母と兄が暮らすその家はジーンにとって不要な物で溢れかえっていた。いざ処分を始めると母は大反発。ただの「物」に染みついた人の思いはさまざまな波紋を広げてしまう。そんななか思案の末、3年前に気まずい別れ方をした恋人のエム(サニー・スワンメーターノン)宛に送り返した「想い出の品」が、受け取り拒否で戻ってきてしまう。捨て去るモノと残ったモノ。ジーンが次ぎへ進むために捨てたものの代償とは。(113分)[投票]
★3ヤジと民主主義 劇場拡大版(2023/日)安倍首相の遊説中に起きた「ヤジ排除問題」の顛末を4年間に渡り取材した北海道放送の番組の劇場用ドキュメンタリー。2019年、札幌で演説中の安倍首相を囲む聴衆から政権を批判するヤジが飛んだ。声を上げたソーシャルワーカーの男性と女子大生は、すかさず北海道警警備課の制服、私服警官たちに取り囲まれ「周りの人に迷惑だ」という理由でメディアや衆人の目の前で実力行使を持ってその場から引きずられるように排除された。その後二人は道警を相手に「排除の不当性」を訴えて裁判を起こす。その経緯を警察関係者やその場に居合わせた人々に取材を重ねながら「声を上げること」の重要性と「根拠なき取り締り」の恐ろしさを問いかける。(100分)[投票]
★3NO選挙,NO LIFE(2023/日)国政から地方選、海外まで選挙戦の取材歴25年。有力候補から泡沫候補まで立候補者全員のコメントを取ることを自らに課すフリーライター畠山理仁(はたけやまみちよし)の肩越しに見える「選挙」とは・・・。かつて開高健ノンフィクション賞を受賞した畠山だが、その"偏執的”な取材スタイルから原稿を書く時間もままならず採算度外視の状況が続く。そんな畠山の2022年の参院選東京選挙区と沖縄県知事選の取材に密着する前田亜紀監督のヒューマンドキュメンタリー。自らハンドルを握り分刻みで候補者を追い続ける畠山は50歳の誕生日を前に“この生き方もそろそろ潮時です”と引退を口にする。(109分)[投票]