[POV: a Point of View]
船越英二〜存在のこたえられない軽さ
軽さと速さ! 早すぎたポストモダン俳優、船越英二。かの有名な市川崑の代表作では「女女女女女→男←女女女女女」という、歓喜(!)の極限状況をその軽妙なキャラで飄々と演じきった。まさに風! 唯一、彼の軽さに匹敵する俳優はマストロヤンニくらいだろう。評価は、A:こたえられない軽さ B:ちょっと重いけどイイ!! C:ミスキャストだね、ショボーン。
A | 黒い十人の女(1961/日) | 「映画はストーリではない映像だ」という市川崑監督の雄たけびが聞こえてきそうです。しかし船越英二は一世一代のハマリ役だなぁ。白黒画面からぼんやりと浮かび上がる山本富士子の美しさにも絶句。 | 投票(5) | |
A | 私は二歳(1962/日) | ストーリー的には何の変哲も無い市民生活を撮ったに過ぎないのに、これが面白いのでびっくり! この頃の市川崑ってやっぱり凄い。 [review] | 投票(4) | |
A | 卍(1964/日) | 良くも悪くも文芸作であり、増村保造×若尾文子が「共犯」して作った映画としては平凡な部類に入る。「肉体」がテーマの映画なのに、若尾からは何故か「精神性」のみを感じてしまう。しかし、この映画の岸田今日子はピカ一だね。 | 投票(4) | |
A | 好色一代男(1961/日) | 増村保造の映画としては、テンポの良い「初期」と重厚な「中期」の過渡期にあるせいか、中途半端な「文芸作品」を観ているような気にさせられる。 [review] | 投票(2) | |
A | あなたと私の合い言葉 さようなら、今日は(1959/日) | 若尾文子から『浮草』の演技にあったような「可愛らしさ」と「色気」を消す方法はないものか?ある日、崑は発見した。それは「眼鏡」だ、と。実際、この映画は小津映画のパロディだ。さようなら、そして今日は小津安二郎。 | 投票(2) | |
A | 雪之丞変化(1963/日) | 時代劇なのに、BGMがジャズ! モダンなセンスで時代劇を料理してしまった市川崑の才能に脱帽。長谷川一夫が良いのは勿論のこと、コメディエンヌに徹した山本富士子も光っている。また、肩をはだけた若尾文子が最高に色っぽいです、必見! | 投票 | |
B | ぼんち(1960/日) | ピンクの日本傘が世界一似合う女。その名は若尾文子。この映画の真のクライマックスは、若尾演じる芸者の「ぽん太」がぼんちの家に挨拶するシーンだ、と考えるのは私だけでしょうか? | 投票(11) | |
B | からっ風野郎(1960/日) | 演出でカバーされてはいるが、三島由紀夫、役者としては3流だな。彼の自殺の原因はこの作品に出たことを後悔したからじゃないか(笑)。しかし、映画は増村保造のストーリーテーラーぶりがいかんなく発揮された秀作だと思う。 | 投票 | |
B | 盲獣(1969/日) | 世に江戸川乱歩を映画化した作品は多々あれど、成功したといえるのはこの作品くらいじゃないか。緑魔子と船越英二の演技もさることながら、この映画が成功した理由は増村のフェティシズムが濃厚なあのセットにある。 | 投票(3) | |
B | 日本橋(1956/日) | 市川崑が、溝口健二になろうとして果たせなかった失敗作。「芸術祭参加作品」だったから、変に気負ったのかね?警察官役の船越英二を除いて、登場人物のキャラがどれも平板。中でも、若尾文子の輝きを活かせ切れなかった罪は重い。 | 投票(4) | |
C | 氷点(1966/日) | 登場人物のアップの多用が非常に効果的。単なるメロドラマになりがちな原作に一種の重厚さをもたらしているのは山本薩夫監督の演出のなせる業だろう。しかし、安田道代は演技の面で、若尾文子に完全に喰われている。 | 投票(2) | |
C | 傷だらけの山河(1964/日) | 主人公がステレオタイプの悪玉になっている上に、ストーリー展開が単調。配役の面でも山村聰はハマリ役かもしれないが、船越英二は明らかにミスキャストでしょう。しかし、ネグリジェの似合う若尾文子に免じて2点。 | 投票(1) |
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