[POV: a Point of View]
年代別ベストの不思議50年代〜70年代の区切りは明確に感じても80年代〜2000年代の区切りはボーダレスなんだよ
A:1900年〜1940年代 B:1950年代 C:1960年代 D:1970年代 E:1980年代 F:1990年代 G:2000年代
| G | ノーカントリー(2007/米) | 全てが腑に落ちたお爺ちゃんの時代は去りベトナム世代も時代から置かれていく。独自の論理と倫理が跋扈する時代に老兵は夢の残骸を語るしかない。コーエンピークの緊迫のミニマリズムにオープンな西部風味を加味した前半は真に圧倒的だ。 | 投票(8) | |
| G | ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/米) | 巻頭からの唯ならぬ気合い。調和的な家庭は介入する暴力と如何様に均衡を見出すか。その答は永遠に見出すことはできないという詠嘆。『わらの犬』を想起したし、ペキンパーイズムが随所に溢れる突発的殺戮シーンに痺れる。 | 投票(3) | |
| G | マルホランド・ドライブ(2001/米=仏) | 本卦還りとでも言うべき意匠満載のリンチワールドは、しかし予想外に時間と彼岸の境界を明晰に構築する。そして何よりカオスの果てに情念とでも言うべきベタな愛の世界に突入したのが作家としての後退ではなく成熟と感じた。総決算であり到達点だろう。 | 投票(5) | |
| G | リアリズムの宿(2003/日) | 男と男と女の微妙な距離感が『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で間はカウリスマキ。シネアスト好みの骨格だが高踏的実践ではなく地に足着いた面映ゆく青臭いリアリズムで補完する。見た目以上に戦略的であり成功している。 | 投票(5) | |
| G | ロスト・イン・トランスレーション(2003/米=日) | この日本観に辟易したとしてもグローバルスタンダードな視点からは、こう見えるということを真摯に受け止めるべきで、なのに、さらりと日本専売とも思われるヴィヴィッドな男と女の機微を全うしてしまう。器の違いを感じた。 | 投票(7) | |
| G | アレックス(2002/仏) | 地獄絵図から遡行する閉じた時間軸がいつぞや折り返し、恒久の平安に至って開放される手法にアイデアではなく必然を感じた。圧倒的な筆力で語られる「劇」なる愛と怒りは表裏の関係であることを自問自答させられ続ける怒涛の2時間。 | 投票(12) | |
| G | イン・ザ・カット(2003/豪=米=英) | 孤独な魂が場末の男達のスペルマの臭いの中で彷徨い続けた『タクシー・ドライバー』から30年後、言葉とリアリズムの狭間でのたうつ女の孤独は血と汗とヴァギナの匂いの中で反転し愛に到達する。真フェミニズム映画。それがメグだからこそ価値がある。 | 投票(2) | |
| G | 花様年華(2000/仏=香港) | 空調の無い時代の湿度と空気の濃度。その中で視線で囁き合うかのような感情交錯が醸し出す刹那。それでもチャンの素肌は涼やかだしレオンはあくまで端正だ。技巧の極致をいく長焦点レンズ使いが2人の関係を世界から隔絶し瞬間は永遠へと延伸される。 | 投票(2) | |
| G | 今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006/米) | ギャリソン・キーラーの業界人としての身ごなし・佇まいが素晴らしく、彼を軸にした芸達者のアンサンブルは最早神業レベル。何より思いやりと暖かみが全篇を被う。緩やかなズームとパンを併用したカメラにさえ愛が宿ったかのよう。編集のキレにも唸った。 | 投票(8) | |
| G | ジョゼと虎と魚たち(2003/日) | ただ押されて過ぎ行く日々の中に稀に現れる煌く瞬間。過剰な時代に恋もSEXも檻の中の虎もラブホの魚の幻灯絵も漬物も味噌汁も焼鮭も看過すれば何でもない。しかし、それが如何に素晴らしいものであったかをジョゼは我々に喚起させる。映像の艶は特筆。 | 投票(19) |
| このPOVを気に入った人達 (4 人) | イライザー7 ぱーこ 巴 tkcrows |
