小山龍介さんのコメント: 点数順
ヤンヤン 夏の想い出(2000/台湾=日) | エドワードヤンのつつましさ [review] | [投票(16)] | |
モンスターズ・インク(2001/米) | モンスターズ・インクの保守本流さ加減からすれば、なぜアカデミー長編アニメ賞が『シュレック』なぞに与えられたのか不思議でならない。アメリカで遅れてリバイバルされた『E.T.』との比較は、モンスターズ・インクの優秀さを証明するものになるだろう。 [review] | [投票(10)] | |
トカレフ(1994/日) | 偶然について、この「トカレフ」は、まったく説明をしない。偶然を偶然のままさしだす。それを捉える抑制されたカメラの力強さ。この「偶然」の「宿命」への転化は、阪本監督がこの「抑制」を貫くことで生まれた。 | [投票(8)] | |
グロリア(1980/米) | 映画の運動性が、スローモーションになった瞬間に、こらえきれずにフィルムからあふれでてくる。運動が作意を超える瞬間。それはもう、カサヴェテスのひとつの到達点デス。 | [投票(6)] | |
三月のライオン(1991/日) | ファンタジーは現実との合わせ鏡。破壊、破滅のモチーフを重ね合わせながら描いたファンタジーは、こうも人の心を打つのか。 | [投票(5)] | |
アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー) | すべて過剰なものが、すべて必然的なものだと理解できる。この過剰でもってすら表現できないある種の「過剰性」を、民族紛争に見る。 | [投票(5)] | |
桜桃の味(1997/イラン) | 自分勝手な「死」に対する強烈な平手うち? 眠ったふりするくらいなら生きろ!と、キアロスタミは何に対して言っているのか? 眠った振りする映画の、目を覚まさせる快作。 | [投票(3)] | |
クレーヴの奥方(1999/仏=スペイン=ポルトガル) | 視線と動作、迷いのないカメラワーク。無駄がない、やりすぎがない、という点では老練ではあるのだろうけど、この実験精神は!不安定な構図のアップもオリヴェイラにかかるとそれも必然。 | [投票(2)] | |
傷だらけの天使(1997/日) | 阪本が「大阪」のモチーフを放棄したときにすばらしい映画ができあがるのはなぜなんだろう。「トカレフ」しかり。暖かく描いてはいるが、この映画は「帰る先のない不安」が執拗に繰り返される。「大阪」がもたらす「帰る先」としての安心の有無が、良くも悪くも阪本映画の重要な要素になっているのではないか。 | [投票(2)] | |
チャーリーとチョコレート工場(2005/米=英) | ティム・バートン監督の新作「チャーリーとチョコレート工場」は、すばらしいファンタジーで、僕の隣にもそうしたファンタジーが広がっていると気づかせるに十分なしろものだった。 [review] | [投票(1)] | |
アメリ(2001/仏) | やたー!痛快というほかなかった。 現実の中に非現実が入り込んでくるあたりのジュネらしい手触りがまた味わえるなんて!CGIバリバリ使うハリウッド映画と対照的な抑制の効いたCGI表現。テクノロジーに振り回されちゃだめなのよ。 | [投票(1)] | |
阿賀に生きる(1992/日) | 表向き、笑いあり涙ありの人情映画が見せる、冷徹な瞬間。 [review] | [投票(1)] | |
動くな、死ね、甦れ!(1989/露) | 鮮烈なカットの連続。なぜそうなのかが分からないまま引き込まれる。 | [投票(1)] | |
女地獄 森は濡れた(1973/日) | とにかくおどろいた。オープニングの森の表情。そこにこの映画のすべてが語られる。 | [投票(1)] | |
シン・シティ(2005/米) | 映画「Sin City」を見てきたのだけど、すばらしかった。母親はいない。女性はすべて娼婦か天使で、男は正義を貫く。母親はいない。「チャーリーとチョコレート工場」のチャーリーにも、母親は登場しない。テイストはまったく異なる映画だけど、母親がいない「理由」だけが共通している。(と言ってみるテスト。) | [投票] | |
KT(2002/日=韓国) | いよいよ阪本順治の第二ラウンドが幕を開けた。群像劇として描かれるストーリーのなかで、登場人物たちはそれぞれに生きる。阪本の作家主義的作品『トカレフ』の主人公が、あたかも阪本順治の分身として映画の中を生きていたのとは、まったく違う感触。傑作。 | [投票] | |
回路(2001/日) | 『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の主人公が音楽テープを捨てるシーンの意味が今わかる? 何もかも消えてしまった、終わってしまった後の虚無感をいろどる、質量ゼロの綿帽子。 | [投票] | |
愛のコリーダ(1976/日=仏) | 戦闘的なクローズアップ。映画表現の枠をはずれるこの表現が力を持つのは、まだそのタブーが生きているから。 | [投票] | |
降霊(1999/日) | 普段怖くないものが怖く見える。雑音のない無音の瞬間にこそ、何かが宿る。 | [投票] | |
ビューティフル・マインド(2001/米) | 映画はフィクションである、という当然のことをちゃんと理解したうえで作り上げられた虚構と現実の反転劇。 [review] | [投票(24)] |