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OKさんのコメント: 投票数順

★3刑事ジョン・ブック 目撃者(1985/米)硬派の刑事スリラーと見せかけて、まるでそれを忘れたかのように「アーミッシュ生活入門編」を丹念に積み重ねる奇妙な作品。これはどうやって着地させるつもりなんだろうかと手に汗を握った。[投票(7)]
★2アザーズ(2001/米=仏=スペイン)ニコール・キッドマンの古風な美貌を活かした舞台設定。ただし作者が観客に対して恣意的に情報を隠しているだけの構造で、物語的な現象が何も起きていないのは映画として弱い。[投票(5)]
★1マグノリア(1999/米)感情過多で冗漫な演出にうんざり。前振りの「偶然の交錯」なんてひとつも起きてないし。観とおすのは苦痛だった。[投票(5)]
★4バーバー(2001/米)コーエン兄弟によるフィルム・ノワール講座。あまりにも模範的なので面白味は少ない気もするけれど、アメリカン・ドリームの敗残者と、ありふれた日常生活を踏み外したことから転がり落ちる深淵を、端正に描いた手並みには感心。 [review][投票(4)]
★2ビューティフル・マインド(2001/米)どこかで見たような「感動もの」の接ぎ合わせ。わかりやすくまとめたのかもしれないが、脚色の意図も統一されていないように思えた。 [review][投票(4)]
★2あの頃ペニー・レインと(2000/米)どうにも手ぬるい善良な思春期回顧もの。少年記者が雑誌記事を書く話なのに、どんな記事を書きたいのかが道中に全然語られない。[投票(4)]
★2メメント(2000/米)趣向を把握できてしまえばあとは単調で驚きに乏しい展開。過去を巻き戻すだけでは映画にサスペンスは生まれない。 [review][投票(3)]
★4ブラザー・フロム・アナザー・プラネット(1984/米)WASP中心でない多民族のアメリカ社会、そして人種や偏見を超えた対話と交流を描くこと。ジョン・セイルズの持ち味がさりげなく発揮された秀作。喋らない主人公の無感情な視点が、NYのスラム街の日常をカメラ的に観察する構造と重なる。[投票(3)]
★5ブルーベルベット(1986/米)これはデヴィッド・リンチ流のフィルム・ノワール論なのだと思う。白々しいほどまばゆい「郊外」と「学園」の平和な日常のすぐ隣に、「犯罪」「ギャング」「淫蕩な女」の禍々しく謎めいた闇の世界が口を開けている。[投票(3)]
★5アンブレイカブル(2000/米)きわめてひねくれたヒーローもの。荒唐無稽で漫画的な話をいかに日常リアリズムの文法を踏み外さないで撮るか、という作劇の綱渡りが刺激的。かっとんだ動機にびびりつつ歪んだ笑いが浮かぶ。[投票(3)]
★5アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー)壮絶な法螺話。現代史の時空をねじまげ、並みの映画なら五本ぶんくらいの濃密な「物語」を詰め込んだ力業に圧倒される。終幕の場面を思い出すだけで鳥肌もの。[投票(3)]
★2マトリックス(1999/米)おたく的世界観をこれだけ堂々と披露したのはある種の歴史的業績かもしれんけど、小学生なみの筋書きは勘弁。[投票(3)]
★3サリヴァンの旅(1942/米)喜劇作家の遍歴と ヴェロニカ・レイクの登場が有機的に連携していないので、統一感に欠ける。「富裕な創作者/貧しい労働者」の格差を疑わない結末のつけかたにも、さすがに古くささを感じた。[投票(2)]
★2息子の部屋(2001/仏=伊)退屈なリアリズム。これは映画なんだから、何か日常を超えた瞬間を見せてほしい。俳優がいくら繊細に「抑制された悲痛」を演じても、どうせほんとはこの人たちが息子を亡くしたわけじゃないんだし、と白けるばかりだった、[投票(2)]
★3アメリカン・サイコ(2000/米)良心的な映画化だけどどう考えても「10年遅い」のは否めない。WTC倒壊の後では、この程度のアメリカ風刺なんてお気楽なものに見える。ジョン・ケイルの音楽は虚無感があって良い。[投票(2)]
★4スローターハウス5(1972/米)主人公の錯綜した時間感覚を観客も共有できる。これは映画ならではの体験だと思う。全篇に漂う孤独と哀切、不意に挿入される張り詰めた美しい場面。個人的には原作よりも好きな映画化作品。[投票(2)]
★4靴をなくした天使(1992/米)フランク・キャプラの『群衆』を現代に語りなおす試み。マスメディアによって作られる「ヒ−ロー」の裏表をふたりに分担させているのが巧い。「シンデレラ」で「王子と乞食」な展開は、現代の御伽噺を語るための布石か。[投票(2)]
★4アラバマ物語(1962/米)幼少期の神秘と理想的な父親像を神話的に回顧する端正なモノクロ映像が良い。難をいえば、時代背景のせいか黒人差別をめぐる裁判に力が入りすぎてバランスを崩しているかな。[投票(2)]
★4群衆(1941/米)マスメディアによって捏造される"John Doe"現象は、「偽キリスト」をめぐる寓話でも、当時の欧州のファシズムの風刺でも、そして他人の書いた話を俳優が演じる「映画」の内幕のようでもある。結構シニカルなキャプラ映画。[投票(2)]
★3ファーゴ(1996/米)コーエン兄弟の映画の中で、どうもこれだけはぴんとこない作品。サスペンスのひねりはまるで感じられないし、愚かな犯罪者を「他人事」と突き放して安心するような構図も好みじゃない。[投票(2)]