[コメント] キューティーハニー(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この手の映画ではよく「原作との相違」が評価の分かれ目になることがあるんですけど、僕は今作の場合、むしろ「大きくズレていないが故に、逆に愛の無さがハッキリ表れた」んではないかと感じていました。結局「ハニーという主題を壊さないように無難に作ったアイドル映画」にしか見えなかったんです。
何かね、「はいはい、ここで派手な戦闘。次はちょっと泣きのシーンで、ほいお色気。でもう一回戦闘。ほいほい」みたいなお手軽感を感じるんですよ。「これくらいやっときゃいいだろ」「ポップなアニメっぽさで満足しとけ」的なね。で結局全部が全部上っ面だから、「怒りに我を忘れるハニー」とか「一人で街を寂しく彷徨うハニー」とかが唐突なだけで全然心に響いてこない。そのためその後の戦闘シーンでもイマイチ気持ちが乗ってこない。上っ面から延々と続く空回り。
話が空っぽのクセに形式だけはこだわりのアニメ調だから、出演陣の演技もどこかチグハグです。あれは「照れ」というよりは「迷い」なのかな。どうしていいかわかんないみたいに見える。出てる人がそれじゃあ観てる側もどうしていいのかわかりません。「きゃん!」だの「きゅん!」だの「てへ」だのだけじゃ2時間は持たないよ。
でもその中において及川光博だけは一人で世界を作り上げていました。自らが何をすべきかをしっかり知っていたって感じ。そもそも「刹那のエクスタシー」みたいなことって、この人普段から言ってるからね。ミッチーが映画に合わせたわけじゃなくて、映画がミッチー側に寄ってきたってことなのかも知れません。まぁいずれにせよ何の照れも迷いもないブラッククローは観てて気持ち良かった。
というわけで全体通しては「濁したお茶を90分間眺めていた」映画だったのですが、「ミッチーの熱演」と「サトエリの下着疾走姿」、そして「巨大化した京本政樹という絵ヅラ」は良かったので2点にしておきます。
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