[コメント] 酔拳2(1994/香港)
オレとジャッキー
『酔拳2』は、古き良き功夫映画の条件を完璧に満たしている。ジャッキーが勘当される場面でジャッキーと一緒に泣けるのは、酔拳を使うジャッキーをオレたち自身が応援していたからこそだ。「憎き父」を歌うジャッキーの寂しさ、裸でぶら下げられた屈辱。物語は終始ジャッキーの感情を描き続ける。この徹底が、昨今のアクション映画が失った「感情移入」という魔法を生むんです。功夫映画の秀作は例外なくこの魔法を持っている。
中盤、ラウ・カーリョンとともに大勢の敵と闘うジャッキー。割れた竹筒を縛ったあの即席の武器、ああいうアイデアに体が震えるほど感動する。ジャッキー以外にいったい誰が、あんな驚きと興奮に満ちた闘いを描けるだろうか?
そして感慨深かったのは、ジャッキーが燃える石炭の上に落ちるシーンだ。『酔拳』のあの頃、ジャッキーはそこまでしなかったのに。思えば功夫映画を卒業してからのジャッキーは、オレたちを楽しませてくれるために自分の命を張り、非常に危険なスタントに挑み続けてきた。ジャッキーの体はもうボロボロだ。十数年もの間、彼はオレたちのために傷ついてきたんだ。あのシーンを見てその歴史を想い、涙が出そうになった。ジャッキーは、どんな映画スターにもできない事をやり続けてきた。10本や20本の駄作を作ったからって、それがなんだというのだ? オレは一生ジャッキーを愛する。ジャッキーの敵はオレの敵だ。いつでもかかってこい!
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