[コメント] プレデター(1987/米)
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この映画は二部構成で、密林の中での困難なミッションを成し遂げる“息詰まる”アクションを描く(ああいうマッチョな男達が画面狭しと暴れまくる光景を見るだけで、文字通り“息詰まる”気分がするもんだ)第一部と、作戦が成功し、ほっとする間もなく今度は謎の敵から攻撃を受けると言う第二部。
勿論第二部の方がこの映画の中心となるのだが、意外に第一部の作りに手を抜いていないのが面白い。この辺、さすがジョン・マクティアナンと言うべきか。普通のアクション映画と思わせておいて、いきなりモンスターを出すのは上手い作りだ。尤も既に観る側はモンスターが出るのがあらかじめ分かっているわけだから、意外性は全然ないのが困ったものだが。
圧倒的なパワーを持つ見えない敵に対し、たった一人残ったシュワルツェネッガーの戦う姿に、「どうやったらあんな作戦を思いつくのだろう」、あるいは「おまえらどっちが化け物やねん」。などと突っ込みを入れてはいけない。ただこの作品はひたすらシュワルツェネッガーの戦いぶりと、その圧倒的な強さを純粋に楽しめれば良い。
ここでのシュワルツェネッガーの強さは本当に圧倒的で、ラスト付近はまさに、ばけもん同士のどつきあい。逆にプレデターが弱っちくさえ見えてしまう程。
シュワルツェネッガーが最も輝いていた時代の、大量消費文化の落とし子とも言える作品だろう。現代の作品は主人公を弱くすることで心理描写などにむしろ重点が置かれるし、異星人の側の心情に立ったりするので、(誉め言葉として)こういう無茶苦茶な作りの映画は作られにくくなってきた。古き良き時代を代表する作品だ。
モンスターのデザインは当初かなり難航したらしいが、出来上がったプレデターの姿には悪評紛々。曰く強そうに見えないとか、人間的すぎるとか、悪趣味なデザインとか、無茶苦茶言われていた。尤も今から見ると、結構愛嬌のある姿だったようにも思えるし、科学と獣性を兼ね揃えた意外に凝った造形じゃなかったかな?
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