[コメント] どですかでん(1970/日)
鼻につくほど人工的に濃縮された人生。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「市井の人々の力強さ」や「どん底から這い上がろうとする前向きな欲望」。そんなものが描かれているのかと思って観てみたらとんでもない。誰も強くない。誰も努力しない。
自分がいる世界で、降り掛かる悲喜劇をそのままくらい、そのまま受け流しています。いや、垂れ流してます。でも普通の人々ってこういう部分を少なからず持ってはいるんですよね。人間の「情けない部分」だけを見つめて、そこだけを肥大化させてるような感覚を受けました。描写が優しいから、余計に情けなさが際立つ。でも、だからこそ共感するし、だからこそイライラする。「キミぃ、プールができたよ!」なんて凄まじい絶望ですよね。「まだ言うか!」って感じ。
僕が伴淳三郎と三波伸介につい見入っちゃうのは、そんな中で一瞬の強さを見せてくれるからなのかも知れません。「救い」でもあるけど、「逃げ」な気もします。
六ちゃん電車の車窓から見えるさまざまな景色。でも景色だと思ってたのは、すごく作為的に描かれた絵画だったんだと思います。僕はそのタッチは好きです。
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