[コメント] 時をかける少女(2006/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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マコトだけじゃなく、眼鏡っ娘の下級生からチラと見切れるだけの図書館ちゃん(←いま命名した)まで見事にみなさんミニスカート。うむ、その心意気や良し。5点進呈。
細田守監督も奥寺佐渡子脚本も初めてなんですが、いやはや日本映画界の底力。存分に堪能しました。前半、マコトがしょーもないことに使ったタイムリープの悪影響が出始めて徐々に大きくなっていくくだりの、なんとスムーズなことか。こうした知的でサービス精神に溢れた創作活動を見せられると、明日への活力が沸いてくるというものです。はぁー興奮した。
SF設定の中で等身大の恋愛を描こうとした目論見もキレイに整理されていて感服。何度タイムリープしても変わらないチアキの言葉も、タイムリープしたからこそ近づいたコースケと下級生の距離も、マコトがそれぞれの時間の中でとった行動にキッチリ裏打ちされているからこそ納得できる。
しょせん高校生の恋愛なんて、いい意味でイイカゲンなもの。そこに絶対的な愛なんて必要ないし、信じられるはずもない。チアキは本当にマコトのことが好きだったし、同じくらい3人の関係が大切だったんだと思うんです。だからコースケに彼女ができそうになって3人の関係が崩れ始めたときに初めて、マコトに告白した。いわゆる「スイッチが入っちゃった」ってヤツだ。後にチアキが元々いたのは荒廃しきった世界だったことが明らかになって、この「仲間も恋愛も大事だった」という気持ちにグンと重みが増すわけですが。
ともあれそんな風に、ちょっとしたキッカケで告ったり告らなかったり、付き合ったり付き合わなかったり。男子も女子も、気持ちはそれぞれに真剣な熱を帯びていて、ふとしたときに丸出しになってしまったり、必要以上に押さえ込んでしまったり。この、まるで“ヒザ上20センチのミニスカート”みたいな危うさこそが「青春」という限られた時間の魅力なのだな。
いい映画を見ました。
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