[コメント] スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス(1999/米)
こんな映画のつくり方はよいことなのか。(無論ファンのひとにはヨロシイのでしょうが。)
素直に言って、瞬き出来ないどころか、瞼が落ちそうになった。つまり退屈。文字通り絵空言。
個人的には、映画はそれを見る時間そのものが濃ゆくあってくれないと、見ていることに虚しさを感じてしまう。物語の多彩な脈絡はあくまでも下敷きに、それを銀幕のうえで活劇に昇華させていくことこそ、娯楽映画の理想的なつくり方なのではないか? 一見さんへ強烈にアピール出来てこそ、魂の込められた娯楽映画と言えるのではないか? この映画にはそういう熱い魂は感じられなかった。
理想を言うなら、剣豪(ソードマスター)同士の太刀打ちは好いた者同士が交わすくち付けのように濃ゆい一瞬であるべきではなかろうか。そんなカタルシスへ向けてこそ娯楽映画という虚構は築かれていくべきなのではなかろうか。この映画のクライマックスの決闘は、音楽でノせようとするだけの空疎なチャンバラにしか見えなかった。
それとビジュアルエフェクトのことはどう考えたらよいのだろう。処理技術によって手を加えられ描き込まれた映像には、現実と虚構の狭間にあるような幻術的な魅惑が欠けているように思えて仕方がない。映画とアニメーションは本来全くべつモノだ(と、思う)。確たる自覚もナシに安易に処理技術に頼って描いてしまうと出来の悪いアニメーションにしかならないのではなかろうか。現にこの映画はそうなりかけていると思う。
これからはこんな映画に馴らされていくのだろうか。だとしたらつまらないなぁと、個人的には思う。
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