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[コメント] キャリー(1976/米)

…俺には解る。降りかかる災難を自力で打開するための能力を持ち合わせていない思春期の少年、少女にとって、追い詰められた時に唯一残されている武器にして防具が、無知であるが故に無限に広がって行く“想像力”なのだ。
kiona

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ガキの頃の自分にとって、この『キャリー』は『AKIRA』と双璧だった。思春期にあって超能力がリアルに感じられたのは、自らの無知と無力に対するコンプレックス故だったと自覚しているが、さりとて、無知であり、無力であったその時代の自分の想像力に、今の自分の想像力は適うべくも無い。

 一つ知識を得るたびに、一つ想像力を失っていった、そんな気がする。何かを得るため何かを失って行くのが思春期ならば、それも致し方ない。しかし、その脱皮が上手くできずに暴発していった者達も確かにいた。その意味で、今でも彼女をとてつもなくリアルに感じる。

 話は変わるが、『パルプ・フィクション』で何よりニヤリとしたトラボルタの髪型は、間違い無くこの作品から持ってきたもの。タランティーノのセンスが根っからの映画好き気質に裏付けられているというのが、何とも微笑ましい。

(評価:★4)

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