[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
私は「クレヨンしんちゃん」を観たことがなかった。このcinemascapeでこの映画の評判を聞き観てみました。面白い。しかしこの映画は子供のための映画だろうか?大人の思い出のための映画だ。
この映画が大人たちに熱狂的に支持されるのは1970年の万博というイベントを軸にした70年代の思い出が物語であるからだろう。しかし私はその時代設定と思い出がこの映画を傑作にしたとは思わない。
「演出」がこの映画を傑作にした。
まず父であるヒロシの思い出のシーン。少年期から大人になり結婚して子供が生まれる。それを台詞なしで映像と音楽だけで表現する。客観的なショット。これがクレヨンしんちゃんの表現だろうか。
そしてラストのシーン。大人帝国のボスが恋人と投身自殺をしようとする。横からのショット、二人は風を受けながら体を傾ける。そして二人の主観ショット、ビルの上から下の景色が画面に向かってくる。しんちゃんの「ずるいぞ」という叫びとともに白い鳩が飛び上がり自殺を食い止める。恋人はビルの屋上で座り込み「死にたくない」と言う。ボスは「また家族に邪魔されたな。」とつぶやく。これは子供用の映画の表現だろうか。
このふたつの「演出」がこの映画を傑作としている。
しかしこの「演出」は子供用ではないと思う。
この映画は私としては面白かったが、子供たちにとってははたして理解できたのだろうか。
子供用の映画のふりをした大人のための映画。
追記
この作品「大人のため」の映画と言ったが大人が見ても十分楽しめるぐらいのレベルの高い映画ということです。決して子供が見てはいけないとは思わない。理解できなくても何かしら心に残ればいい。わたしも幼い頃父にいろいろ映画を見せてもらった。完全には理解できなかったが何かが心に残り今思うととてもいい経験だったと思う。最近のアニメはリアルを追求するあまり暴力描写が激しかったり、男性に都合のいい女の子がでてきて性描写が生々しかったり、そういう作品こそ大人になってから観るべきでこの「クレヨンしんちゃん」はその点では是非子供に観て欲しい作品です。
あと「演出」のところを細かく書いてしまいそれはネタばれだと思うので赤色のレビューにします。しかしこの演出について書く方法はそのまましか私にはなかったので宜しくお願いします。
もし私に子供が生まれたなら是非この作品を一緒に観て父親の時代の話をしたいです。
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