[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)
わたしはJ.R.R.トルーキンの原作『指輪物語』(1948年・英国)を読んだ事が無いのですが、多分原作を知っている方にとってこの映画は「よくぞあの世界を映像にしてくれた」と感動し、その映像技術の素晴らしさに目を見張ったのではないでしょうか。その反面、想像するに、原作の中の多くのエピソードが削られていたり、変更されていたり、イメージと少々?違ったりもするのではないでしょうか。L.フランク・ボームの『オズの魔法使い』が1939年に映画化された時もそれと全く同じでした。
『オズの魔法使い』は1900年に米国で出版されて以来、非常に人気のある児童文学・ファンタジーでしたが、1939年に映画化され、1956年からTV放映されるようになると、それまで以上に知れ渡り、米国人なら誰もが知るストーリーとなりました。 しかしもったいない事に、今の米国の子供たちの多くは映画を通してストーリーを知っているのです。もちろん、映画も素晴らしいのですが、わたしはやはり原作に勝るものは無いと思うのです。
ひょっとしたら、この『ロード・オブ・ザ・リング』も、『オズの魔法使い』の様に、文字離れしている子供たちにとって、エキサイティングで素晴らしい映像は文字と違って受け入れやすく、原作以上に広まって行くのかもしれません。それはそれでまた良いのかもしれません・・。でも子供たちには、ゲームや映画の様に既に絵になっているものを見る事よりも、原作を読んで自分の頭の中でこの”世界”を創り上げて欲しいなと思うのです。想像力ってそうやって養われていくものだと思うんです。
なんだか年寄りの説教のようになってしまいましたが・・・これがわたしがこの映画を観て一番感じた事でした。最近『オズの魔法使い』にとり憑かれているのでそう思ったのかもしれません。
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