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ジェリーさんのコメント: 点数順

★1ブロウ(2001/米)スターの輝きしか光源のない、子供のつぶやきのようなレベルの映画だ。良心的に創ろうとする姿勢が映画の良心を生むのではない。いったん創られてしまった映像がいかように読まれうるのかについて監督が思考した形跡のない映画はとても空しい。[投票]
★1白いカラス(2003/米)人種問題を扱いたかったのか、零落の果ての男女の恋を描きたかったのかとにかく不明。黒人問題を描いているように見えるが、制作も原作も根はとことんユダヤ人感性なので、アイロニーがきつすぎてついていけない。クローズアップの多さも凡庸に過ぎる。[投票]
★1スイミング・プール(2003/仏=英)なぜオゾンがここまで観客を韜晦し続けるのか。画面表層での説話進行をここまではぐらかす真意は何か。結局おばさんの熾きのような感情の捨て場所になったのは、映画の中ではなく、観客の心の中だったという驚くべき事態。火は酸素を十分に与えられず今もくすぶっている。[投票]
★1ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日)格闘部分を除くと人物の行動の動機、よって立つ主義主張から感情の機微までおよそ理解不能なシーンが延々と続く。何種類かのジグソーパズルのピースをまぜこぜにして一つの絵にしたようなちぐはぐ感が実に痛々しく観るに値しない。[投票]
★1アラビアン・ナイト(1942/米)砂漠が『スター・ウォーズ』より撮れていない作品も珍しい。中世アラブという素材に想像力を駆使した形跡が皆無で、ユニヴァーサル駄作群の典型的一篇。これがあの全盛期ウォルター・ウェンジャーの製作とは! マリア・モンテスジョン・ホールという往年のペアも今や砂中に埋もれつつある。[投票]
★1オリヲン座からの招待状(2007/日)浅田次郎の描く不器用な人たちが大好きな私でも、この映画を褒められない。下手なわけではないがやり過ぎて臭くなりがちな加瀬亮を放任してしまう点一つとっても、この監督の手綱捌きの弱さは歴然だ。明部がこころもち明るすぎる露出設計もテーマと合わない。[投票]
★1オーギュスタン 恋々風塵(1999/仏=スペイン)二人の海外渡航者の異文化体験を描いた映画であるが、映画的なミソは、フランス人監督がカンフーを完璧なカット・イン・アクションで再現したワンシーンのみだった。マギー・チャンの化粧っ気薄い美貌には驚いたが、ミスター・ビーンもどきの主人公が駄目。[投票]
★1氷点(1966/日)視線と会話が猥雑に交錯しあってこそ矛盾に満ちた人間のドラマになるはずなのだ。一本調子の単純人物ばかりの登場で、事情だらけの家族の骨肉の醜さを描くことが出来なかった。後のカットが前のカットを裏切っていくようなダイナミックさがもっとほしかった。[投票]
★1ファンタスティック・フォー[超能力ユニット](2005/米)スタン・リーの軍門に降ったアメリカ映画人たちの底知れない怠惰を笑おう。ゴム人間など、漫画では受ける超能力者も、映画にするとつまらなくなるものだ。この4人の人物関係が別にこんな人間関係でなくともよかった点がストーリー上の最大の致命傷か。[投票]
★1未来世紀ブラジル(1985/英=米)リンチ、クローネンバーグ、リドリー・スコット、キューブリックらに似ていながら、一桁も二桁も劣る。秀才作家の作品に共通なパワー不足と濁りとが画面に結晶しており、席を立ちたい思いをこらえて勉強のために最後まで見た。2度見る気はない。[投票]
★1少林少女(2008/日)「何を創りたかったのか」を問えない映画。失敗作ですらないのだ。「何かを真似たかった」映画でしかないからだ。無能なのか生来の怠惰なのか本広克行の資質を問う価値もあまり感じられなかった。俳優が頑張っているだけになおのこと情けない。[投票]
★19月になれば(1961/米)イタリアの陽光が喚起する淫風吹き荒れた艶笑コメディ。出来の悪い砂糖菓子レベルの作品という評価しか正直できない。鈍重さのまとわりつくロック・ハドソン的遺伝子を持った二枚目俳優はすっかり絶滅してしまった。それを惜しいと思う人ももういない。[投票]
★1ライフ・アクアティック(2004/米)脚本だけならこの映画は傑作になったかもしれない。スチル写真的構図に頼らねば斬新さを生み出しえなくなっている無能無策ぶりを笑う。カットからカットへの変化がどれほど激しくともそれは活劇にならないことを監督が少しも体で理解していないようだ。[投票]
★1SPIRIT(2006/香港=米)身体能力とワイヤ・ワークと特撮の連携の滑らかさは、これ以上のものを見た記憶がない。戦いの山谷がどれも同じに感じられるのは大いに不満。単細胞すぎる主人公の設定と妙にナショナリズムの鼓舞に行きがちな要素の混入も残念。もっと炸裂して枠を吹き飛ばして欲しいのだが。[投票]
★1太平洋作戦(1951/米)おそらくドキュメント映像を含んで空中戦が演出されていると思われるが悪い出来ではない。この心浮き立つ運動感を下支えする地の部分の基地内のやり取りがやたらと凡庸で、マネジメントという主題は映画にはきわめて不向きな主題であることが幸いにも理解できた。[投票]
★1マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007/仏=中国=香港)はりぼての色彩設計、昼夜の区別を判別させえぬ照明、これらも実に痛々しいのだが、特に空間造形力の貧困さが致命傷。ノラ・ジョーンズが恋人の家を見上げるカットでは彼女の立ち位置と恋人の家の窓の距離感が決定的に重要なのだが、それが皆無。彼女の好演が台無し。[投票]
★1バタフライ・エフェクト(2004/米)映画はカット切り替えの際にワイプやフェードやオーヴァーラップでかろうじて時間の変化のニュアンスを伝えられるだけで、一つのカットの中の時制は常に現在なのだ。その特性を徹底的にもてあそんだだけという映画で、どこに創造性があろう。[投票]
★1なまいきシャルロット(1985/スイス=仏)幼稚な紋切り型映画。多少誉めておくと演出は堅実で、思春期世代のコンプレックスの様相はリアルに捉えられていた。しかし、これ以上リアルになると共感にならず、これ以上リアルがぼけると単なる教訓劇になる映画の立ち位置の取りかたに宿命的な凡庸さがある。[投票]
★1ヅラ刑事(2006/日)ゆるい笑いを期待して見たのだが、ゆるすぎた。2時間TVドラマのはるか下を行く映画を見たければこれを推薦する。[投票]
★1パーフェクト・ストレンジャー(2007/米)凝ったドンデン返しそのものを目的にした勘違い。清冽なカタルシスの完成こそ映画が目指すべきもの。有名な俳優たちのキャリアを台無しにした罪は大きいが、出演したほうもしたほうである。キャラの薄っぺらさにはとにかくあきれ返る。[投票]