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ぽんしゅうさんのコメント: 投票数順

★3胎児が密猟する時(1966/日)自ら命を断ち回帰すべき肉体を消滅させた母への怨念は、叶うことなき願望と生きにくさという状況に加速され巨大な胎児・丸木戸(山谷初男)を生んだ。女の肉体を袋としか見ることができない男が、もはや全ての寄る辺を喪失しているのは明白だ。[投票]
★4オール・ザット・ジャズ(1979/米)睡魔や中座を防ぐため随所にセクシーな姿態や小気味良い音楽を用いて、「アレン? フェリーニ??」という米国の映画芸術科学アカデミー会員にも理解できるよ創作家の苦悩を、派手に、楽しく、分かり易く絵解きしたボブ・フォッシー監督の苦心作。 [review][投票]
★2イエスタデイ 沈黙の刻印(2002/韓国)緩急のないカットつなぎでアクションシーンがセカセカと続き、余韻に浸るまもなく話が進むので見終わっても感慨のみじんも起きずただ疲労感が残るだけ。ヒステリックでせっかちな女に、一方的にまくし立てられたような気分。女優さんは魅力的なんですがねぇ。[投票]
★1借王〈シャッキング〉 狙われた学園(2000/日)シリーズの持ち味であるはずの荒唐無稽さと、映画的出鱈目さに裏打ちされた大金強奪作戦の緻密さのカケラもなく、水沼(志賀勝)の恋心などという不純な要素を持ち込んだシナリオが最低。Vシネの良心をなくした不用意なビデオの長回しも最悪。[投票]
★2神田川(1974/日)東京での同棲生活と聞いただけでアレヤコレヤと妄想ふくらませ頭も股間も爆発しそうな田舎の少年だった私にとって、あまりにも楽しくない映画だった。演出スタイルは70年代風ながら、この脚本の価値観は四畳半の破れ襖のごとくカビ臭く畳のごとく湿っぽい。[投票]
★3木曜組曲(2002/日)演者の個性におまかせで芝居優位かと思えば、急に思い入れたっぷりのカメラ視点優位にと予想できない緊張感。スタイルの定まらない優柔不断な演出が功を奏して、閉鎖的な舞台設定にもかかわらず偶然面白く撮れてしまった篠原哲雄監督らしい佳作。 [review][投票]
★4女衒(1987/日)己の純粋な出世欲を時の日本帝国主義と重ね合わせ盲進した若者がいたとして、それを誰が責められるだろうか。面白いテーマだが物語や、緒方拳賠償美津子ら常連組みが無難過ぎて迫力不足。今村映画の中での相対評価としては若干物足りない。[投票]
★2お吟さま(1962/日)ワンショットごとに完結する役者の身振り手振り芝居が形式的でいかにも古臭い。その人為的な情緒演出が上滑りし、物語の世界にいっこうに入り込めない。師匠格の溝口健二とは対照的な、田中絹代監督の手取り足取り的過剰演出が敗因。[投票]
★3借王〈シャッキング〉 ファイナル(2001/日)ファイナルと言う割には、今ひとつテンションも上がらず特別なカタルシスが用意されているでもない。シリーズ当初の緻密さもなくなり、まあ、息が続かなくなったからファイナルなのでしょう。軽快な香月秀之の演出だけで何とか形になったTHE END。[投票]
★3王子と踊子(1957/米)モンローに能天気娘としての精彩がなく、物語が弾まないので大公一家の生真面目さばかりが目立ち笑うに笑えない。的はずれな皇太后(シビル・ソーンダイク)だけが唯一の救い。只々、白いドレスがはちきれんばかりのモンローの巨大なお尻だけが印象的。[投票]
★3南国土佐を後にして(1959/日)三人の美女(浅丘ルリ子・南田洋子・中原早苗)を魅了しつつ、堅気の仕事(=退屈な日常)に恵まれず、封印したはずの御法度得意技で万事解決。警察庁を背に女たちに、にこやかに手を振る潔さ。これぞ、凡百の男が憧れる無自覚の母性本能くすぐり男(小林旭)。[投票]
★3ミスター・ミセス ミス・ロンリー(1980/日)オンナそのものの原田三枝子と、体制に弾かれた半端な男達(宇崎竜童・原田良雄)とういう神代辰巳の定番設定なのだが、物語の枠組みを意識した行儀の良い演出が息苦しい。桃井かおり秋吉久美子が持っていたズレ感が原田に無いからだ。[投票]
★2会社物語 MEMORIES OF YOU(1988/日)ジャズバンド結成や家庭内トラブルといった劇的な物語展開と、晩年サラリマ−ンたちの日常を淡々と描いていく手法との間にギャップがあり映画的リズムの不統一を感じた。面白い企画だと思うが、それが今ひとつ作品の世界にのめり込めない理由。[投票]
★3絶唱(1958/日)華奢な浅丘ルリ子小林旭のお坊ちゃんぶりが如何にも戦中戦後のカップルらしく、横山実の白黒画面の中で実に良い雰囲気。ほぼ本作の脚本を踏襲した75年の西川克巳版に比べ、プロレタリア色が強いのは58年という製作時期のせいでしょう。[投票]
★2たどんとちくわ(1998/日)精密機械の設計者のごとく、或いは工芸細工の職人のように、映画を組み立てることに長けた市川準監督が、何を思ったのか、はたまた何も考えなかったのか、映画の解体を試みた本作は、当然のごとく支離滅裂な『タクシー・ドライバー』の擬態となった。[投票]
★3JSA(2000/韓国)人間が持つ猜疑心は計り知れず一旦その穴に落ち込むと、人は憎悪と恐怖から簡単に抜け出せるものではない。その困難を描くことを、なおざりにした友情物語が説得力を持ち得るはずがない。どんな結末を準備しようと物語に迫力がないのは、そのせいだ。[投票]
★3仁義(1970/仏)徹底的に主観ショットを排除したジャン・ピエール・メルビルアンリ・ドカエコンビの画作りで、終始緊張を強いられての2時間越えはさすがにつらく、犯行シークエンスからラストへかけてのカタルシスのなさが鑑賞後10倍の疲れとなって押し寄せる。[投票]
★3ドリフターズですよ! 冒険冒険また冒険(1968/日)学生運動、ボディペインティング、アングラ演劇、コント55号と散りばめられた68年のリアルタイム風俗の中、まさにドリフもまたその一部であったということを図らずも体現した映画。製作パワーの低下は痛々しいが、内藤洋子酒井和歌子がご愛嬌。[投票]
★3命(2002/日)誠実な映画だ。篠原哲雄の真摯さに応えようとする江角マキ子豊川悦司の気迫が充満している。しかし、それはあくまで二人の役者としての迫力であり、柳と東が共有した生と死の偶然の交錯が生んだ濃密でピュアな時間が持つ迫力とは違う気がする。 [review][投票]
★2LOVE SONG(2001/日)二人の出会いにときめき感がなく、彰子(仲間由紀恵)の東京旅行には焦燥感がなく、松岡(伊藤英明)の失踪にも挫折感がない。ただ脚本をなぞるだけの佐藤信介監督の画作りに映画的センスを感じない。何にもないのだから面白いはずがない。[投票]