[コメント] バベル(2006/仏=米=メキシコ)
壮大なようでいて実は案外こじんまりしたテーマを風呂敷拡げて描く(?)PS,ああいう演技がオスカー候補になるご時世に違和感を感じまくった・・・
「コミュニケーション」「相互理解」「人類皆兄弟」「不条理」ってこんなトコなんだと思うんだけど間違ってますか?
四つのエピソードがリンクしてそうでいて、実はアメリカ人夫婦とモロッコ人親子以外はほとんど関係など無く「リンク」している事自体にまったく意味が無い。
映画的なストーリーはモロッコとメキシコで消化し、最もテーマに肉薄し易いエピソードとしては日本が担当するのだが、皮肉な事に最も消化不足であり作品全体が行方不明になってしまう。
その観念的なテーマを担当した日本編では主役の菊地凛子が妖しい演技を披露していたが、「明るく・積極的な障害者」という難しい役を一本調子な芝居でやってくれたおかげで私は混乱した。あそこまでいくと言葉を失った聾唖者の「罪と罰」というよりもただ単に「早く大人になりたい少女」の性衝動にしか読めなかった。ワールドワイドなハリウッドでは現在、東洋的な神秘がもてはやされるというブームでもあるんでしょうか?・・・ありそうですな。
絡めあうエピソードを構成してひとつのテーマを様々な形で描いていこうとするならば、もっと四つのエピソードを横に串刺しにするような「芯」を「分かり易く」描くべきじゃなかったんでしょうか?
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (11 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。