[コメント] 蒲田行進曲(1982/日)
僕の大部屋体験
当時、杉○太郎主演のTV時代劇のエキストラのバイトで撮影所に出入りしており、待機は大部屋俳優の方々と一緒の文字どおり大部屋でした。
大部屋には「ヤス」が沢山いました。将来への踏み台として大部屋に甘んじているというというようなスポ根的な方はいませんでした。大部屋は大部屋。けっしてスターさんにはなれない。川谷拓三は例外中の例外なのだ。
そこにはこの作品で描かれているのと全く同じ情景が歴然とあるのです。主演俳優は撮影所では神様と同義語です。独裁者と奴隷。そしてスタッフとは如何に自分を良く撮るかという道具に過ぎない。・・監督さえも・・・
ある日、殺陣で誤って主役の身体に刀をあててしまった殺陣専門の役者さんが、半殺しになるまで彼に殴られ続けていましたが、誰ひとり止めずに見続ける事しかしませんでした。
ヤスも拓ぼんもスターの偉大さを心底知っている。スターさんもスターであり続けるという異常心理を維持するには尊大さが不可欠なのかも知れない。たった一握りのスターを銀幕に輝かせ続けるには、多くの大部屋やスタッフたちが泥の中で這いずり、蠢く事が必要なのだ。
だから、歌手やモデルなどの話題性だけでいきなり主役の看板を張る人気者を許せない。
嗚呼、久しぶりに拓ぼんの『仁義なき戦い』が見たくなった・・・
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